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人生100年時代を迎えているという本です。結構前に流行って、読まずにいましたので、最近読んでみました。

衛生環境、食糧、技術の進歩などで平均寿命は延びています。私が子供の頃の祖父母と今の両親を比べると、明らかに今の両親の方が元気です。30代40代の人を見ても、私が10代から20歳前後の頃までと比べると、明らかに若々しいです。

このように寿命が延びると同時に人々は若々しくなっています。一方で年金は平均寿命が短い時代に作られた制度のため、受給開始年齢を遅らせたり受給金額を減らしたりしなければ維持できません。

よって寿命が長くなるとともに、どうやって生きていくかも重要になります。それについて解説しているのがLIFE SHIFTという本です。

3ステージの人生の時代は終わろうとしている

工業化の時代に3ステージの人生が出現した

産業革命以降、人類は工業化によって効率を追求してきました。生産効率を上げることで物の大量生産を可能にしたのは言わずもがなですが、働き方の効率化も同時に目指しました。それが全労働者が同じ時間に働き、全労働者を一律に扱う(ルールに従ってもらう)という今では一般的な働き方です。

そして工業化は終身雇用ももたらしました(終身雇用が日本の発明などという説がありますが、違います。工業化によって出現した制度です)。

学校を出たら、学校で学んだ知識をベースに一生一つの会社で働き、定年が来たら引退して年金生活を送るというスタイルが一般的になりました。教育、仕事、引退の3つのステージで人生が成り立ちました。

3ステージでは通用しない時代になった

しかし時代は変わってきています。定年後の再雇用や年金の受給開始年齢の引き上げが起きています。終身雇用は崩壊し、リストラや倒産は身近になりました。産業の変化も大きいです。

もはや古き良き時代の生き方が苦しくなってきています。学び直しやキャリアチェンジも検討する余地があると思います。

しかし企業は相変わらずキャリアに穴がなくて、かつ長時間働いてくれる人を求めています。労働者もいい大学を出ていい会社に入って安泰な生活を送るという考えの人が多いです。リーマンショックやコロナ禍でこのような安定志向は増えるばかりです。

自ら変わる必要があると私は考えています。

無形資産を意識する

今までは有形資産すなわちお金や家などが重視されてきました。しかしこれからは知識やスキル、家族、友人関係などの無形資産が重要になります。無形資産が充実している人の方が人生の満足度が高いらしいです。

本書の言葉でいう変身すなわちキャリアチェンジには無形資産の充実が必要です。自分を見つめ直したり、新たな知識を得たり、人脈を活用したりなどのことを行う必要が出てきます。

マルチステージの時代に必要なこと

時代はマルチステージになる

学び直しや自分自身を見つめ直す期間がこれからの時代には必要になってきます。すると教育、仕事、引退の3つのステージでは足りなくなり、マルチステージとなります。

学校教育を受けた後に、旅、仕事、独立、家庭に専念、学び直しなどを組み合わせて最後に引退です。その引退すらも70歳なのか80歳なのかと自分で選ぶ必要があるでしょう。

マルチステージの時代の生き方

マルチステージの時代には、有形資産を充実させる時期と無形資産を充実させる時期が交互にあってもいいそうです。

本書によると、ハードワークなら沢山稼げて有形資産が充実しますが、プライベートの時間が取れないため無形資産がおろそかになると書かれています。

本書では逆にプライベートの時間を確保できる仕事は給与水準が高くないため、無形資産を築きやすい代わりに有形資産を築きにくいとも書かれています。

私も残業しない生活をしていますが、残業が少なくて好き勝手にやらせてくれる会社は規模が小さいため、給与水準が低いです。でももっと上げたかったら、大きな会社で、仕事上の制約も大きくて残業も多い状態で働くしかないのでしょう。

自分自身に当てはめて考えてみた

本を読んで学んだら、自分自身はどうなのかも考えてみましょう。そうすれば血肉になるでしょう。

私は最近キャリアに行き詰まりを感じていて、キャリアチェンジを考えています。

私の場合は落ちこぼれて就職浪人していたため、他に選択肢がなくて今の仕事を選びました。

IT業界なわけですが、モノづくりは料理にせよ工作にせよ好きなのですが、技術に今一関心が持てないのです。勉強も年2~3冊ほど専門書を読むくらいです。

技術を使った事例は大好きなのですが、コードを書いて技術を試してみるなどの手を動かす系はたまにやると楽しいくらいで、進んでやりたいというほどではありません。だから開発力は平々凡々です。

でも向いている要素もあって続けてきました。お客さんの課題を解決してありがとうと言われることとか、課題を解決するために色々考えるのが楽しいこと、マネジメントなどです。

だから向いていなくて関心を持てないことは、向いていて関心を持てる人に譲るのもありかなと思っています。自分が関心を持ててなおかつやりがいを持てることに専念しようと考えています。

つまりは受注して他人の代わりに開発する側から、自分で企画する側に移ろうと考えています。受注側と発注側は多くの仕事において大きな違いがあります。大きなキャリアチェンジになるかなと考えています。

それには事前準備としての勉強も必要ですし、キャリアや人生の生き方についての勉強もしています。それでLIFE SHIFTを読んでみる気になったのです。

終わりに

やるなら今だと思います。時代は変わってきていますが、人間は簡単には変われません。そもそも人間は変化が嫌いな生き物です。だからこそ行動するだけで差別化できます。

学んだり人間関係を充実させたりすることで何か見えてくるでしょう。コロナ禍で友人・知人に会えない生活になってしまいましたが、人間関係は積極的に充実させていきたいと思います。そして臆せずキャリアチェンジに挑もうと思います。

LIFE SHIFTは3ステージの人生のような今までの王道を歩んでいる人は痛い内容かもしれません。いい大学を出ていい会社に入れば一生安泰ではないです。

また新卒で就職せずに色々な仕事を転々として人生経験を積むのもありと書かれています。これは世間では遊び人とか働く意欲のない人、一生非正規雇用にされてしまう人のことです。しかしこういうのもありな時代が来る、企業や政府の意識が時代に追いつくのに時間がかかるとも指摘しています。

これからの時代の新しい生き方に悩んでいる方は参考にしてみてはいかがでしょうか?特に王道(いわゆるいい大学を出ていい会社に入る)が歩めなかった人ほど読んでほしいと思います。現在の王道でなくても色々な選択肢がありますから。

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