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【3分読書メモ】「マインド・コントロール 増補改訂版」(岡田尊司)を読んで
■基本情報
書名:マインド・コントロール 増補改訂版
著者:岡田尊司
出版元:文春新書
出版日:2016年4月20日
ジャンル:心理学
読書メーター:https://bookmeter.com/books/10795234
■気になったポイント(引用文+コメント)
外部の世界からの遮断と、視野を小さな一点に集中させるということだ。トンネルの中を潜り抜けている間、そこを進んでいく者は、外部の刺激から遮断されると同時に、出口という一点に向かって進んでいるうちに、いつのまにか視野狭窄に陥るのである。
<メモ>人間は外界と遮断されて視野狭窄に陥ると、普段なら耳を貸さないであろう妄言でさえ簡単に信用してしまう。
主体的に考えることを許さず、絶対的な受動状態を作り出すことが、マインド・コントロールの基本なのである。
<メモ>相手をこちらに依存させ、主体的な意見を持たせない状態(受動)を作り出すことが、マインド・コントロールの第一歩である。子供に対して過保護な母親もこれに当てはまるかも?
ヘブ博士の実験は、感覚遮断状態において与えられた刺激は、通常の状態では想像できないほど強い影響力を、人間の精神や脳に及ぼすことを明らかにしたのである。それは同時に、この技術を悪用すれば、その人の思想や考えを、すっかり変えてしまうことも可能だということを示している。
<メモ>情報過多も考えものだが、頭に何の情報も入ってこないと、今度はかえってどんな情報でも欲してしまう”情報不足”に陥る。
宗教的修行と洗脳が、紙一重の行為であり、解脱も洗脳も、そこで起きていることは、既成の価値観の消去だという点では共通するのである。
<メモ>まさしくこの指摘通り。”価値観の上書き”という点においては、解脱も洗脳も同一の結果をもたらしている。またデプログラミング(脱洗脳)の場合においても、対象の環境を変化させると同時に、情報および人間関係の繋がりを遮断しなければならない。
催眠に取り組むうちに、アレンが気づいたことの一つは、催眠状態におかれた人が、通常ではあり得ないほどの記憶力を発揮することだった。催眠状態におかれると、被験者は込み入った指示や膨大なデータを苦もなく記憶し、一字一句たがわずに思い出すことができた。しかも、それをかなり長期間保持しているようだった。
<メモ>催眠状態に入ることで、脳に課せられた何らかのリミッターが解除されて、記憶力が飛躍的にアップする(本来の能力が覚醒する)のかもしれない……。
【本書の感想】
書名だけ見ると怪しげな内容に思えるかもしれないが、実際はその逆。世界各地で実際に起こった洗脳事件や戦時中の人体実験を具体例として取り上げ、マインドコントロールの危険性やメカニズム、そして洗脳から身を守る心得を読者に伝える示唆に富んだ名著である。”洗脳”という言葉に興味を持った人々が、知識欲を満たすためだけに読むのはもったいない。現代社会で安全に過ごすためにも、自衛力を高める観点から幅広い人に読んでもらいたい一冊。
【こんな人にオススメ】
・世界中で起こった洗脳に関する事例に興味がある人
・詳細な事例を通してマインドコントロールのメカニズムを理解したい人
・洗脳に対する防衛術や心構えを身に着けたい人