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ワイン本レビュー「1時間でわかるオーパスワンと北アメリカワインの歴史」

おそらく日本ではロマネ・コンティの次に有名な高級ワインではないかという「オーパスワン」について、その成り立ちからアメリカワインの勃興までを1時間で読めるサイズにキュッとまとめてくれている一冊です。

ロマネ・コンティと違い、オーパスワンは頑張れば飲めるワインなので豆知識としてもおすすめになります。

オーパスワンですが、アメリカのカリフォルニアのワインですが、フランスとアメリカの醸造家の合作ということはもしかしたらあまり知られていないのかもしれません。
一人はフィリップ・ロスチャイルドというあのロスチャイルド家の家系でボルドー5大シャトーのシャトー・ムートンの持ち主です。
もう一人が、ロバート・モンダヴィというアメリカ人で、彼もワイナリーを営む家系には生まれましたが、もちろんシャトー・ムートンと比べるまでもなく当時のアメリカなので国際的な評価がどうこうというレベルではありませんでした。そのアメリカワインを国際的にも評価されるまでに尽力したのがロバート・モンダヴィです。
ちなみに、オーパスワンの有名なあのエチケットは二人の横顔を並べたものになっています。

という感じで、話は進むのですが、個人的に面白かったのはアメリカでワイン栽培が始まる流れと、それに関連した歴史の物語です。15世紀くらいからワインがアメリカに伝わってくるのですが、当時の宗教上の対立や植民地支配の歴史が大きくワインの伝わり方に関わっています。また、アメリカワインを語る上では避けられないフィロキセラの被害についても背景を含めて詳しく書かれていました。

最後に、パリスの審判に触れられて、アメリカワインの成功の物語が終わります。

読後感としては、オーパスワンについてしれたな、というよりはオーパスワンとそこに繋がるまでのアメリカワインの歴史を知れた、という感じなので非常にコスパの良い本でした。

ワインに込められたストーリーを紹介しています

今回はワイン本のレビューでしたが、普段はさまざまなワインに込められたストーリーを紹介するnoteを書いています。
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