『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』ジェーン・スー著
ちょっと前に、最寄駅近くのブックオフをふらついていた。
他のブックオフと違って、サーフボードも取り扱っていたり、「GO OUT」とか「HONEY」とかアウトドア系の雑誌も多くて、ブックオフに土地柄が出るのか…!と新たな発見があった。
考えてみれば確かにそうなんだけど、古着屋とかヴィンテージショップには、その土地の文化とか歴史とかが色濃く反映されるみたいだった。
旅行に行くたびに全国のブックオフに立ち寄ったら面白そうだな〜なんて考えていたその時。
外国人作家コーナーに、ジェーン・スーさんがいらっしゃるのを発見。
面白かったので手に取りました。
※作者はゴリゴリの日本人
今回はジェーン・スーさんのエッセイ「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」を語ります💄
①あらすじ
これまで誰もが見て見ぬふりをしてきた女にまつわる諸問題(女子問題、カワイイ問題、ブスとババア問題、おばさん問題……etc.)から、恋愛、結婚、家族、老後までーー今話題沸騰中の著者が笑いと毒を交えて、自らの経験や失敗を開陳する宝石箱のようなエッセイ。20代、30代、40代女性の働き方、生き方に知恵と術を授けてくれる、女にとっての教典的物語でもある。モヤモヤ言葉にできない感情に片がつき、読後はスッキリ! 人気ブログ「ジェーン・スーは日本人です」のエントリ(検索は「ジェーン・スーは日本人です」まで)を加筆修正し、新たに書き下ろし20本を加えた全256頁。
(幻冬社より)
いやあ。心にぶっ刺さるこのタイトル。
読めと言われてる気がしてしまった。。
可愛いものが好きだけど、「カワイー!♡」と声を大にしてキャピキャピできるほど子供でもなく、でもあの頃と同じくらいの熱量で可愛いと思ってる自分。
たしかに、大人になるにつれて落ち着いてきた気持ちもあるけど、自分が持っている女子性も大事にしたい。
②感想
女は何歳まで女子と言えるのか?
私は、なんとなく女子といえるのは学生までだと思っていて、大学を卒業し働き出してからは、大人の女性として扱われるような態度や服装を意識していた。
だが会社に入ってから驚いたのは、男性上司はみな女性社員を「女子たち」と呼んでいた。
古い体制の会社だからか、営業職として働く人を「男子」、事務職として働く人を「女子」と言っていて(まあ確かに性別でくっきり分かれていたのだけど)、面食らったのを覚えている。
でも上司たちに悪気はなく、差別的な意味を含んでいないことも理解していたので、受け入れていくことはできたし(社会的にはセクハラと指摘されてもおかしくはないと思うが)
自分が「一社員」として扱われたいと思っていながら、「女子」と言われ「女子」として扱われるのも不思議と悪い気はしなかった。
実は、女子女子言っている女たちも、自分が好きなもう女子という年齢ではないことを十分自覚しております。それでも「自称女子」が跋扈するのは「女子」という言葉が年齢ではなく女子魂を象徴しているからです。スピリッツの話をしている当事者と、肉体や年齢とメンタリティをセットにして考えている部外者。両者の間には、大きな乖離があります。
作者は上記のように、現代における「女子」という言葉は「女子魂」を指すと言っているが、その通りだと思う。
30代女子は、30代(における)女子(魂)と言う意味である。
だって、可愛いものはいつまでも可愛いと思うし、大人になってもピンク好きだし、ネイルも可愛いし、恋愛でキュンキュンしたい。
大人になっても、隠れているだけで、タトゥーのように刻まれている我が女子魂。
作者が言うように、親しい人にだけそっと見せる秘密の部分。
ずる賢い私は、異性に対するギャップとしての効果もあるのではないかと思った。
また、恋愛における「隙」についても語っている。
私はよく「しっかりした人」と言われますが、それは曖昧な空気を漂わせたままにしておくことが苦手な、自信のなさの裏返しでもあります。しっかりしていないとみっともなくはしゃいだり、みんなと一緒に場の空気に馴染んだりできなくなるのではないかという恐怖を、私はいつもうっすら感じていました。多少の発展を予感させる異性を前にすると特に、感情と役割の白黒をはっきりつけないと、息が詰まってその場にいることが耐えられませんでした。
隙のある状態に耐えられる能力は、曖昧な空気を他者との間に漂わせたままにできる強さです。一見主体性のない女の子の方が、強気な女よりずっと強いと思うことがあるのは、己を漂わせるつよさを彼女たちが持っているからです。
隙は作るものではなく、堪えることや任せることや信じることで生まれるもの。それが私なりの結論でした。
なんと!!
これは目から鱗だった。
隙がある状態は弱さだと思っていたのに。
相手を信じる強さなのか。
私も、恋愛における男女の曖昧な関係を完全に楽しむことはできず、すぐに結論を求めがちなところがある。
己を漂わせる強さとは何だろう。
なんか、剣を対峙させて相手の出方を窺っている武士っぽい!とか思っちゃう私の恋愛経験値の低さが悲しい。
この度は色々勉強させて頂きました。
③まとめ
笑えるエッセイかと思っていたけど、読み終わってみたら勉強になることが多かった。
女性には、色んな選択肢がある。結婚するか、子供を産むか、働くか。悩まない女性なんていないと思う。
女性がこの社会で頑張って生きる中で、声を上げるほどでもない違和感や、もやもやした感情を、ジェーン・スーさんの爽快な語り口でバサバサ斬ってくれる。だけどそれでも良いんだよって優しく擁護してくれる。
30代に突入したら、再読したい、素敵なエッセイでした😘💋
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