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エッセイ540.やってよかった(2)ローリングストック

今この時に退陣なんだ、とやっぱり言われてしまった岸田首相。
でもまあ、急に出てこなくなるわけでもなく、首相が空席で国政が進むわけはないので、南海トラフ地震が万一起きても、対処してくれるのでしょう。

その政府が「7日間注意して」と言っていたのは、

「7日間経てば心配がなくなるのではなく、
人間の『気をつけよう』という集中力が続くのが7日間ぐらいなので
一応言ってみた」

ということだそうです。
そうなんだ・・・。

さて、何かあって私が考えなければいけないのは、夫と私、近くのボロアパートに住む次女、水が出ると危ない下町に住む姉、この4人です。
この4人で自宅避難生活を送るとするとと考えてみると、
水とトイレットペーパー他の装備はいいとして、食べ物です。
真面目に考えてみました。

昔のように、缶に氷砂糖と乾パンが入っているのを用意して、消費期限が過ぎる頃に開けて食べながら、改めて防災について思いを馳せる、ということは最近では特に推奨されていることではないそうです。

普段食べるものを多めに用意し、古いものから食べて行っては新しいものを足す

というローリングストックの考えがよいとあちこちで聞きます。

我が家では、中型冷蔵庫ぐらいの大きさの、独立した冷凍庫があります。
これはコロナの時代が始まった時、あまりスーパーに行かなくても良いよう、
また、外に全く出られなくなった時に冷凍した食品でなんとかなるよう、
思い切って導入しました。

2軒前の住まい、社宅の台所では冷蔵庫と並べて置くことができましたが、
その後の借家と今の家ではスペースがなく、リビングの一角にこの大きめの冷凍庫がデンと置いてあります。
自分はもう慣れてしまったのでなんとも思いませんが、
家に来た人は驚くかもしれません。

この冷凍庫が、2年ちょっと前から夫婦二人暮らしになってみたら、
いつもスカスカで、なんだかもったいない感じになっていました。

この段はアイスノンが2つ、この段は製菓材料と冷凍果物、この段はパンとご飯(夫婦は炭水化物をほぼ食べないので、たまに来る次女用、でも全然減らない)
・・という感じでしたが、冷凍庫本人的にはもっともっと冷凍したいと願っているのでは。
僕こんなに大きいのにこれだけ? と思っているかもしれません。

冷凍庫の気持ちも考え、中がスカスカでも電気代は同じであることも考え、
なんとなく気になっていたところへ、今回の地震の件でローリングストックの必要性を急に感じたので、思い切って重い腰を上げてみました。

「冷蔵庫は6割ぐらいの詰め込み率で、冷気がよく回らないと良くない」
とはよく聞きますが、冷凍庫の方は逆に、ぎっしり詰めた方が良いそうです。
で、最近、ローリングストックのことをよく考えていたので、いろいろな記事を見つけることができましたが、中の一つに、

「すでに調理した食べ物を冷凍庫にぎっしり詰めておく。
電気が止まっても、冷凍庫の中のものは徐々に溶けていく。
その間、それを保冷剤として冷蔵庫的に使えるし、
食べる分だけ外に出しておくと、
加熱調理ができなくても数時間後にはとりあえず食べられる。

というのがあり、ではこれを、キャンディ包み方式でやればいいではないかと思いつきました。

キャンディ包みは、
老親や一人暮らしを始めた子供に食品を送るにはどうしたらいいか
という発想からできた新しい考えです。
相手の冷凍庫に冷食を詰め込んであげても、解凍して盛り合わせて・・ができない人もいます。
そこで、調理済み食品を送り、即冷凍庫に入れてもらい、
レンチンの一回で食べてもらえるようにします。
(薄く四角く包み、フライパンでじっくり温める方法もあります)
ワックスペーパーに全てを包むのでお皿も汚れません。
私がこれを親の寝たきり・コロナ時代に知っていたら、クール宅急便でいろいろ送ったのにと思いました。
一人で二人の親を介護していた姉の、少しは助けになったかなと思うのです。
遅いけど。


新聞の記事で読んでから、なんとなくこのキャンディ包みを細々とやっていましたが、冷凍に適さない野菜などをちゃんと知りたかったので、本も買いました。


上田淳子先生ありがとう!

読み物としてもとても面白いです。
次女が来る前に、冷凍庫をなるべく空けておくように言って、
(親バカなので)アパートの送迎をするのですが、
そのときに持って行ったり、持たせて帰らせたりはしてきました。
本を読んでいると、新聞記事に触発されたものの、テケトーにやってきたその間の間違いがいろいろわかって、買ってよかったと思いました。
生の食材を組み合わせて包むだけで、レンチンしたら即食べられるという方法も紹介されていたのでした。
そういうのは経験したことがないので、やってみたいです。
この本はかなりのお勧めです。


二日間かけて作っては冷蔵庫に入れて行ったのは、以下の通りです。

インスタントポットで作る塩麹甘味噌漬けの鶏胸肉の蒸したやつ
醤油麹と味醂漬けの鶏もも肉のヘルシオ焼き
椎茸の肉詰めの甘辛煮
茄子の挟み揚げ
煮込みハンバーグ

これが主なおかずです。


付け合わせの野菜は

パブリカのバター炒め
パプリカのゴマ油いため
ゆでアスパラガス
ゆでブロッコリー
かぼちゃのオーロラソースマッシュ
蒸し茄子
揚げ茄子

ご飯は
白飯
卵炒飯
ケチャップライス
ガリバタライス

それに大量のチャプチェ。

作るだけでもう、勘弁して〜・・・になりました。

3日目にこれを並べ、ワックスペーパーを出して、いろいろ組み合わせてみると、すごいワンパターンになるのに気づきました。
トンこまを使っていたら、もう少しバラエティがあったかもです。
あと、野菜がやっぱり手薄でした。

ともあれ、包んではメモを挟み、を繰り返して、できたのがたったの20パック。
しかも1日3回、似たようなものを食べたら飽きることにも気がつきました。
そして、4人が1日に3回食べたとして、2日で無くなる。

やってみないと気が付かなかったことがいろいろありました。

次に気力が出てきたら、こんなふうにやろうと思います。

おかずと主食は別にする。
主食の種類を増やす。ご飯だけでなく、パンとパスタ。

野菜についての反省。
・ブロッコリー・カリフラワー・にんじんなどは、冷食が売られているし、ファミレスでついてくる付け合わせも明らかに冷凍物で全然おいしくないけど、「あり」として食べているので、これは良いと思った。
ポテトの揚げたのも良いかもしれない。
要するに市販冷食で売られている冷凍野菜は、
非常食の付け合わせとしてならば受け入れ範囲内。
・マッシュしてしまうとなんとかなる。
かぼちゃ・じゃがいも・さつまいもはいけるかもしれない。
・パプリカは皮が口に残り、殊に水っぽい食感になるので冷凍に向かない。
ピーマン・パプリカ・ズッキーニは、くたっとしても良いとされているラタトゥイユやカレー、シチューなどにするといいかもしれないと思った。

意外なところに伏兵もいました。
昨日、「地面師たち」の最終話を見終わった深夜、小腹が空いて、
「チャプチェ・肉団子・パプリカ」
の包みをレンチンして食べてしまいました。

健康の大敵、夜食を大量に作ってしまったことに気がつき、
こちらへの対応は「自分の意志力」しかないため、慌てています。


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