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「サラブレッドはどこへ行くのか」読了。
昨晩読み終えてつぶやいたのですが、もう少し読書メモという形ですが、残しておきます。
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・著者の平林健一さんは、同じテーマで2019年に映画を撮っている。
・思考と行動を重ねてきた人の文章はやはり、ひしひし、ずっしりと重い。
・引退馬に関わる関係者のそれぞれの思い。中でも、ようやく取材ができたという家畜商の言葉は印象に残った。
・「推し馬を引き取りたい」というファン、しかし、天命を全うするまでの資金力を有しているかというと心許ないファン、そんなファンと、「最後の数ヶ月だけでも大事に扱って管理してあげたい」という信念を持つ家畜商のやり取り。
・年間何頭と殺されているのか、正確な統計はない。(推定の数字では四千頭。)
・具体的には、何頭救うのが目標なのか?
・救うための方法論を実践しているケーススタディが色々ある中で、認定NPO法人引退馬協会が主催する「ナイスネイチャ・バースデー(メモリアル)ドネーション」によって命が繋がれた馬の中には、ファンだった馬がたくさん。(メイショウサムソン、セイクリムズン、アサヒライジングなど。)
・引退馬支援の直近の大きな動向ー2024年4月JRAの出資による一般財団法人「TAW(Thoroughbred Aftercare and Welfare)」設立。
・JRA出資による団体のリーダーシップには期待したいが、かと言ってお金が全てを解決してくれるわけではない。
・それに、JRAの最大のミッションは競馬振興であり、引退馬支援は枝葉とまでは言えないが、あくまで施策の一つ。(予算も潤沢ではない。)
・今のサラブレッド生産頭数は果たして妥当なのか、考えさせられた。(ただ、1990年代前半が生産頭数のピークで、今はその時代より頭数自体は減っている。)
・この問題は、馬が好きな人なら、間違いなく考え込んでしまう問題。著者は、それぞれの人が、できることから、またできるなら自分の専門性を発揮して考え行動してくれたら、という願いを綴っている。
今日のところはこんなところです。
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以下は、以前書いた、著者・平林健一監督の映画作品「今日もどこかで馬は生まれる」の感想記事です。