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病状が悪くなれば心も悪くなる

近頃、映画好きの集いに顔を出すことがなくなっている。
というか、雑談するために集まるインターネット上の友人とも話すことがないと思い込んで塞ぎ込み、ひとりで淡々と本を読んでは仮眠、感想をどこかで投稿しては休憩、それだけの日々。
昨日はIT企業に携わるための一歩として就職試験を受けたが、それも急な思い付きで動いたから果たして私がやりたいことなのかと言われるとそんなこともない。

気分が落ち込んでいるわけではなくて、どちらかというと怒りに満ちている気もする。犬に八つ当たりをしたり、優しく接してくれる親族に冷たく対応したり、自分でもなぜその行動をとってしまうのかわからないがそんな状況がしばらく続いている。

部屋に籠って本を読むことは、私にとって世界を視る唯一の方法になりつつある。外出が難しくなれば、本や映画は私の代わりに外の世界を視てきてくれる大切なツールになることもわかっている。

なのに、物語に注力できない。
読む本はもっぱら専門書や新書のような情報を仕入れるためのものばかりで、それが私の知的好奇心を刺激するから読んでいるだけ。特にそれらを使って何かが出来るかと言われると何もないし、動けない人間が勉強をしたところで使う社会は用意されていない。

小説は人に勧められて無理やり読むくらいで、読みたいと思う物語に出会えない。山積みになっている書斎の小説が私に読まれることを待っているが、彼らには当分その順番が巡ってこないことを伝えなければならないかもしれない。

先日までの熱狂的な集中力がぽっと消えてしまい、読みたい本リストを眺めても気になるもの、今すぐ読みたいものがまるでない。

どうしたんだろうか。
天気のせいか、体調のせいか、心まで悪くなっている。

映画好きの集まりに顔を出しても、過去に鑑賞した映画の話しかできないし新作情報も追っていないから何も楽しくない。持ち寄れるものがなにひとつない私を迎え入れてくれる相手にも申し訳なく思うから暫く隠居することになると思う。

脳だけは活動的な生活を取り戻したい。体は痛いし消化器官も麻痺し始めていて、食べ物も受け付けなくなっているが、せめて頭だけは。

痛み止めの量が増えたのが理由なのかもしれないが、これから更に増量して運動療法を始めると仮定したら私はどうなってしまうのか、ブレインフォグで何もわからない頭で想像する。
ベッドでただ天井を見上げる日が続きそうだ。

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