(H21) ウェビナー「中国発 ビジネス開発の最前線-デジタル領域の戦略と実行-」 (2020.7.14) by 鳥巣知得 より抜粋加筆しました。
⑴ ウェビナーのアジェンダ
①中国デジタル領域の競争環境と現状
②デジタル領域のテクノロジーの規制緩和
③デジタルビジネス開発の戦略論・実践論
④企業の投資・資金戦略
⑤人材採用・組織作り
⑥日系企業にとってのチャンスとリスク
⑵ 顧客のデジタル化が競争を加速させる
顧客/消費者
【比較検討をする】
⇔ プラットフォーマー(PFer)
【影響力が拡大している】
⇔ メーカー(ブランド)
【スペック競争】【価格競争】
⑶ 強大化するPFerにいかに対抗するか?
中国化粧品ブランド「完美日記」の戦略は以下。
①新規顧客獲得は、天猫で行なう
②既存顧客には、WeChatに誘引し、リピートは自社Shopにて購入してもらう
⑷ サービス化によって、競合優位を作る
①NIO蔚来:EV(電気自動車)
今までは、スペックと価格で勝負をしていた
⇒アフターサービスへのアクセス権(Nio Community)へ
②平安好医生:
今までは、保険料と補償額で勝負をしていた
⇒オンラインへのヘルスケアサービスへ
⑸ 日系企業(外資)の事業機会
中国ITは以下の分野で新しい潮流が生まれています。
①メディア:
今までは、Webサイト+検索
⇒ソーシャルメディア
⇒日系企業には、外資規制をほぼ気にすることなく、コンテンツ/広告展開が可能へ
②アプリ:
今までは、iOS/Android OS
⇒ミニプログラム(小程序)が可能になる
⇒日系企業でもアプリ展開が可能へ
(ネイティブアプリは規制が多い)
③EC:
今までは、天猫/京東
⇒
Ⓐ有料コンテンツ(デジタルコンテンツも売れる)
⇒出版規制に抵触することなく、コンテンツ販売が可能へ
ⒷWeChat Shop(天猫/京東に加えた選択肢になる)
⇒直販ショップが可能へ
⑹ ミニプログラムの特徴
①ダウンロード、インストールが不要
・リアル店舗と相性抜群
・利用開始までのハードルが低い
②ネイティブアプリ並みの自由度
・好きな機能やデザイン作れる
・利用者データも取得、保有ができる
③日系企業でも圧倒的に取り組みやすい
・多くの領域で許可証/経営性ICPが不要
⑺ 競争戦略として、デジタル事業に取り組む
①デジタル化が進む中国顧客と、価格以外の価値でつながる
②それにより、競合との価格/スペック競争、PFerへの過度な依存から脱却する
③国内技術の成熟により、日系企業でも取り組める余地が広がっている
生活や技術が激変する中国、変化の激しさこそが、
新規参入者への機会となり、日系企業であっても勝ち筋が出てきます。
日系企業は、外人だからこそ、
❶先端領域にいどみ、競争優位を作ることができます。
❷新たなニーズや技術を先じて活用し、先を取ることが大事です。