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子どもは大人が思っている以上に残酷なものなのだよ
小学6年生も終わりの頃、
ボクは裁判の被告にされた。
学級代表だったボクは、
いつものように学級会を、
締めくくろうとした。
その時、N君が挙手をした。
N君は「緊急動議」として、
学級代表のリコールを求めた。
理由はよく覚えていない。
頭の中は真っ白、
目の前が真っ暗、
に、なった。
規定通り、クラス全員に、
動議を議題にする可否を求めた。
クラスのほとんどが挙手した。
そこから緊急動議という名の、
一方的な裁判が始まった。
N君を中心とした一部の子たちが、
ボクの学級代表としての不適任さを、
次々と発言していった。
女性の担任の先生は呆然として
ただ見ているだけだった。
それは、弁護士のいない、
私的制裁そのものだった。
結局、ボクは、
N君たちのグループを見て
引きずられるように
ボツボツと手を挙げた
クラス全員!の挙手で、
学級代表をリコールされた。
何事にも積極的だったボクは、
ボク自身も感じていたが、
担任の先生に、
「えこひいき」されていた。
だから、ボクの言動が、
独善的に感じる人も
いたのかもしれない。
でもそれはボクのせいだろうか。
ボクは、
翌日から登校できなくなった。
誰も信用できなくなった。
未だにその時の夢を見る。
誓って言えるが、
ボクはお調子者ではあっても、
友だちをいじめたり、
わがままを通したり、
誰かをバカにしたことは、
一度だってなかった。
ただ、「いい」と思ったことは
積極的に提案し、発言した。
いつも元気溌溂と発言し、
先生から可愛がられ、
成績も悪くないボクを、
N君は妬んでいたのかもしれない。
目障りだったのかもしれないね。
N君自身は、悪意というより、
習ったばかりの「リコール」を、
使いたかっただけかもしれない。
イタズラをたくらむように
クラス全員に根回しをして。
そのいいカモが、ボクだった、
それだけのことかもしれない。
だけど、ボクの心には、
PTSDのように、
一生その傷跡が残っている。
もし、イジメという行為に、
イジメられる側にも理由がある、
などという人がいたら、
ボクは絶対に許さない。
子どもというのは、
大人が思っているより、
残酷なものなのだ。
それが大人のような
「計算ずく」で無い分だけ
余計に残酷なのだ。
ピュアに残酷なのだ。
このPTSDは、
社会に出て10年後、
旧い傷口から、
真赤な血が噴き出すように
残酷に蘇った。
![](https://assets.st-note.com/img/1709199662979-ZIQPb0ZKPc.jpg?width=1200)
でも、ボクは子どもたちが好きだよ。
映像作家:増田達彦
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