(F99) テレワークが暴いた“不都合な真実” ポスト・コロナに「中間管理職」がごっそり淘汰されるワケ-1 (2020.6.2) by 牧野知弘 より抜粋加筆しました。
⑴ テレワークは案外“便利で快適”だった
社員は、通勤時間がいかに無駄なものであったかに気付かされた。
また、会社に行かなくても自分は十分仕事で成果をあげられると、自身の能力を再発見する機会にもなりました。
一方で、経営者にも大きな発見がありました。
テレワークという働き方は、
社員一人一人に細かなタスクを指示し、それぞれが時間通りにできるかをチェックするのにはものすごく便利なツール。
会社でなんとなくボケーと座っているだけで一日をやり過ごしていた社員がいても、
日々の業務の中で見過ごしがちだったのが、テレワークではその怠けぶりが一目瞭然。
⑵ 日本の会社組織の「262の法則」
日本の会社組織では、「262の法則」があると言われる。
①全社員のうち約2割は、会社のために本当に役に立ち、リードしていくことができる優秀な人たち
②約2割はいわゆる落ちこぼれで、会社にぶら下がるだけで何の生産性もない人たち
③残りの約6割が、普通の社員。
素晴らしくできるわけでもないが、全く役に立たないわけでもない社員たち
⑶ “普通の社員”の実力が可視化されてしまう
ポスト・コロナ時代にも、262の法則は継続できるのだろうか。
おそらく多くの会社では、組織の形態が大きく変化することが予想される。
これまでは何となく社員全員が同じオフィスというハコに収まり、もたれあって仕事をおこなってきたのが、
業務のうちの多くがテレワーク化されることで、会社と社員の関係が情報通信端末で結ばれた1対1のデジタルなものに変わっていくから。
デジタル組織になると、
一番クローズアップされるのが、「262の法則」の中での中間体、つまり組織全体の6割を占めている“普通の社員”たちの処遇です。
なぜなら、
なんとなく「ふつう」と思われていた社員たちの実力が、デジタル化された組織のもとでは容易に測定できるようになってしまうから。
⑷ 5割の社員が淘汰される時代が来る?
これまでのアナログ組織の中では見えてこなかった中間体の社員たちの能力が露わになることで、以下のように冷酷に選別されることになるだろう。
Ⓐ生き残ることができる社員
Ⓑただ会社に寄生しているだけで、実はさほど能力もない社員
つまり、
「262の法則」は「230の法則」になるということ。
6割の普通の社員の中で、
生き残るのは半分、すなわち“3割部分”だけ。
この3割を徹底的に鍛え上げて、底上げする。
そして残りの3割は、もともとしかたなく養っていた2割のダメ社員もろとも退場させられるのが、これからの会社組織なのです。
ダメ社員をはじめ、淘汰される社員たちがちんたら行っていた仕事のすべては、ITやAIに代替されます。
成果主義、実力主義が否応なく到来します!