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農ファッション農ライフ no fashion no life vol.20
人間って何から出来ているんだろう?
多分あれだ。
いや、間違いなくそれだ。
この指も、髪の毛も、肌も、内臓も、私が食事で摂ったものを吸収し体内であーだこーだ変換して私になっている。
ありがたいことに食べたいものが選べる、そんな時代に生まれている。
選べるからこそ、疑問のある食材やそれって何からできているんだろう?という「食べ物」もある。
私は野菜が好きだ。
お肉もお魚も好きだ。
制限は特に設けていないが、野菜はオーガニックの野菜がダントツに美味い。
オーガニック野菜はワイルドさがいい。
色も美しく味は植物としての野性味に満ちていて「自分無骨っすけど遠慮なく食ってやってください!」的な存在感。
くぅ~!そんなあんたが好きだ~!
オーガニックと言われる「食べ物」とそうじゃない「食べ物」
それって何なんだろう?
何故それを作る人とそうでない人がいるんだろう?
今回はオーガニックの野菜を育てている農家さん、ふじいずナチュラルファームさんに農に向かうファッションと、農の中身伺って参りました!
・ふじいずナチュラルファーム/藤井 康徳/yasunori fujii
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・タオル 今治タオル(ノマド)
・アウター 古着
・オーバーオール 古着
・長靴 ネットで購入
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藤井さんはこの日デニムのオーバーオールを着て作業をしていた。
つなぎの利点はズバリ腰が出ないということ!
農作業のとき、姿勢はしゃがみが多くなる。
この時に腰が出ていると虫に刺されたりして後でやっちまったー!ってことがある。
これが結構ボディーブローのごとくじわじわ系強烈ダメージになることがあり超厄介なのでつなぎでブロック!
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靴は長靴か足袋。
長靴はトップが絞れるタイプを愛用中。
これは草や土が入ってくるのを防ぐ狙いがあるのだそう。
作業終わったあとに靴下どろどろ~洗濯めっちゃ大変~とか出来たら避けたいよね~と思う。
夏場は足袋!
足袋ってやつは素足に近い感覚なのにガシガシ歩けるし、長靴だと蒸れるので夏場は足袋が一番!!
サイドがジップになっているタイプを愛用している。
藤井さんは農作業スタイルなんだけど、帰りにちょっとコンビニへ、、、が可能なスマートなスタイルだなぁと思った。
これが出来ると出来ないとではかなり違うのだ、、、!
何せ静岡はバリバリの車社会。
車の中だから洋服気にしなくてもいいよねが通用するぶん、降りたときにちょっと農作業してきました~!な雰囲気バリバリだとTo muchなときがあるのだ。
・自然栽培という選択
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藤井さんは都内からの移住で農業を始めたツワモノだ。
最初は農業法人に就農し、有機での農法をそれこそちょーでかーい規模感でやっていたという。
しかーし!
有機栽培と自然栽培ってのは全く別物。
指定された肥料であれば使用することもあるのが有機栽培。
肥料は与えず、土にもトラクターはかけない、生えてくる草も大切にし、虫だってそりゃいるでしょ、ってな具合に1つの植物としてより良い自然な状態をキープしながら育てるのが自然栽培なのだ。
で、藤井さんは今は1人で自然栽培で畑を手掛け野菜を育てている。そこに至るまでは有機での農業をやってみてからの思いがあるのだ。
ふじいずナチュラルファームは4つの「R」から成り立つ。
1 Reduce ゴミ削減
2 Reuse 再利用
3 Recycle 再資源化
4 Rseborn 再生
+
Respect
これは痺れる‼
「農」に対する姿勢とそれを言語化しているところに今を感じないか!?
もちろんSNSもやってるのでチェックすべし!
>>>insta
>>> Facebook
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自然栽培ってやつはあまり一般的ではない分、分かりづらいが植物・人間・地球の循環に満ちていてとても腑に落ちるし理にかなっている。
野菜を育てるということは、つまりは植物を育てるということなのだ。
環境への配慮をしながら育てた野菜たちは土を汚さずパワーみなぎる野菜となって私たちの細胞へと変わる。
・雑草は雑草にあらず
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雑草というのは野菜が育つときに邪魔になるから抜く、というのが最もポピュラーな農業のあり方なのかもしれない。
そうゆう考えの人が手掛ける畑は草1つ生えていない、きれーな土ときれーに消毒された野菜がきれーに栽培されていたりする。
なんという手間と時間とお金をかけたやり方なのだろう、、、とその真面目さに敬礼である。
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しかし、この雑草は目には見えないマクロな微生物たちのお家なのだ、と藤井さんは語る。
草の根っこに住み着く微生物。
それが土壌を良くする。
虫も厄介じゃなければ逆にそのままでいいのだ。
私たち人間は自らの手で土を良くすることは出来るのだろうか?
出来ることはサポートすることだけなんじゃないか、というところに行き当たる。
トラクターなんかの機械で耕してしまうと微生物は死んでしまうらしい。
だから自然栽培で野菜を育てる人たちは草をとても大切にしている。
野菜以外の草を「雑草」と捉えるか「実りの草」と捉えるかは人それぞれだ。
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実りの草は選べばその草自体食べられるものも多い。
食べれるのに普段食べないな、って草はかなりある。
春の野はこの「食べられる草」の宝庫と化していて、野を歩く私は野草ハンターのごとく目がぎらついているものと思われる。
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通称「草マルチ」と呼んでいる農の手法は、ビニールのマルチ(畑にかかっている黒い保護ビニール)の代わりとして植物の根元を保護したり温めたりするのに活用もでき、保水もしてくれれば逆に水はけを手伝ったり、夏場の強い日差しから苗を守ったり、役割が終われば土に返るというめくるめく循環の分かりやすい例と言える。
1つ1つのことを聞いているとそんな手間がかかって大変なんじゃないだろうか?と思ったが、以前やっていた有機での農作業の方が「大変で性格に合わなかった。」のだそう。
大規模な農業は工業的である。
大きく成長させる為の肥料。
土を均一化する為のトラクターがけ。
何袋と石灰と鶏糞を巻き、水が足りてなさそうならとにかく水を撒く。
便利なのだろうか?
楽なのだろうか?
製品の出来栄えは良いのだろうか?
何事にも向き不向き。
否定と肯定があり、農にはそういった作り手の考え方がとても分かりやすく出る。
自然栽培は1つ1つがめっちゃアナログだ。
草は鎌でちょいちょい~っと狩りとる。
これは夏場はくっそ大変な太陽との戦いとなる。
基本肥料は与えず、土を良くするためにおが屑や落ち葉を入れこむ。
土壌を自然由来のもので改良し、環境への負荷をかけることなく野菜が育つ土にするのだ。
水も基本与えず、雨の降るタイミングで苗を植え付けしたり、それこそ自然とリンクさせて植物を見守る。
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1個1個大きさや見た目が違うなんて当たり前なのだ。
そりゃそーだ。
そして成長した野菜たちはエナジーを凝縮し、植物としての確かな旨味の部分をどーん!と味わわせてくれる。
自然栽培で育てた野菜は絶好調だ。
だから1つ1つの野菜という子供たちが独り立ち出来るように成長を見守り、助ける役割をしているお父さんが藤井さんなのだ。
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今時期は夏野菜の種を蒔き、種から子供へ育てる作業を自宅でやっているのだそう。
毎日子らが「熱いー。」だの「水くれー。」だの「昨日までは調子悪かったけど今日は調子いい。」ってなったりして毎日よく見てやんないとダメなんす。と藤井さんは語る。
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1つ1つの種が成長して家から出ていく。
そして畑という社会に出ていくと色んな奴がいて「仲良くやれってかんじですよ。」と畑を見ながら話す藤井さんの畑はとてもとても美しかった。
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ちなみに前職何だったんですか?との問いに「不動産屋の営業。」との答えでびっくり!
人生やる気次第でどうにでもなる。
草と微生物。
土と植物。
地球がどう感じているかなんて本当は誰にも分からないんじゃないか。
ただ、こんなに美しく生き生きとした畑を見ると、海や空や山が私たちの子供たちの代にも美しくあってほしいと願わずにはいられない。
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