フィルムカメラと行く香港坪州島 Nikon F3 #1·2
本日の記事は少し長くなってしまいましたので目次をつけました。
フィルムカメラ沼と新たなカメラ
引き続きフィルムカメラを楽しんでいますが、カメラの沼にもはまっています。
フィルムカメラの魅力はなんと言ってもその写真の雰囲気ですが、自分にとっては同時にカメラ自体の魅力でもあります。
先に購入したバルナックライカやM3の金属感あふれる筐体、その重み。一つ一つの部品に至るまで精巧で質実剛健な作り。そういったものにもすっかり魅了されてしまいました。
Nikon F3
ライカ以外に気になっていたカメラがNikon F3。
ライカとは異なる指向のデザイン、ウェストレベルへ交換可能なファインダー部などが所有してみたい気持ちを掻き立てます。それでいて生産期間が長く、比較的安価で状態のよいものが手に入るのもこの製品で、是非試してみたいと思いました。
バルナックライカを購入してからすっかりフィルムカメラ狂いです。
いつものようにネットで、機能的に問題がなく程度の良い中古品を探しました。
手元にやってきたのは1980年製のかなり初期のロット。F3の生産期間を考えると、やはり新しめのものがよいみたいですが、細かく製造番号を確認するのを失念して購入してしまいました。(実際はちょっとほろ酔いの勢いでポチりました) 生産ロットからすると少し割高だったかもしれません。
でもファインダーもきれいで、機能に問題がなく、初期のほうだけ採用されていた、メルセデス・ベンツのハンドルグリップと同じ?グリップ素材なのでよしと自分を納得させています。レンズもきれいな状態です。
本当に手に持ったときの重みとファインダーを覗いたときのスッキリ感が素晴しいカメラですね。なによりこのシャッター音!
香港の小島、坪州島へ
前置きが長くなりましたが、週末はこのカメラを持って、香港島の西側にある小島・坪州島にフォトウォークと気分転換に行きました。
盛夏に香港島の南側にある南Y島(Lamma島)に行って以来、香港市街地の喧騒から離れた小島の魅力を知ったので、別の島も行ってみたいと思っていたところでした。
香港島のセントラルフェリーターミナルから坪州行きのフェリーに乗って40分弱で到着です。
Nikon F3で島フォトウォークを開始
ここからF3で初めての撮影です。
F3は露出計があり、絞りを設定したらシャッター速度はカメラが自動で決めてくれる絞り優先モードがありますので、それを使って撮影。
フェリー乗り場を出るとすぐにカラフルで美しい建物がありました。
続いて周辺をぶらぶらと。
Lamma島と同じで、小さな島なので基本的な街機能はフェリー乗り場の周辺に集中していて、散歩のように歩いて見て周ることができます。
小さな商店街を散策。
想像通りのんびりとした島の雰囲気、島時間で、とてもリラックスできます。
そんな島に何故かビンテージカメラショップを発見!残念ながらオープンしていませんでした。
島で楽しむ伝統飲茶(勝興茶室)
小さい島で日陰も多く過ごしやすいのですが、そうは言っても天気は快晴。
歩き続けると汗も出て体力も消耗します。
ということで軽い昼食のレストランへ。
会社の香港人の友人に教えてもらった伝統的な飲茶のお店を訪れました。
80年〜90年代の雰囲気の店で、F3との相性もピッタリ。
店の中でF3と一緒の写真を取ればよかった。
うずらの卵が入った焼売と、もち米の味付きご飯を皮で包んで蒸したものを注文、お茶と合わせて頂きました。これがうまい。
二品なのですがきちんとお腹にたまって満足。
店員さんもとても優しく勧めてくれてとてもよいお店でした。
他のメニューもたくさんあっておすすめ。
小さなビーチでひたすらリラックス
お腹もみたされたところで、海のほうへ。
フェリー乗り場のあるほうから島の反対側に小さな湾があります。
人の少ないとてもゆったりとした雰囲気の白砂のビーチ&漁港。
沖縄にも似た雰囲気でとても落ち着いた時間を過ごすことができます。
少しゆっくりと海を眺めて気分転換できたところで、再び街のほうへ。
そういえば観光ガイドにはこの島は昔の革製品工場の跡地に作った、アートを楽しめる場所があると記載あったのを思い出し、その場所へ行ってみました。
が、ここはちょっと期待はずれでした。
島の西側にある更に小さな島の方に行ってみます。
反対側の小島へ
200mほどの橋をわたって島から島へ行きます。江の島に続く橋のイメージです。
カフェ THE EDIBLE PROJECTS
とてもリラックスできる半日を過ごし、そろそろ帰りのフェリーの時間を確認しておくことに。まだ一時間弱時間があるので、街のカフェへ。
THE EDIBLE PROJECTSというカフェに入ってみました。
とてもおしゃれな外観の建物。
中に入って説明を見てみると、ここは自閉症の若者の方々に働く場を提供するために運営しているカフェで、若い店員さんがとても明るく接客してくれました。出てくる飲み物とケーキは写真のクォリティで十分に楽しめました。島のゆったりとした雰囲気や時間の流れも自閉症の方々の社会参加に一役買っているそうです。
カフェをあとにし、フェリー乗り場へ。
香港島フォトタイム
とても天気に恵まれ、ゆっくり楽しんだ小島をあとにしました。
大都会香港島へ戻ります。
セントラルでフェリーを降りて、再びフェリーで反対の九龍側へ。
残りのフィルムの撮影を大都会で楽しみます。
天気に恵まれとても楽しい一日を過ごすことができました。
Nikon F3での撮影
NikonF3で初めての撮影ですが、まず露出計の具合がどうか気になっていました。というのもM3やバルナックで単体露出計を使って撮影していた絞りとシャッタースピードの関係・感覚と、F3の表示のシャッタースピードがだいぶ違ったので、本当に適正な露出が得られているのか心配しながらの撮影でした。でも現像した写真を見てみると、大丈夫そうですね。
写真のほうは、M3やバルナックライカと比べていかがでしょうか?
自分的にはF3のほうがM3やバルナックライカより少し色味の濃い仕上がりに見えます。むしろF3のほうがイメージするライカの写真の感じかとも思ったり。フィルムや現像の違いでしょうか?
いずれにしてもやはりフィルム写真、お気に入りです。
デジタルデトックスとフィルムカメラ
最後に、
自分がどうしてこんなにフィルムカメラで撮る時間が好きになったのか少し考えてみたのですが、少しデジタルデトックスをしたいのだと思います。
仕事もプライベートもデジタルの空間、時間に追われる毎日。
自分の頭がなにかにぎゅっと埋め尽くされ、空きスペースが一切ない感覚があります。これがなんとも言えない嫌な感覚。
NoteのようなSNSに記事を書くのは、デジタルデトックスとは逆行する面もありますが、少なくとも写真を取っている時間はスマホを見ることはありません。さらにフィルムカメラだと撮った写真をその場で見ることがないので小さなモニターを見て一喜一憂することもなく、ファインダーに映る景色やカメラの機械的な感触・シャッターの音を純粋に楽しむことができます。
撮影後もデジタルカメラでは取り込んだ写真をLrで眺めて悩みながらレタッチしたり、そんなことをしている間にその写真が気に入らなくなったり。フィルムでは少しのトリミングや最小限の編集しかしないです。
大変ありがたいことにNoteでフィルムカメラの記事を書くと、たくさん見ていただけるようになりました。
フィルムカメラが注目されているのもデジタルから離れたい人が多いのかなと思ったりします。
今回はそれに加えて島での一人時間。
最強の組み合わせ、デトックスでした。
というわけで、またデジタルの世界に戻ります。
カメラ: Nikon F3
レンズ:Nikkor 50mm f1.4
フイルム:Kodak Color Plus, Fujicolor 200