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【問1】インターネットってなんですか?
【インターネットとは何か】
子どもたちに「インターネットって何?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?
私は、教職員向けや保護者向けの研修でこの質問を投げかけることがあります。
そう、みんな「インターネット」を知っています。毎日使っていますからね。でも、いざ説明しようとすると難しいものです。
では、ここでChatGPT君に聞いてみましょう。
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総務省の国民のためのサイバーセキュリティサイトにまさに同じ問いがあったので引用すると、「インターネットは、世界中のコンピュータなどの情報機器を接続するネットワーク」と定義されています。
ただ、私たち大人が「インターネット」という言葉を、そこから利用できるサービスそのものを指す場合にも使っているため、この二重の意味が混乱を招く原因になっているのかもしれません。
【子どもたちは「インターネット」を理解している?】
では、今の子どもたちは「インターネット」や「ネット」という言葉をどれくらい理解しているのでしょうか?
私は小学校1~2年生を対象にネットリテラシーの授業をする際、最初にこんな質問をします。
「インターネット、ネットという言葉を聞いたことがある人~?」
挙手するのは、だいたいクラスの3分の1くらい。
「では、インターネット、ネットを使ったことがある人~?」
お互い顔を見合わせてざわついた後、迷いに迷って挙手するのは4分の1くらいです。
「じゃあ、もう一つ聞きますね!YouTubeなどの動画を見ることが好きな人~?」
すると、ほぼ全員が元気よく手を挙げます。
そして机の上には、GIGAスクール構想で貸与されたタブレット端末。
つまり、ネットリテラシーだ、情報モラルだの前に、「そもそも、自分たちが何を使っているのか」を子どもたち自身がきちんと理解する必要があると痛感します。
じゃないと「便利なこと」「危ないこと」の判断も難しい。
【子どもたちと一緒に考える、教えてもらう】
授業では、こんな風に進めています。
「インターネットとは何か」「インターネットにつながる情報機器にはどんなものがあるか」「それらで何ができるのか」を子どもたちと一緒に考えると、みんな目をキラキラさせて、自分の知っていることを披露してくれます。
多くは家庭での利用を想定した話が中心ですが、学校での利用についても確認します。
たとえば、こう話しかけます。
「みなさんのタブレットもインターネットを使って世界につながっています。この教室にも『世界の入口』がありますよ。探してみましょう!」
教室内のアクセスポイントを探すワークでは、モニターやエアコンの吹き出し口、保管庫の電源などを指す子もいますが、アクセスポイントを見つけると「へー!知らなかった!」という声が、3~4年生でも上がります。
ちなみにGIGAスクール構想スタート時、文科省にはこのようなページもありました。「インターネットにつなぐとき 守ってほしい,大切なこと」
※リンクからご覧ください。
ちゃんと「そもそもインターネットってなんだろう?」という問いがあります。
【年齢に関係なく、誰もが知るべきこと】
年齢に関係なく、インターネットやコンピュータなどのデジタルテクノロジーを利用するユーザーとして、知っておくべきこと、考えるべきことがあると思います。
2022年に必修化された高校の「情報」科目はその一環です。中学生では技術家庭科で情報を扱う場面があり、小学校ではプログラミング体験がありますが、情報科目への接続要素が十分でないのが現状です。
年齢に関係なく、と書きました。今、大人と言われている人たち(私ももちろん含みます)こそ、実はこの学びが必要だと感じています。
「自分が何を使っているのか」「子どもたちに何を使わせているのか」を知らないまま、危険性や心配事のみを押し付けることで、子どもたちの可能性をつぶしてしまったり、本当に困った時の相談先になれていないことも考えられます。
この記事を読んでくださったあなたに、もう一度問いかけます。
「インターネットって何ですか?」
調べること、知ることはたくさんあります。その過程は、とてもワクワクするものではありませんか?
【お願い】
ここに書くのはあくまで私個人の考えや思いであり、株式会社教育ネットさんの方針や意見と完全に一致しない場合があることをご了承ください。
なお、この記事を通じて教育ネットさんの事業に興味を持っていただいた場合は、責任を持ってご紹介いたします。