外に出るのが面倒すぎてさらに面倒なことをしてみた
クリスマス前に買いだめて置いた冷凍納豆が最後の1個になってしまいました。一番近くの日本食材店まで自転車で15分。そして住まいは丘の上なので、どこへ行くにも帰り道は上り坂。
住んでいるところは、徒歩2分圏内にスーパーもオーガニックショップも本格ピザ屋も中華のテイクアウェイも素敵パン屋もケーキ屋も、なんなら映画館も自転車やも楽器屋も本屋もあって、さらに数分足を伸ばせばそのセレクションはもっと増えるという、なんとも便利な場所にあるのですが、それでも外に出るのは億劫になってしまった、ロックダウン3回目。あんなに毎日毎日、1日になんども出たり入ったりをしていた生活が嘘のよう。
ということで、ここのところずっと、そろそろ日本食材店か韓国食材店に行かないと、と思つつ面倒くささに負け続けていた毎日。そして食材棚を開けるたびに目に入る、夏頃に買って放置している有機乾燥大豆。そして、冷蔵庫で解凍された最後の1個の冷凍納豆。
この最後のを食べてしまったら、絶対に買いに行かなきゃ行けない、でもめんどくさい。そうだ、この残り最後の納豆を増やせばよくない?ということで、初めての納豆作りやってみました。
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1日目:
おもむろに大豆の袋を取り出し、計量。スロークッカーが1.5リットルという小ささなので、大豆がどんだけ膨らむかもわからなかったし、寝ている間に吹きこぼれるのもいやだし、そもそも失敗するかもしれないので、150gだけ洗ってスロークッカーの内鍋に入れて、たっぷりの水も入れて12時間くらい浸水。寝る前に浸水用の水を捨て、浸水した大豆をスロークッカーの内鍋に戻し、たっぷりの水を入れて、Lowで9時間くらいを目指してスイッチ・オン。
2日目:
朝、豆の様子を見てみたら、まだ7分くらいの煮え具合。おかゆのときは朝見るとふつふつしてるのに、鍋の中の大豆は、なんだか煮ているというよりひたすらお湯に浸かってたみたいな様子だったので、なんとなく温度設定をHighにして見ました。LowとHighの違いは沸騰直前の温度になるまでの時間と聞いたので、これに意味があるのかは微妙なのですが。そして、あと2時間くらいでいいかなと思っていたのに、タイマーをかけることも、そもそも調理中の豆のこともすっかり忘れて、気づいた時には、トータルで14時間くらい煮てました。でもおかげで、柔らかすぎ?ってくらい柔らかく煮えましたよ。圧力鍋があったらあっという間なんだろうけど、ここまでですでに24時間以上かかっています。
次は、茹で水を捨てて、解凍してあった市販の納豆1パック全部を入れて混ぜます。実は、作り方はざっくりしたことしか頭に入れてなかったのと、一度作ったことのあるお味噌の作り方(茹でた豆は冷ます)が頭にあったのとで、この工程を素早く熱々のうちにやらなければいけないことを理解していなかったのです。ザルに空けて茹で水を捨てて、のんびりと、さて次は…?とググり直してそのことを知り、慌てる羽目に。まあ、ツメが甘いのはいつものこと。あとこの時点で本当は、消毒した容器を使うようで、それは雑菌が入ると発酵しないという理由らしいのですが、昔の人がそこまでしてるとは思えないと、普通に洗って綺麗ならいいだろうということで。だって、アルコール消毒とか煮沸消毒とか、めんどくさい。
そして暖かくして24時間発酵、というステージ。これもどう温度調整するかをしっかり決めてなくて、とはいえヨーグルトメーカーもないし、炊飯器もないし、ホームベーカリーもないし、発泡スチロールの箱もない。スロークッカーの保温モードは?と思ったものの、保温は70度くらいと知って却下。かといってここでやめるわけにもいかないので、いつも石鹸作りで保温用に使っているIKEAの保冷バッグに湯たんぽを入れることにしました。ガラスの蓋から水滴が中に落ちないように鍋と蓋の間にふきん(というかティータオル)を挟んで。蓋は密閉しないタイプなので、発酵に必要な空気は、まあ入るでしょう。
夕方には暖房のタイマーがオンになるので、気休めで保温バッグごとラジエーターの下へ。さて、寝てる間の保温はどうしよう。と思っていたら、2年くらい前に買った使い捨てカイロを発掘。鍋の底に貼り付けて、湯たんぽのお湯も新しくして、就寝。
3日目:
朝、もう一度湯たんぽのお湯を変えました。そして、保温を始めてから24時間がたったところで、内鍋ごと冷蔵庫で24時間寝かせて、出来上がったら小分けにして冷凍しようと思っていたのですが、問題発生。鍋の底に貼っていたカイロが剥がれません。しかも無理やり剥がそうとしたから、ちょっと破けそうでこのまま冷蔵庫には入れたくない感じです。仕方なく、この時点で小分けにして冷蔵庫へ入れることにしました。(次回カイロは、鍋でなくバッグの底に貼る!)
(剥がすのが大変だった使用済みカイロ。のちに鍋を洗うときに撮影。)
この時点ではあんまり糸を引いていないという情報があったのですが、私のお豆ちゃんたちはものすごいネバネバです。使った大豆の量も少なかったし、元種の納豆、1パックは入れすぎだったのかも。1/2、なんなら1/4でもよかったかなと思いました。
(24時間温めて発酵した後の生まれたて納豆)
4日目:
冷蔵庫で寝かせること24時間。自家製醤油麹を入れて試食です。最初の一口は、発酵に失敗して腐ってやしないかと恐る恐るでしたが、ちゃんとできてました。大豆がふっくら柔らかくて、いつも食べている冷凍納豆より美味しい。しかし、味だけでなく、匂いも粘りも冷凍納豆の倍はあるような。昔の藁に包まれて売っていた納豆みたいです。でも美味しい(2度目)。
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ということで、150gの乾燥大豆から、普通の納豆のパックの6個分くらい出来ました。4パック分は冷凍。手持ちのミニ・スロークッカーでもこの倍量くらいまでは一度に作れそうな感じです。保温に手がかかって面倒だったけど、それ以外は、ほぼひたすら放置なので、簡単といえば簡単だったかな。これも、例えば温水がタンク式の建物だったり、AGAクッカーみたいなのがあったり、発酵機能つきの調理器具があったりすれば、うんと楽なんだと思います。私は調理器具を増やしたくないので、また同じやり方をすると思うけど。パンを作るときも時間がかかっても室温か冷蔵庫発酵で一晩発酵させる派です。
毎回、発酵食品を作るたびに思うけど、植物を育ててるのと同じ感覚で、時間が経つごとに姿が変わっていくのを見るのがとっても楽しい。一工程ごとに1日がかりというのんびりしたペースも性に合っています。さて、次はお味噌の仕込み。ロックダウンで時間がたっぷりあるうちにやっておきたい。手作り味噌も市販のものより断然美味しいのですよ。