【「嗜む」のすすめ】線を超えるものに焦がれ本を嗜む
私達が密かに大切にしているものたち。
確かにあるのに。
指差すことができない。
それらは、目に見えるものばかりではなくて。
それらを、ひとつずつ読み解き。
それらを、丁寧に表わしていく。
そうして出来た言葉の集積を嗜む。
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■テキスト
「[増補版]知の編集工学」(朝日文庫)松岡正剛(著)
本書刊行時の時代背景と執筆時の思い、そして、今回、増補した制作経緯を明かし、あらためて「知の編集工学」で問おうとしたメッセージを、以下の5つの視点で解説しています。
1.「世界」と「自己」をつなげる
2.さまざまな編集技法を駆使する
3.編集的世界観をもちつづける
4.世の中の価値観を相対的に編み直す
5.物語編集力を活用する
これらの視点の大元には、「生命に学ぶ」「歴史を展く」「文化と遊ぶ」という基本姿勢があることも、AI時代の今こそ見直すべきかもしれません。
■線を超えるもの
・ステップ1:知らないものには引力がある
未知のものには、人を、動かす力がある。
新しいものには、人を、惹きつけるエネルギーがある。
そう。
知らない街を旅するときの期待も。
珍しい料理への好奇心も。
そして、初めての物事に触れる勇気も。
どれも、これも、み~んな。
この引力に、惹かれたせいだったんだね。
好きに、真っ直ぐ。
・ステップ2:自分の圏外に出ないと新しい世界と出会えない
新しいことを始めると、新しい世界に出会う。
新しい世界に出会うと、そこには、必ず、自分が知らない、未知なる世界が待ち構えている。
思えば、人は、どれほど、そんなふうに、さまざまな道に導かれ、未知の世界に、足を踏み入れてきたのだろうか。
まだまだ、人間という肩書きで、生きようと思う。
・ステップ3:気がつけば常識が旧常識になってしまう時代
全く未知だったものが、一瞬で、新しい常識になってしまう時代。
自分らしくあろうとしても、迷ってしまうことや、立ち止まってしまう時がある。
でも、だからこそ、人生は、面白い。
さまざまな世界の価値とまざり合いながら、自分の中の
「好き」
を見つめて、生きていく。
・ステップ4:はじまりからはじまりへ
その間にある、特別な何か。
その何かが、離れた人々を近づける。
自分とは違う世界を見ること。
喜びや恐れを分かち合うこと。
全てを動かす力を知ること。
きっと何かを得る。
旅のような、この線の中で。
自分がいた場所から、自分が行きたいところへ。
未知の緊張から、発見の驚きへ。
私を分かつ、些細なものから、私の全てを包む大きなものへ。
この線には、誰もが生きるストーリーがある。
はじまりからはじまりへと向かう中で、きっとわかるはず。
どんなに離れ、どんなに違っていても、ストーリーを再生すれば、私は、ひとりじゃない。
そう、ひとりじゃない、世界がある。
・ステップ5:あなたの「未知」は何ですか?
ブラックホールの例で言えば、そこを、
「未知の情報があるということを本質としている実在」
とみなせるかどうかが、重要な見方となるんだろうね。
その未知の情報が辿れないからといって。
そういうものは、実在していないなどとは、批評すべきではないから。
<参考記事>
『もう一つの宇宙』
著者:フレッド・アラン・ウルフ
翻訳:遠山峻征・大西央士
■20夜200冊目
2024年4月18日から、適宜、1夜10冊の本を選別して、その本達に肖り、倣うことで、知文(考えや事柄を他に知らせるための書面)を実践するための参考図書として、紹介させて頂きますね(^^)
みなさんにとっても、それぞれが恋い焦がれ、貪り、血肉とした夜があると思います。
どんな夜を持ち込んで、その中から、どんな夜を選んだのか。
そして、私達は、何に、肖り、倣おうととしているのか。
その様な稽古の稽古たる所以となり得る本に出会うことは、とても面白い夜を体験させてくれると、そう考えています。
さてと、今日は、どれを読もうかなんて。
武道や茶道の稽古のように装いを整えて。
振る舞いを変え。
居ずまいから見直して。
好きなことに没入する「読書の稽古」。
稽古の字義は、古に稽えること。
古典に還れという意味ではなくて、「古」そのものに学び、そのプロセスを習熟することを指す。
西平直著「世阿弥の稽古哲学」
自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」(^^)
さて、今宵のお稽古で、嗜む本のお品書きは・・・
【「嗜む」のすすめ】線を超えるものに焦がれ本を嗜む
「三省堂日本山名事典 改訂版」徳久球雄(編)
「HIDEO KODAMA:DESIGNER」児玉英雄(著)
「アブホーセン―聖賢の絆〈上〉」(古王国記)ガース ニクス(著)原田勝(訳)
「アブホーセン―聖賢の絆〈下〉」(古王国記)ガース ニクス(著)原田勝(訳)
「負ける建築」(岩波現代文庫)隈研吾(著)
「江戸の動物画 近世美術と文化の考古学」今橋理子(著)
「桜狂の譜 —江戸の桜画世界」今橋理子(著)
「世界奇想美術館 異端・怪作・贋作でめぐる裏の美術史」エドワード・ブルック=ヒッチング(著)田中久美子(監修)藤井留美(訳)ナショナル ジオグラフィック(編)
「新編 画像解析ハンドブック」高木幹雄/下田陽久(編)
「Pythonで学ぶ画像認識 機械学習実践シリーズ」田村雅人/中村克行(著)
「Pythonで学ぶ音声認識 機械学習実践シリーズ」高島遼一(著)
「Pythonで学ぶ音源分離 機械学習実践シリーズ」戸上真人(著)
「The Medieval Book and a Modern Collector Essays in Honour of Toshiyuki Takamiya」Takami Matsuda/Richard A. Linenthal/John Scahill(編)
■(参考記事)松岡正剛の千夜千冊
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