小プリニウスに自分をなぞらえて、ダメージを受けた話
先日、「世界地図は変わってゆく」という記事をアップした。
自分ではけっこう面白く書けたつもりだったが、他の記事に比べて閲覧数が少なかった。このことを妻に愚痴ったところ、「面白かったよ」と言ってもらえたのだが、このやり取りについ「小プリニウスだな」と苦笑が漏れた。
ここでnoteのお題「#とは」に参加できるように解説すると、小プリニウスは帝政ローマ初期の人物。名高い博物学者である大プリニウスの甥で養子。友人の歴史家タキトゥスに、ヴェスヴィオ火山の噴火で亡くなった伯父の死の様子を書き送ったことで歴史に名を遺した。
本が実家にあって確認できないので記憶だよりになるが、塩野七生「ローマ人の物語」では、小プリニウスは戯曲も書いていたがその評価は妻に褒めてもらえる程度だったとのこと。
塩野七生らしい辛辣な書き方だが、自分の文章を小プリニウスになぞらえたのは、自虐のつもりではあった。ところが自分の中の旺盛すぎる批判精神が囁いた。
「知の巨人2人のおかげとは言え、小プリニウスはちゃんと文章で歴史に名を遺したんだよ。それとローマの貴族の中でも有数の資産家だったから、生活の心配などしたことなかったはずだよ」と。
こうして自分の中から沸き起こってきた言葉に追撃されて勝手にダメージを負った。そんな日曜日。
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