見出し画像

夜の明るさと、朝の暗さと、遠い昔と。

2021.9.11(土曜日) answer in the affirmative

あれから20年が経つのだ。

ここに日付を打ち込みながら「あぁ、911だ」と少し暗くなる。映画の一場面を見るように私はあの日、ワールドトレードセンターに飛行機が突っ込むのを見ていた。罪のない人たち、大好きだった友人たちが大勢亡くなった日だ。

今朝は耳鳴りの音で目が覚めた。

そう思っていたが、すぐにそれは雨の音だと気がついた。もうすぐ午前7時になろうとしている時間なのに外は薄暗く、それにも増してカーテンで閉じられた部屋の中は光源がないと真っ暗な状態だ。嫌な朝。嫌ないち日にならなきゃいいけど。

時間は昨夜に遡る。

「大パルコ人4マジックオペラ愛が世界を救います(ただし屁が出ます)」を観劇してきた。とても良い席を取っていただいて、かぶりつきで観させてもらった。宮藤官九郎さん演出の「大パルコ人」シリーズは今回で4作目で、2022年の渋谷が舞台の「高校中パニック!小激突」、2033年の渋谷が舞台の「サンバイザー兄弟」、2044年の渋谷が舞台の「R2C2」、そして今回は2055年の渋谷が舞台の作品になっている。戦争で渋谷は破壊された街になっている。廃墟のような街に住むホームレスや浮浪児や取り締まる警察.、ロボット、宇宙人まで住んでいる。

一言で言うとマイノリティや多様性がテーマになっているのだが、宮藤官九郎さんがインタビューで...

100分の1に人口が減ってしまった2055年の渋谷で、生きてるだけで特別になってるっていう設定もそうなんですけど、マイノリティとか多様性みたいなことを、何か自分なりの解釈というか、自分なりの切り口で、多様性を肯定したいなと思ってます。(一部抜粋)

とおっしゃっている。

これでもかというほどの能天気さでマイノリティや多様性を表現する姿は確かにおもしろい。特殊能力を持っていてもどこか間抜けな部分があったり、世の中の流れだからと嘘をついてLGBTを宣言したり、またマイノリティを敵対視するドN(とことんノーマルな人)がいたりとするが、全部肯定していく。最後はみんなで世界を救うのだから(屁は出るけど)イカしている。

大人計画にはもうひとり松尾スズキさんという演出家がいるが、松尾さんが人間の闇に塩を塗りつけてこれでもかと問題提起していくのに対して、宮藤官九郎さんは人間の闇をこれでもかという笑いに変えて問題提起していく。このふたりの個性があるから私はずっと大人計画のファンなんだろうと思う。

楽しい夜だった。

夜が楽しいって、いいことだなと思った。



昨日の日記...少しお芝居のことを書いています。↓






この記事が参加している募集

読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。