人物 ルガルザゲシ

 ルガルザゲシはシュメールの都市国家ウンマの王である。
 世界最古の文明とされるシュメールでは、多数の都市国家が並び立ち、それぞれに繁栄していた。都市国家同士の戦いは絶えなかったが、相手の都市を完全に併合したり破壊したりすることはなかった。おそらくそこまでするには、国力が足りなかったのだろう。
 その状況が1000年は続いた後、都市国家ウンマの王ルガルザゲシは宿敵だったラガシュの王を破りラガシュを略奪した。
 その後はシュメールの諸都市を征服し、メソポタミア初の領域国家を打ち立てた。ところがその覇業は長く続かず、アッカド人のサルゴン1世の帝国に飲み込まれることになった。

 世界史の教科書ではルガルザゲシについて触れられることはない。メソポタミア初の領域国家を築いたのは、サルゴンであるかのように書かれている。シュメールは都市国家、アッカドは領域国家と単純化したいのか。単に重要ではないと考えられているのか。

 ルガルザゲシ4000年以上後の日本の教科書を気にする訳でもないだろうが、なんとなく不憫な気がするので、ここで紹介しておこう。

 (この文章は他ブログに書いた記事の転載です)

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