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【3分読書メモ】任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代(牧野 武文)を読んで
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■基本情報
書名:任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代
著者:牧野 武文
出版元: KADOKAWA
出版日:2015年6月
ジャンル:ノンフィクション
読書メーター:https://bookmeter.com/books/9781205
書籍内容(BOOKデータベースより)
ウルトラハンド、ウルトラマシン、光線銃SP、ゲーム&ウオッチ、ゲームボーイなどを大ヒットさせた任天堂の伝説的開発者・横井軍平の栄光と苦悩を描く。横井の発想哲学「枯れた技術の水平思考」とは何か?
■気になったポイント(引用文+コメント)
実は、マリオの特徴的な造形=大きな鼻、ヒゲ、オーバーオールのつなぎ、帽子といった特徴は、キャラクターデザインからの要請ではなく、当時のビデオゲームの技術的な限界を避けるために考え出されたものだ(中略)このような制限がある中で、その制限を逆に活かして魅力的なキャラクターを作り上げた宮本の才能は、横井を始めとする周囲を 驚愕 させただろう。
<メモ>やはり制限があってこそ、真のクリエイティビティが発揮されるのかもしれない。
アイディアを出すというのは、簡単そうで難しい言葉だ。アイディアに富んだ人間を自負する人の中には、ただのその場の思いつきを、考えなしに話しているだけの人がいる。これはアイディアとは呼べない。浮かんできた思いつきを検証してみれば、1000のアイディアのうち999は使い物にならないことがわかるはずだ。999のだめなアイディアをいかに早く没にして、残りの1に到達するか。これがアイディアを出せる人間である。
<メモ>人心を惹きつけてやまない妙案というのは、最初から舞い降りるものではない。数多の屍(没案)を乗り越えた先に、ようやく一欠片の傑作が生まれる。
精密で迫力がある写実的な画像が、けっしてゲームの理想的姿ではないはずです。現実をデフォルメしたシンボリックなもので、どれだけ人間の想像力を刺激できるかというのが、ゲームという遊びの本質です。
<メモ>必ずしも見た目が美麗である必要はない。単純に見えるドット絵でも、人間の想像力を刺激するのは十分に可能である。
ゲーム&ウオッチやたまごっちのような暇つぶしのための道具を売るには、ひとつ小さな実用性を入れておくことがとても大切だということなのだ。ゲーム&ウオッチやたまごっちのような商品を店頭で手に取った人は、それを買うべきかどうか悩む。だれもが考えるのは、その商品価格を支払って、代わりにその価格以上の楽しみが得られるのかということだ。このとき、暇つぶしの道具は非常に弱い。なぜなら不要不急の商品なので、もう一度よく考えてから、買うかどうかを決めてもいいからだ。
<メモ>言ってしまえば、おもちゃとは生活に不要な商品である。その不要な商品を「欲しい!」と思わせる、もしくは「財布の紐を解いて買ってもいいかな……」と思わせるためには、ちょっとした"実用性"が必要なのだ。
任天堂の強さの秘密は、世間で行われている技術競争に背を向け、独自の世界を切り開いたことにある。ゲーム機の世界では、セガ、ソニー、任天堂が 90 年代半ばから 熾烈 な競争を繰り広げてきた。そこでは「より迫力のあるゲーム」「画像のリアルさ」「処理能力」などが焦点になっていた。 10 年にわたる競争の後、任天堂は「ニンテンドーDS」を発売することで、この競争から降りてしまった。
<メモ>任天堂が他のゲームメーカーと一線を画しているのは、独自路線を開拓しているから。
【こんな人におすすめ】
・任天堂及びビデオゲームの歴史に興味がある人
・モノ作りの本質を学びたい人
・アイディアや発想法に興味がある人