「精霊の守人」シリーズ
自分は、上橋菜穂子さんの作品が好きだ。
元はと言えば、j.kローリングさんの「ハリーポッター」シリーズが大好きで、ファンタジーの小説って面白いなぁと思い、「獣の奏者」を手に取ったのがきっかけだ。
今では「獣の奏者」シリーズ、「鹿の王」シリーズを経て、「精霊の守り人」シリーズに手を出している。
上橋菜穂子さんの作品は、その世界観が壮大で、独特で、ドラマチックだと思う。
例えば、物語の中に出てくる食べ物1つとっても、日本にはありそうで無いような物が出てくる(よく記憶はしていないが、牛の乳から作ったバターを浸したパンを火で炙るといった具合)。
その独特な世界観と、そこに出てくるキャラクター達の想いや葛藤が、上橋菜穂子さんの世界に自分を引き入れてくれるのである。
自分が、上橋菜穂子さんの作品を好きな理由は他にもある。
それは、現実の世界には無い暖かさが満ちている世界と対面できることである。
"対面"という言葉を使ったのは、上橋菜穂子さんの作品を読むとき、自分の生きている現実の世界と、明らかに異なる物語の世界の2つを、肌で感じるからだ。
上橋菜穂子さんの世界は、人の暖かさ、人間の誇り高さ、孤独や弱さを支える存在、そういったものが描かれることが多い。
独特の世界の中で、そのようなものに触れている自分がいる一方で、ふと周囲に意識を戻してみると、人々の雑多な話し声が聞こえてきて、ここは東京のカフェチェーンだったなと思い出したりする。
そして、現実の世界には無いものを外側から覗き込んでいる自分に気がつく。
「この暖かい世界観というのは、現実には無いのかもしれない。」そう思うと、より、その物語の世界が、大切で尊くて、大好きなものに思えてくる。
最近では、上橋菜穂子さんの作品の良さを友人に伝えたいと思っている。
こんな素晴らしい世界があるのに、知らないなんて勿体ないし、知ってほしいし、色んな話をして共感したい。
しかし、自分のコミュニティの中で、上橋さんの作品を知っている人が少ないからこそ、自分はそこに希少性を見出し、上橋さんの作品を好きだと感じているのかもしれない。
なんとも、難しいところである。
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