映画『朝がくるとむなしくなる』(2022)を観た。
体を少し壊してしまい、1週間くらい体が縦になってる時間のほうが短い日々を過ごしていました。
少しずつ、動く元気を取り戻してきた頃、外に映画を観に行くことできました。
それが、映画『朝がくるとむなしくなる』。
カルチャー系のインフルエンサーがSNSに投稿していたのをたまたま目にして知った作品。
動かない体を重力のままに、ベッドに沈めながら目にしたそのスマホの先には「監督:石橋 夕帆」の文字。
過去作の映画『左様なら』※を大学生時代観て、ぶっ刺さり、ちらほら短編などをU-NEXTで観てきた監督です。
そこから3,4年経ち、新作を劇場で観られるのか!という喜びと、これは観なきゃ!という謎の運命を感じました。
そこからは、焦燥感のような気持ちに駆られて劇場まで足を運びました。
そしたら、本当に今のわたしに必要な作品に思えて……
撮ってくれて、本当にありがとうという気持ちでいっぱいです。
あまり内容に触れることはしないでおこうと思うのですが、
登場人物の誇張しすぎない個性や人間味が滲み出す会話劇は、とても心地よかったです。
観た方ならわかると思うのですが、
バイトのメンツでの飲み会のシーン、女友達とバンドマンあるあるの話。
その中でも、終盤の主人公が電話をかけるシーンは思わず涙が溢れてしまいました。
短編など他の作品含め、
この監督の作品に出てくる役者陣の、何とも言えない空気感が大大大好きなので、
まだ観れてない短編も観ていきたいなと思いました。
そして何より、音楽もとても好きでした。
エンドロールの音楽※は、
まさにこの映画に当て書きされたの?と思ってしまうほどのマッチングで。
オシャレだけど切ないボーカルのウィスパーな歌声。
ふと路地裏で野良猫を見つけた気分のような歌詞。
センセの軽快な音色と包容力のあるベースの音。
ラスサビのシューゲイザーっぽい力強さ。
最後に個人的な感想を書き留めておくと、
石橋夕帆 監督は、その人物が言語化しきれていない、言葉にもまとまっていない心の奥の思いみたいなものを、
映像に乗せて伝えてくるのが上手だなぁと思っています。
そのアンニュイな雰囲気を創り上げ、受け手をその世界に没入させて、
言葉では説明されていないのだけど“何となく理解る”みたいな。
本作では比較的メッセージ性が強い台詞が多い分、わかりやすさがあり、
個人的な好みとしては監督の他作品の方が好きかも、という感じでした!
とはいえ、今のわたしが観るべき映画と思えるようなものが、このタイミングで劇場公開されたことが奇跡に思えて、
温かい気持ちにさせてもらいました。
これからも、作品を撮り続けてほしい監督の1人です。
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※おまけ
古着屋 川のトートバッグ!!!!に、もうこの作品の制作陣への信頼が爆上がりしてしまいました。
過去作品と、エンディング曲のリンクは下記。