隣の家を全焼させても無罪
隣の家を類焼しても無罪?
隣の家をうっかり類焼で全焼させてしまった…それでも、火元に責任は問われないことをご存知ですか?
日本には「失火法」という法律があります。
火事を起こした人が重大な過失を犯していない限り、隣家への賠償責任を負わないのです。
中華屋が街ごと滅ぼした
2016年糸魚川市で発生した大規模火災は、中華料理店からの出火が強風で広がり、147棟が焼失、建物の被害総額は約12億円とされました。さらに文化的価値も含めた場合、少なくとも被害額は30億円はくだらないと見積もられました。
それでも、火元に損害賠償を求めるのは難しいのです。いや、法律的に不可能なのです。
失火法はなぜ誕生したのか?
失火法は、1873年(明治6年)に初めて制定されました。この法律の目的は、失火に対する責任を明確にし、火事の原因となった者に賠償責任を問うことを目的としていました。
しかし、この法律は「故意または重大な過失」がない限り、失火者に賠償責任を負わせないという特異な規定を含んでいました。
(当然故意の失火や放火は責任を問えます)
この規定の背景には、火災の多発や住宅が密集している日本の都市環境の特殊性があり、すべての失火者に賠償責任を負わせると社会的な混乱を引き起こしかねないという懸念がありました。何世代も借金を重ねても返せないような規模の火災による負債が発生する可能性が大きかったという事情です。
世界では賠償が標準
しかし、これは日本特有の法律です。世界的には、火元が過失を犯した場合、損害賠償責任が発生することが一般的です。アメリカやイギリスなどでは、火災の原因が過失であると認められれば、火元に責任が問われます。
日本では「重大な過失」のみ問われます。この部分が最も違う規定です。日本の失火法は、火事を発生させた人物の責任を原則的に問わない法律ですが、その結果、類焼をしても被害者は、誰にも責任を問うことはできないことから火災保険の重要性が増しています。
火災保険は重要
失火法の存在により、火を出した側の責任が免除される場合も多いですが、誰にも補償を求めることができない分、火災保険はその備えとして必須です。
隣家の火事で自分の家が巻き込まれるリスクは常にあるため、しっかりと備えをしておきましょう。日本では近所の外壁も近いので類焼の可能性も大きいのです。
どのような状況でも自分の安全と財産を守るため、火災保険の見直しを検討しましょう。
火災以外にも台風や水害が多い日本では、保険の活用する機会は非常に大きいと言えます。
地震での類焼は適応されない!
しかし、能登市場の火災のような「地震による火災」には、なんとら火災保険は適用されません。地震が原因の火災は「地震保険」が必要になるのです。古い家屋が立ち並ぶ能登の火災、どれだけの家に保険が適用されたのでしょうか?
今後発生が予測される南海トラフ地震でも同じです。いくら地震に強い家を建てていたとしても、大きな地震による火災には対応できません。
足りない営業マンが「この家は地震に強いから地震保険なんていらないっすよ!」などと言ってもフル無視。まず地震よりもその営業から住まいを買うことのほうがリスクが高そうですね
この機会に、自分の保険を見直してみましょう!
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