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えばとん情報2024.12.12-13「この勝負、グディソン・パーク何個分?」
みんなは宝くじを買ったことがあるだろうか?
年末にさしかかったこともあり、先日贔屓のラジオでは宝くじの話題がピックアップされていた。
私は今年で34歳になったが、これまで年末ジャンボ宝くじを購入したことがない。唯一、前回のひとりごとで引用した「ワンピース」のスクラッチを一度だけ購入した経験がある程度だ。
エバトンといえばStakeがユニフォームのメインスポンサーとなってしばらく経つが、私自身はギャンブルとは無縁の生活を送っている。
毎日耳にするラジオのナビゲーターは、宝くじの当選確率について取り上げた。
年末ジャンボ宝くじの1等当せん確率
年末ジャンボ宝くじの1等当せん確率は2,000万分の1です。年末ジャンボ宝くじは、01組~200組までの200組・2,000万枚を1ユニットとし、1ユニット当たりの1等当せん本数を1本としています。なお、2023年の年末ジャンボ宝くじの1等賞金は7億円でした。
2000万分の1…
これをグディソン・パークの収容人数(39,414)で例えると、実に満席のスタジアム約507個分に相当する。507個のスタンドに敷き詰められた観客から1人だけが当選できるというわけだ。
買わなければ当たらない、はもちろんそうなのだが途方もない数字である。
そう、買っても損しかない商品なのだ。だが、儲けにならないと分かっていても、人々は宝くじの売店へと並ぶ。年末の運試しに…、ちょっとした1年のご褒美に…、年の瀬の恒例行事として、あるいは何気なく購入する"お楽しみ"である。売り場に並ぶ長蛇の列は日本の年末の風物詩でもある。そして、2024年を表す漢字一文字は「金」らしい。
誰もが一度は考えたことがあるだろう、もし当選したら、そのお金をどのように使うだろうか。
私は、まず家のローンを返済して…車も買い替えたいし…イギリス旅行を計画するかな、でも妻はリゾート地が良いと言って嫌がりそう。あとはアウトドアアイテムを買い揃えて家族でキャンプを始めるのもありだな〜、などと儚い妄想を描いたところで我に帰った。
一等賞金、7億円を現在のポンド(£)で換算すると約367万ポンドとなるが、日頃このような金額に慣れているフットボールファンからすると改めて市場の大きさと、当選金額がちっぽけに感じ、お金の果てしなさを漠然と感じることになる。クラブが買収されるにあたって、モシリが費やした壮大な資金や、スタジアムの費用、または2億ポンドという777からの融資など額面上の数字、文字の羅列に慣れてしまっているが、とてつもない規模のやりとりが交わされていることが分かるだろう。
宝くじを買うくらいなら、パチンコや競馬をやったほうがいい、そんな話も聞いたことはあるが、私は当然ながらエバトンに置き換える。
フットボールクラブを手に入れようとするフリードキンのギャンブルが成功する確率は、果たしてグディソン・パーク何個分なのだろうか?
◇
ようやくスタートラインに立てそうだ。
BREAKING: The Friedkin group have secured approval from the Premier League to become the new owners of Everton, Sky Sports News understands 🚨 pic.twitter.com/h3vTM6uqpx
— Sky Sports News (@SkySportsNews) December 13, 2024
SkySportsより速報。
TFGが新オーナーとしてPLの承認を受けたとの報道。ひとまず、ね。
さて、残すは公式発表となる。
ざっくりと想像すると宝くじに比べればどうやら儲けるチャンスに見えてくるエバトンの買収事情。
上記は同じくSky Sports、先日アラン・マイヤーズ氏から公開されたTFG就任後の考察記事。監督をすぐに交代させることはないだろう、という見解とモシリへの評価などが綴られている。内容としてはちょっと楽観的で都合良くも聞こえるけど。来週への期待感が窺える。
I know we’ve said it many times, especially in the last few years but next week is without doubt a significant, even historical, moment for Everton Football Club. I have not been as excited as this for a long time as a supporter. A new, bright beginning is around the corner💙
— Alan Myers (@ALANMYERSMEDIA) December 12, 2024
ショーン・ダイチはフリードキン・グループによる監督解任のプレッシャーにすぐにはさらされないだろう。
ここ数日で一気に公式発表への期待感とか、クラブからのステートメントが迫ってきたんだな、という空気感が広がっている。モシリがやってきた頃は情報収集や記事を読むことなんてしていないに等しかったのでマスコミや現地ファンの意見を覗くのは新鮮な気持ちである。クラブの歴史が動くのだから面白い。
軒並み多くの記事で書かれている通り、現時点で焦点となっているのは
今週末〜週明けに正式発表(クリスマス前)
と同時に新体制発表か?
監督、ダイレクターはどうなるのか?
ダイチ、セルウェルの即時解任はないだろう
冬の移籍市場はどう動くのか?
クラブは冬の補強に向けて準備中…
と、憶測の域を出ないというのが率直な感想。
年末にTFG特集をメインにスペース企画を実施する予定だが、ASローマでの事例も振り返りエバトンでどのような動きになっていくのか、比較・考察していきたいと考えている。
そして、talkSPORTからはこんなゴシップも出てきた。
元ブライトン、ニューカッスルの司令官は、エバトンの次期オーナーであるダン・フリードキンに高く評価されているようだ。
元ブライトンやニューカッスルでダイレクター業を務め、先日マン・ユナイテッドから退いたダン・アシュワース。夏からINEOS/ラドクリフ卿らと手を組んでいくと思われた中、ガーデンリーブ期間と大して変わらない任期での退任となった。WBA時代の同僚である現アーセナルのマネージング・ダイレクター(リチャード・ガーリック)がエドゥの公認候補にアシュワースを検討しているとの報道が出たが、同時にアルテタが選手時代、レアル・ソシエダと契約した当事者である同クラブのダイレクター、ロベルト・オラべの線が有力との見方もある。
そんな中でエバトンにも出てきたアシュワースへの可能性。今回はフリードキン側がアシュワースを評価しているとの噂だが、エバトンとして関心があることは過去ブライトン在籍時にもゴシップが取り沙汰された。根も葉もない話だったが…。
こうした噂に対し既にSNSでは、
「フリードキンがアシュワースを検討するのか、とても楽しみだ」「ポッターとアシュワースを同時に連れてくるんじゃないか?」とかお気楽なコメントが漂っている。こうした数多あるコメントを見ていると、現場で3年近く奮闘してきたセルウェル陣営が気の毒でしかないのだ。こういったことを簡単に言える人たちは、実際にダイレクターや側近で要職に携わるスタッフたちがどのような努力を重ねてきたか学ぼうとしないし、知ろうともしない。それが故の期待である。それ自体が悪いことだとは思わないが、その無鉄砲さが招いた現在地を忘れてはいけない。
このクラブの頭脳を維持するのか、どのタイミングで、誰と交代させるかは慎重に、熟考を重ねた上で判断してほしいと願っている。
TFGの到着がゴールではない。スタジアムの完成がゴールでもない。取っ替え引っ替え、派手な刷新が繰り返されるのはもう御免だ。
◇
予告
下記は、今日Opta Analystから届いていた記事。
明日、できれば試合前にご紹介したいと思う。
◇
きっと、今日のこのnoteを読んでくれた人の中には年末に宝くじを購入するのを楽しみにしている人がいるかもしれない。
ラジオを聴きながら、私もたまには買ってみて、家族と一緒に当選した時の妄想をしてみるのも楽しいかもしれないな、と感じた。でも、宝くじを買わなくても、そんな話はいつだってできるな、とも思った。
一方で、文句を言い続けた長きモシリ時代の本当の終わりが目前となり、妄想していた新時代が現実として訪れることを察知する。
家族とのささやかな、夢のような他愛もない会話の時間をつくるのと同じように、高揚も落胆も音を立てて崩れていく崩壊も味わったモシリ時代を思い返す時間を作りたいと思う。
一発逆転、一攫千金、そんな夢のような話は転がっていない。
宝くじで莫大なお金を手にした時、不幸の一途を辿る人が多いらしい。莫大な金は人を変えるのだ。そして、あらゆる人から持て囃され、散々と蝕まれた後に、人々は自分から去っていく。
私はエバトンにそれを望まない。
少しの期待と、少しずつ進歩する夢の話に花を咲かせ、一歩ずつ勝利を掴むために歩んでいくクラブが見たいのだ。上位のアルテタがセットプレーに注力するように、下位のダイチが勝利へ導くためセットピースを重視しているように、勝負の世界では少しでも勝つために、その確率を上げるために努力と戦略を築いていく。アーセナル戦の決着がどのように導かれるのか非常に楽しみだ。
攻略法も対策もない運任せの宝くじより、己の野心で打開していくフットボールに賭けてみたい。
新オーナーにはその素質があるか、これからじっくりと拝見させていただこう。
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