「腑抜けで愚鈍」
腑抜け共が凛たる姿の賢人たちを嗤ってた、
けれども賢人たちは賢人たちで、
如何なる術にて隣人たちを欺こうかと台にカードを並べてる、
根無し草の旅人は、根が無い故に花を咲かせることはなかろうが、
世捨て人を決め込んで、百年前のウヰスキー、
瓶のまんま呷ってやがる、喉に火を点けたいだけさと強がった、
呪いの言葉を見つけるたびに木屑にそれを書き出して、
ひとつひとつ炎に焚べた、
腑抜けか賢者か、そんなのどちらだって構わない、
灰にまで焼ければやがて、
天は汚れた雨を零してくれるんだろう、
悲しみだとか愛だとか、孤独であるとか佗しみや、
脚の甲に杭を打たれた、それでも此処にはいられないと旅人は、
肘で地を這おうとも、留まることを選ばなかった、
それから腑抜けと賢者を嗤う、
「お前ら、似た者同士だよ」って、
空になって投げられた、瓶は粉へと変わってくんだ、
路上のガラス片くらいなら、誰もが光を持つだろう、
然しは所詮、その程度、
私も割れた瓶の破片くらいで良ければ光りもするんだろう、
それ以上でも以下でもない、
軽々しく扱うも、重々しく思えども、思い語ればそれこそ身の浅ましさを知るのだと、
君も私も胸のうちでは知っているのだ、
たかがしれた存在と、私たちは知っているのだ、
腑抜けが賢者を振る舞って、
賢者は愚鈍のふりをする、
そしてその内実は、ほとんど差すら見つけられはしないのだ、
賢者のふりする腑抜けか愚鈍、腑抜けなだけの賢くもなく、やはりは愚鈍にしか過ぎず、
呪いの言葉を見つけるたびに木屑にそれを書き出して、
ひとつひとつ炎に焚べた、
腑抜けか賢者か、そんなのどちらだって構わない、灰にまで焼ければやがて、
天は汚れた雨を零してくれるんだろう、
悲しみだとか愛だとか、
孤独であるとか佗しみや、
思えば思うほどに知る、
私や君は腑抜けで愚鈍な救いもない、救うことすら不要な木屑同然と、
私たちはそれ以外にはならぬのだ、
photograph and words by billy.
#眠れない夜に
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