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凱旋門賞に備えて。〜浅田次郎「サイマー!」を読み直した。

もうすぐ第100回凱旋門賞。


日本時間で、発走は10月3日、日曜日の23時頃。日本でも生中継されます。

1999年・凱旋門賞ゴール前。

日本馬はこれまで惜しい2着(↑1999年のエルコンドルパサーなど)はあっても、まだ未勝利。

今年は二頭が遠征。今や日本最強馬と言って良いクロノジェネシスに、祖父ディープインパクト、父キズナについで三代での挑戦となるディープボンド

チャンスは大きいと思っています。(毎年同じことを言っている気も・・笑)。

まだ出走馬が確定しておらず、枠順も決まっていませんが、家にある凱旋門賞関連の本や昔の新聞などを漁り、応援気分を整え中。。


浅田次郎「サイマー!」を読み直した。


サイマー!
2005年発行(文庫版)


この「サイマー!」(サイマーは中国語の競馬を意味する塞馬sai maをカタカナにしたもの。)には、氏の凱旋門賞遠征のエッセイが何本か収録されてます。
時期としては、1997年〜1999年のあたり。97年はサクラローレルが出走を予定していたものの、前哨戦で故障してしまい回避。98年は日本馬の参戦なし。そして99年がエルコンドルパサーの惜しい二着。

現地での馬券購入にまつわるエピソードも面白いのですが、現地観戦の日本人のファッションが「世界一のレースへの表敬を欠いている!」とご立腹のあたり、若輩競馬ファンとしては「なるほど!」と勉強させていただきました。

2008年に現地観戦した時は、ちゃんとネクタイ・ジャケットで臨みました。

今年はこのコロナ禍で一般ファンが現地観戦というのは難しいですが、またいつか遠征したいと思っています。

また、このエッセイの浅田次郎さんのように、世界中の競馬場に行けたらどんなに楽しいかと夢想してしまいます。

エッセイを読むと、日本馬の遠征の歴史(最初の挑戦はスピードシンボリという馬で、1969年のこと)や、凱旋門賞が行われるロンシャン競馬場のロケーション(市街地から近い)、フランス人にとっての競馬とはどんなものか、など思いを馳せることができ、気分が高揚してきます。


香港から応援したオルフェーヴル(2012年)


2012凱旋門賞新聞

こちらは、私が香港に住んでいたときに、香港で買った馬券(オルフェーヴルの単勝300香港ドル)と、凱旋門賞特集の新聞。

日本からチャレンジした当時の最強馬・オルフェーヴルは最後の直線であっさり先頭に立つも、ラストで内にヨレてしまい、現地のソレミアという馬に差されて二着敗退。

あまり見た事のない差され方・負け方をするオルフェーヴル。

オルフェーヴルの池江調教師も、直線なかばまでは「こんなに簡単に勝っていいのだろうか。」と思ったとか。

しかし、現実は甘くなかった。。

・・とはいえ、このレース、仮にもう一度同じメンバーでやったら、絶対に負けないと思うんだけど・・とは勝負の世界で言ってはいけない「タラレバ」でしょうね。


日本馬を応援しつつ、馬券は・・・。


今年は日本の馬は強力と思いますが、現地で迎え撃つヨーロッパの馬はどうなのかと予習中。

別ブログとなりますが、有力馬考察の記事を書いてみました。

現地の有力馬の近走をチェックしたところ、相当手強い。。

しかし、相手に不足なし、の舞台で勝ってこそ勝利の重みもあるというもの。

がんばれ日本馬。心情的にはキズナの仔、ディープボンドを応援します。


ただ、馬券は別・・かも?


薄情なのかな、、しかし、浅田次郎さんもエッセイの中でこう言っていました。

 マークシートに千円という金額を記す時、その千円が外界ではどれほどの効力を持つものか、冷静に知っていなければならない。本が一冊買える。腹いっぱいの飯が食える。うまくすれば、一日を暮らせる金だ。そういう大金を、たまさか競馬場にきたからといって湯水のごとく使えるはずはない。
 そんなことで馬券など買えるわけはない、と多くの人は考えるだろう。しかしそれはちがう。馬券を買うときには、この貴重な金を決して失ってはならない、、、、、、、、、、、、、、、、、、という強い意志が必要なのだ。決して負けてはならない。勝てぬまでも、日々の労働でようやく得ることのできた尊い報酬を、たかが競馬ごときに奪われてはならない。

馬券は冷静に、強い意志をもって・・!

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