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「名馬堂々Ⅱ」(読書感想)

競馬は上半期が終わり、夏競馬です。

ビッグレースがしばらくないので、つい本物の競馬をサボり、読書に耽っています。

その中で、こちら「名馬堂々Ⅱ」は、Number誌の過去コンテンツからの選集で、読み応えあります。

2024年4月発売。
表紙はオルフェーヴル。


数ヶ月前に買ったものの、積読してしまっていました。

2021年に第1集「名馬堂々。」が出たときも記事を書いていました。


自分が読んで感銘を受けた記事をいくつかご紹介します。


『トウカイテイオー 誇り高き選択』(1993年10月初出、木村幸治)

トウカイテイオーの最後のレースとなった、「奇跡の復活」・「伝説の有馬記念」の数ヶ月前に書かれたノンフィクション。

テイオーを信じる人たち、そして人と人の信頼の絆があり、あの復活劇があったのかと思うと、有馬記念後の田原騎手の涙にも納得。
(あの涙は本物だったのか、演技だったのか、諸説あり。)

この記事を有馬記念の前に読んでいたら、きっとテイオーの単勝を買っていただろうな、と思います。

それほどまでに、関係者のテイオーへの信頼、自信が感じられました。


『スティルインラブ マイ・ハッピー・ライフ』(2003年10月初出、石田敏徳)

スティルインラブは2003年の牝馬三冠馬ですが、この記事は三冠目・秋華賞の直前に書かれています。

相棒であるみゆき騎手は今も現役で、私も好きなジョッキーの一人です。

2003年は真面目に(?)競馬をやっていなかったもので、秋華賞自体馬券は買っていないものの、この記事もやはり、もしレース前に読んでいたら、スティルインラブと幸騎手のコンビを応援したい、と思わされます。

2003年の牝馬三冠路線にはアドマイヤグルーヴという強力なライバルがいたにも関わらず、よくぞ三冠すべてを取れたもの。見事の一言。

そういえば、トウカイテイオーもスティルインラブも、同じ松元省一厩舎。

トウカイテイオーの最後の有馬記念に乗った田原騎手と、幸騎手は兄弟弟子の関係。

田原騎手は騎手時代の晩年、「これからは幸を乗せてやってください。」と松元調教師はじめ関係者に頭を下げていたそうで、そんな絆、縁があったことも、この記事で知りました。


「飛べよかし! ファインモーション」(2003年10月初出、江面弘也)

ファインモーションという天才肌の牝馬はもちろん知っていたものの、やはりこの頃、少し競馬から離れていたので、その才能についてそこまで詳しく知りませんでした。

しかし、この記事を読み、管理していた伊藤雄二調教師の惚れ込みようがここまでだったとは、と知りました。

同師が管理していた、1990年代後期の名牝、エアグルーヴよりもスケールは上と見込まれていたそう。

エアグルーヴと言えば、その競争成績だけでなく、今や多くの子孫たちの活躍により、日本競馬の血統図には欠かせない名繁殖牝馬でもあります。

この記事はファインモーションの現役中に書かれているので、その後の活躍へ思いを馳せる形で文章は締められているものの、結局その後はG1を勝てず、海外競馬へチャレンジ、という夢も実現しませんでした。

さらに残念なことは、これだけの馬なので繁殖牝馬としての期待も大きかったにも関わらず、繁殖能力がなく子孫は残せませんでした。

しかし、あのエアグルーヴよりスケールが上と見込まれていたファインモーション、もし子孫を残せていたら、きっとその活躍は世界の舞台で見られたのではないかと想像します。


他にも、読み応えのある記事が沢山。

永久保存版です!

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