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ベスト・エッセイ2024 (日本文藝家協会編)

【読書感想文】 ベスト・エッセイ2024(日本文藝家協会編)・光村図書


また本が付箋だらけになった。

エッセイとは?ということをネットで検索してみると、
自由な形式で、自分の意見や感想などを述べた散文のこと。また、特定の主題について述べる小論文、論説のこと』
となっている。
あらゆるところにエッセイはあり、こんな私でさえエッセイと名のつくものを書いているが、心を動かすエッセイを書くことはもちろんだが、そういうエッセイにに出会うのもなかなか難しい。
光村図書から毎年発売されているこのベストエッセイのシリーズは、そんな心を動かすエッセイに出会える場所(本)として毎年お世話になっている。
錚々たるメンバー(角田光代、林真理子、藤沢周、堀江敏幸、町田康、三浦しをん)がその年に雑誌や新聞などの媒体に発表された多くのエッセイの中から読み応えのあるものを選出して作られた作品集だ。

作品の収録メンバー

毎年読ませてもらっているが、いつも付箋だらけの風貌になってしまう。
2024年版も最初から最後まで、書いた方やテーマに偏りなどなくさまざまな分野の方々が様々な思いを持って書かれている。
全部で79作品が収録されている。
どれもこれも飾らない素直な作品で、それゆえ深く心に響くものがあり、全部紹介したいくらいだ。
個人的には…
嫌いな母と再会したときのことを綴った『母との遭遇/ラランド・ニシダ』
Z世代のことを書いてある『貴重品ゆえの優しい世代/酒井順子』
自分の性格を客観的に綴った『偽の気持ち/本谷有希子』
業界にある男女差への思いを綴った『男女差/群ようこ』
亡き母の声を永久保存しようと願う『永久保存/北大路公子』
親戚のおばあちゃんの一言を綴った『身銭を切ったユーモア/松村友視』
自分の成人式の思い出を書いた『心の海辺で/藤沢 周』
他にもたくさんあるが書ききれない。
読んでは涙し、また読んでは笑い、やはり素敵なエッセイというのは、その人の経験や思いがひしひしと伝わってくる。

この本を読み終えて、思うことはやはり『上手な文章』より『いい文章』が書きたいなという思いだ。
そういう意味では、この本は読み物ではあるが物書きにとってとてもいい教科書のようにも思う。
付箋の数だけ学びがあった。
いや、付箋と付箋の間にも私がまだ気づいていない何かよい物がそこかしこにあるに違いない。

ベスト・エッセイ2024  日本文芸家協会編/ 光村図書




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イトカズ
読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。

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