(H71) 中国人はなぜ転職を繰り返すのか? 背景に日系企業へのガッカリ感-1 by ジンダオ より抜粋加筆しました。
⑴ 日本人には分からない転職を繰り返す中国人の心理とは
中国でビジネスをしていると日本人から以下をよく耳にします。
「中国人スタッフが定着しない」
なぜ定着しないのか。
裏を返せばなぜ転職を繰り返すのか? ということ。
実際の中国人に聞いた転職理由は以下です。
①給与
②日系企業への失望
⑵ よく耳にする「給与の問題」
営業職の場合、以下の話を聞きます。
新卒のため、安価に採用。
翌年の契約更新を迎えたが思ったほど基本給がアップしなかった。
自分の日本語能力などを他社と比較すると、
他社が魅力的、という判断基準で転職を行う場合もあります。
企業も限られた予算内で、
賃金の計画を行っているのは十分承知します。
しかし、基本給のアップ額が他のスタッフと横並びであったりすると、彼らも同級生のネットワーク、同じ業種情報の給与と比較して検討を行います。
転職する事になった、と挨拶に来た営業職で新卒2年目のスタッフは、以下に教えてくれました。
「現行会社のアップ後の給与と他社に転職後の給与を比べて、他社の方の給与が断然高く、今後の事を考えても転職が有利と思ったから」
基本給は500元アップ、転職したら3,000元アップ。
アップ額の差6年分。
「来年は希望に沿うようにするから」なんて説得はしない方が無難です。
中国人は以下を分かっています。
「日本人駐在員は数年で帰国する」
無責任な言葉は信頼を無くし、
その言葉が中国人同僚に広がる可能性が高いです。
⑶ 欧米系企業でガッツリがんばる。日系から欧米系へ転職する中国人
中国人を見ていると会社を辞めた後、以下の場合があります。
①再度日系企業に転職する
②欧米系企業に転職する
③自分で起業する
欧米系転職の場合、
英語が話せても日本語が話せないという場合が多いです。
上司にあたる日本人との交流ができない。
しかし、対応先の中国人には絶大な信頼がある。
「交流が少ない=人事評価に与える影響」は、
非常に大きく、彼らも自分が評価対象では不利だと年数を増すことに分かり始めます。
そして、ある一定の期間を過ぎたあたりで転職。
欧米系はノルマが厳しいという点は解っているものの、能力が高く少しでも自分に自信がある中国人は、
欧米系企業へチャレンジし、結果を出している方が多いようです。
中国では、
新卒者が4月に一斉入社というような制度がありません。
とにかく、1社目はどこでも良いから入社する。
入社後半年から1年くらいをかけて、自分の希望に合う2社目の会社に転職します。
ここが初めての就職と言っても良いかもしれません。
そこで経験を積んで、ステップアップを目指します。
しかし、多くの日系企業は、年齢給制度のため、
頑張っても頑張らなくても昇給金額があまり変わらない。
だから、ガッカリしていく。