(H51) これからのキャリアのあり方は、会社に依存したキャリア意識は変えなくてはいけない-4 (2020.6.30) by 前川孝雄 より抜粋加筆しました。
⑻ 独立という選択肢には、独立するリスクを拭いきれない人は多いだろう
しかし、日本型雇用のルールが崩壊した今、
1社に依存してキャリアを考えることそのものが大きなリスクではないでしょうか。
株式投資で1社に全財産を投資することが危険なのと同じなら、分散投資をすればいい。
つまり、
独立して、まずは長年働いてきた会社と業務委託契約を結び、そこから少しずつ顧客を増やしていけばよい。
今でこそ就業者のうち、
9割が雇用者=サラリーマンですが、戦後の1950年代では4割強にすぎなかった。
過半の6割弱の人たちはみんな独立して、
自営業で家族力をあわせて働くことが一般的だったのです。
⑼ 独立=スタートアップ起業と考えるのは早計
そもそも革新的なビジネスモデルを掲げて起業し、
斬新な戦略を策定し、投融資を募って社員を高給で雇い、時代の波に乗って急成長し上場を目指すスタートアップ起業は、ハイリスクハイリターン。
堅実にキャリアを積み上げてきたミドルには、
ミドルならではのローリスクな独立スタイルがあります。
20年ほど前、
キャリア支援雑誌の編集長をしていた頃、竹中平蔵さんにインタビューをしたことがあります。
以下の印象的な発言をされました。
「よくアメリカ人以上に職を変わっていると紹介されるんですが、私はずっと同じ仕事をやっているんです。
ただその時々で給料をくれる主体が違うだけです」
まさに、これからのキャリアのあり方。
①会社に依存したキャリア意識は変えなくてはいけない
②不足するスキルも学び直さなくてはならない
③会社に守られた状態から飛び出し、自分で社会の荒波に立ち向かうには勇気や胆力も必要
しかし、自分の経験値を活かした働きがいある仕事を真っすぐに追求しつつ、対価をもらう相手(企業や個人)を変え増やしていく独立は、
経験を積んできた大企業サラリーマンにとっての有望な選択肢ではないでしょうか。
成果主義になっていく流れの中で、
結果を出せる能力がある人だけを企業は社員として、雇いたい方向へ行くのでは。
成長する可能性がまだあると考えられる40歳までは、
社員として雇いたい。
しかし、もはや結果を出せない41歳以上の人は、
企業にとって不要な人材になる人が出てくる可能性が濃厚。
そうなると、人生設計を考え直すべき。
つまり、以下が必要です。
❶40歳まで、独立するための力を身につける期間
❷41歳から、独立し会社に左右されない働き方をする
最近、家電量販店大手のノジマは、
全社員を対象に80歳まで働ける制度を導入しました。
現在の年金支給開始年齢は70歳。
我々がもらう頃には、開始年齢は80歳以上の年齢になるのは確実。
生涯現役のつもりで、
今後の人生設計をし直した方が良さそうです。