姜尚中にもの申したかったが
朝日新聞、日曜版にある「悩みのるつぼ」が好きだ。読者からのお悩みに、数人の著名人が週替りで答える。特に、解答者が政治学者の姜尚中の時は注目して読む。何故なら、結構的外れなアドバイスで、私を苛つかせるからだ。ただ、そう思うのは私だけではないようで、ある相談に対して、姜尚中の解答がおかしいと指摘するような記事が、読者投稿者「声」に2つか3つ載ることがあった。ということは、その解答に対し、相当批判的な「声」が届けられたと予想される。
ある時、こんな相談があった。確か60代の女性からで、最愛の夫が亡くなり、この先どう生きていけばよいのかわからないと訴える内容。姜尚中は、自分は息子の自死を経験し、無力感に苛まれ生きる意味を失った等、自身の経験や、キリスト教の教えなどを述べた後、こんなことを書いてもあなたの慰めにはならないかもしれない、でも、あなたには生き抜いてほしい、そんな言葉を女性におくっていた。
私はこの時、たまには良いこというな、姜尚中と思った。昨日も中々良かった。それは母との関係に悩む20代女性からの相談で、それに対し「共依存」を指摘していた。うぅ、痛い。その言葉は私には鋭く刺さり、日頃考えず振り返らないようにしている様々な出来事が、思い起こされた。
さて、私が著名人に悩みを相談するとしたら、鴻上尚史にしたい。彼が、「お悩み相談」をする本を立ち読みしたが、優しく、且つ説得力がありとても良かった。なお、一番したくない、恐れているのは上野千鶴子。「悩みのるつぼ」解答者の一人でもあるが、相談者の心の内まで見透かし、バシバシ正論を語る彼女。あれで救われる人は、相当打たれ強いハートの持ち主だと思う。
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