感覚統合と発達障害

2024年9月17日 15:00

こんにちは、べすとびじょん横田です。

今回の相談内容は、べすとびじょん式ビジョントレーニングに関するもので、特にお子様の成長過程における視覚や感覚統合の発展についての話でした。
私たちは、彼女が担当しているお子さんの行動に対してどう対応するか、そして保護者にどのように説明すれば良いのかを考えました。

周辺視野から注視への変化

Aさんは、特定の子供が活発に動き回ったり高い場所から飛び降りるような行動を頻繁に見せていることを例に挙げて話されました。
これは「周辺視野が進む中で、注視ができるようになるのか？」という問いかけでもありました。

私はこの点に関して、「注視するためには抑制力が必要だ」と説明しました。
集中力を養うことで可能になります。
例えば、ADHD傾向のある子どもが常に周囲視点に反応し続ける場合、その子どもが「目を止めて注視」するために、まず視覚的な抑制力をトレーニングする必要があります。

具体的には、眼球運動のトレーニングを行うことが有効です。
特に、「ゆっくり見る」
何かに集中して意識の散漫や多動を止める練習は、ビジョントレーニングの中でも重要です。

感覚統合と認知の発達

もう一つのテーマは、感覚統合と認知発達の関連性です。
Aさんは「子どもがなぜ突然落ち着いたのか？」という現象について保護者にどう説明すれば良いか悩んでいました。

原因として考えられるのは「衝動性が満たされた結果として、脳が発達し、行動に変化が現れる」というシンプルな考え方です。

人間の脳は、本来的な本能的に考えて行動しますが、成長と共に高次な認知が発達することで、本能的な行動は次第に減少していきます。

例えば、危険な状況を認識する能力（認知）が発達すると、高い場所から飛び降りるような行動が怖くなりやめてしまうのは、認知が育ち、危険を感じたようになってしまったからではないかと考えられます。

このように、感覚の統合体験が積み重なり、最終的には危険予測などができるようになることで、子どもの行動は落ち着ついてくる場合もあります。

危険な行動を急にしなくなったりするのは、私は「子どもが成長している証拠だ」と伝えることが最もわかりやすい表現ではないかと話しました。
保護者には「成長して、脳が発達してきた結果」とシンプルに伝えることで、彼らも納得しくれるのではないでしょうか。

新しい経験が成長を遂げる

べすとびじょんのビジョントレーニングでも重要視しているのは、「新しい体験」が子どもたちに与える影響です。

人間は不安定な状況に置かれることで成長します。
なので、あえてさまざまな不安定な状況をつくり、それを日常の中で体験することで、子どもたちにとっては、新しい体験として感覚で捉え、それを克服していく経験をすることで成長すると考えますので、そういった機会をあえて提供しています。
たとえば、丸太の上を乗り越え訓練するなど、子どもたちにとっては日常にない体験です。これにより、運動能力だけでなく、目を使いながら周囲をみわたし、体のバランスを取る体験をしながら感覚統合へとつながり、そういった体験を通して大きく成長発達していきます。

ビジョントレーニングの効果

ビジョントレーニングは眼球運動をおこなうことで子どもの脳に刺激を与え、集中力や認知力を高めます。
このトレーニングは子どもの学習や運動といった面で日常生活に大きな変化をもたらします。
じっくりと見る練習をすることで、しっかりと集中し、人の話を聞くことができるようになったりします。そして、これが学習能力の向上にもつながり、結果として勉強ができるようになるという好循環が生まれます。

家庭での解決と保護者へのアドバイス

Aさんがもう一つ悩んでいたのは、保護者が家庭でどう取り組むべきか、そしてどのようにアドバイスすれば良いかという点でした。

私たちがトレーニング中に提供する刺激は、子どもたちが新しい体験を積み重ねるためのものであり、それはトレーニングの場だからできることでも合ったりします。例えば、家庭で無理と同じことをさせようと子どもすると、保護者が無理にやらせようと、無理強いしたりすることで、かえってビジョントレーニングが嫌いになり、教室に来ても子どもたちは取り組んでくれなくなる場合があります。

それにより、子ども達のトレーニングを楽しみにするようになり、成長が促進されます。また、保護者が見守る役割も大切ですが、時には親がトレーニングに過剰に関わりすぎず、少し離れて見守ることも有効だと考えています。

今回の話を踏まえて、ビジョントレーニングや感覚統合のアプローチは、子どもたちの認知や行動に大きな影響を与えます。
体験や不安定な状況に対処する力を養うことが、子どもたちの成長に一番の刺激であり、その刺激からの行動の変化が、結果としてお子さんの「成長している」のだと保護者お伝えることが、いちばん良いのではないかとかと思います。

今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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