ロードムービーが好き⑧「パリ、テキサス」
見始めていたものの、目のかすみが辛く中断していた、「パリ、テキサス」を見終えました。
ヴィム・ヴェンダース監督作。
タイトルにパリ、とありますが、ずっとアメリカ国内で展開される物語でした。
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4年間失踪していた、記憶喪失のような男・トラヴィスが、弟によって連れ戻され、生き別れとなっていた息子・ハンターと再会。
ハンターは叔父夫婦に3歳から7歳まで育てられていたものの、実の父親とも打ち解けていき、遠くテキサス州ヒューストンにいるらしい母親・ジェーンを探しに行く、というストーリー。
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ロードムービーぽい長距離移動は、最初、トラヴィスと弟のレンタカー旅。テキサスの砂漠から、弟の家があり、ハンターも住むロサンゼルスまで。
あとは、ロサンゼルスからヒューストンまで、トラヴィスとハンターの旅。
最後の30分ぐらいは、トラヴィスとジェーンの対話のシーンで、これは、ジェーンが働いているのぞき部屋でなされる。
といっても、のぞき部屋なので、マジックミラー越しに、電話を通じて会話がされ、トラヴィスはジェーンの姿を見ることができるが、相手の姿が見えないジェーンは会話が核心に近づくまでトラヴィスに気づかない。という仕掛け。
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トラヴィスとジェーンの会話、そしてジェーンとハンターの再会がクライマックスとは思うのですが、自分は前半が楽しめました。
密室での対話劇より、男同士のトラブル混じりの旅が好みのようです。
ストーリー的には、実の母と息子は再会を果たすものの、おじ夫婦の元でたっぷり愛情を受けて幸せそうだったハンター、将来大丈夫かな?と心配になってしまいました。
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トラヴィスとジェーンの会話で紐解かれる過去の出来事が、どっちにも結構な非があり、ちょっと見ていて(聞いていて)辛かった。
しかもそれが、密室で女から男の顔は見えない、という息詰まる空間で。
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なんとなく、後味が悪かったかなぁ。
すみません。ややネガティブな感想で記事にするのもどうかなと思いつつ、自分用の鑑賞メモということで。