姿勢の鍵を握る、脊椎と骨盤のパラメータ
今回の記事は↓↓↓の過去Tweetをまとめたものになります。
脊椎・骨盤帯といえば
骨盤の前傾
腰椎の前弯
胸椎の後弯
頸椎の前弯
辺りが保たれているかどうかを確認することが多いと思います。
しかし、近年では脊椎・骨盤帯を中心に全身のアライメントに着目したパラメータが用いられるようになっています。
その中には姿勢評価に有用なパラメータもあるので確認していきましょう。
脊椎アライメントのパラメータ
今回注目する脊椎アライメントのパラメータは以下の3つです。
腰椎前弯角
胸椎後弯角
Sagittarius Vertical Axis(SVA)
の3つです。
腰椎前弯角は
L1の上縁とS1の上縁を結んだ線のなす角度
と定義されています。
平均値は46.79°という報告がされています(鈴木ら 2016)。
脊椎変形症例では平均値が26.4±22.8°という報告もされています(谷澤ら 2015)。
文献によってはL1-L2の角度を腰椎前弯角とし、平均値が26°としているものもあるみたいです。
腰椎前弯角が減少すると立位時の膝関節屈曲角度が増加し、腰痛や膝関節痛を引き起こす原因になってしまいます。
膝関節屈曲角度は骨盤後傾との関係に目が向きがちですが、腰椎前弯角との相関が報告されています(Obeidら 2011)。
これらはknee spine syndromeという言葉の裏付けにもなるかもしれません。
ただ、
膝関節屈曲角度の増加が先か、腰椎前弯角の減少が先か
というのは明確ではないです。
日本では60代から膝関節痛を発症し、それ以降に腰痛を発症する方が多いと言われており、
膝関節痛
↓
立位時の膝屈曲角度増大
↓
腰椎前弯角減少
という流れでknee spine syndromeが発生していることが多いそうです。
胸椎後弯角は
Th5の上縁とTh12の上縁を結んだ線のなす角度
により定義されています。
ちなみに平均値は40.32±27.02°という報告がされています(山田ら 2013)。
脊椎変形症例では平均値が31.6±18.0°という報告もされています(谷澤ら 2015)。
腰椎前弯角と胸椎後弯角は標準偏差が大きい報告が散見されることから、年代や個人間におけるバラつきが大きいことも伺えます。
SVAは
C7椎体中央からの垂線と仙骨後上縁との前後距離
と定義されています。
ちなみに50mmを超えるとQOLに影響すると言われています(日本成人脊椎変形学会)。
この値は加齢により増大が認められると報告されており(松村ら 2014)、SVAを小さくするための主な代償機構として
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