(H47) リーマンショック時に中高年人材の雇用に受け皿になった中小企業の多くは甚大な経営ダメージを受けている-2 (2020.6.30) by 前川孝雄 より抜粋加筆しました。
⑷ 中高年人材の雇用に受け皿になってきた中小企業の多くはコロナ禍によって、甚大な経営ダメージを受けている
2008年のリーマンショック時には、1万人採用を打ち出したMKタクシーや、正社員500人採用を打ち出した居酒屋モンテローザなど、サービス業が雇用の受け皿となったが、
コロナ禍ではそのサービス業の大半が壊滅的。
東京商工リサーチによると、
2020年の倒産は7年ぶりに1万件を超えます。
事業継続をあきらめる休廃業・解散は、
前年比15%増の5万件に至る可能性があります。
4月の休業者は、
過去最多の597万人に上り、人員に余剰感を感じている中小企業は多い。
経営者の頭の中は資金繰りと既存従業員の雇用をいかに守るかでいっぱい。
当然ながら、中高年人材を新たに採用する余力のある中小企業は限られています。
時代の変化に伴って、ルールが変わることは致し方ないこと。
昭和・平成のルールのままでは、企業が生き残っていけないことも事実。
であれば、
新しいルールの下でどう生き延びるかを考えるほうが生産的ではないか。
⑸ 「早期・希望退職」の対象で、ボリュームが多いのはバブル期に大量採用された50代前半層
こう考えたとき、
大企業の中高年サラリーマンの新しい選択肢として現実味を帯びてくるのが「50歳からの独立」。
そもそも日本に独立した自営業者やフリーランスはどのくらいいるのでしょうか?
2020年3月にリクルートワークス研究所が発行した「データで見る日本のフリーランス」によると、
フリーランスを以下の人と定義。
①雇用者のいない自営業主、もしくは内職
②実店舗をもたない
③農林漁業の従事者ではない
2018年調査では以下です。
約472万人(就業者の約7.2%)
「本業」をフリーランスとして働いている人は以下です。
約324万人(就業者全体の3~5%程度)
さらに興味深いのは、フリーランスで働く人たちの人物像。
平均年齢55.4歳で、男性が78.6%。
男性のうち50歳以降が54.8%と過半を占めます。
職種のトップ5は以下です。
1位:営業・販売職
2位:建築・土木・測量技術者
3位:生産工程・労務職
4位:その他専門的・技術的職業
5位:クリエイティブ職
平均年収は以下です。
営業・販売職:317万円
クリエイティブ職:380万円
ソフトウェア・ネット関連技術職:393万円
実態は、
スキル、技術、経験を蓄えた50代以降の男性です。
今年の中国の就職状況も非常に悪い。
❶6月の情報で、
今年の卒業生約800万人のうち、就職先が決まっていない人は約700万人。
❷先週の情報で、
外卖(ウーバーイーツのような出前アルバイト)をしている、今年7月に卒業した大学院生は7万人。