○○や、ああ○○や、○○や
芭蕉が松島の絶景に圧倒され句を詠めなかったというエピソードもある「松島や ああ松島や 松島や」を思い出すけど、松島というあまりの絶景を前に、作者(田原坊)の言葉が出てこない様子が感じとれる句なんだよね。
そんな絶景って、日本で見たことあったけ?^^;
例えば、国内出張だと、時間が許す限り、飛行機を使わず、新幹線も使用せず、以下の本に記載されている100箇所の「車窓絶景区間」にチャレンジしています(^^)/
「日本の鉄道車窓絶景100選」(新潮新書)今尾恵介/杉崎行恭/原武史/矢野直美(著)
むちゃくちゃハードル高いんだけどね^^;
電車から見える風景には、良きにつけ悪しきにつけいろいろと思い入れがあったりしませんか?
自分の心に刻まれている景色が候補に挙がっているだけでうれしいなどという読み方をする人はあまりいないのかもしれないけれど、そうでなくてもこの本は面白い。
以前、行ってみた中で、絶景だったなって印象に残っているのは、以下の記事に載っている駅や神社、支院かな(^^)
静岡県の山奥。湖の上にある秘境駅に行ってみる。
http://tabi-labo.com/237415/okuoikojo-station/
日本の美しい場所31選にも選ばれた元乃隅稲成(もとのすみいなり)神社に行き、お賽銭が世界で一番入れづらい事実を確認しに行く。
http://tabi-labo.com/236726/shrinemotonosumiinari/
【1ヶ月限定】幻の絶景と呼ばれる瑠璃光院の紅葉を鑑賞する
http://tabi-labo.com/207851/rurikoin-autumn-leaves/
こんな絶景でなくても、都会の雑踏の中から抜け出し、ふっと目に入ったのどかな田園、野原、草原、丘陵、お花畑、町並み・・・・・・
なぜだか気持ちが”ほっ”って感じがして、リラックスしてしまう。
・・・・・・そんな経験ってありませんか?
何故か、風景のもつ雰囲気は、私たちのこころを優しく和らげてくれますよね(^^)
・福富福美沢(美瑛町)
・四季彩の丘(美瑛町)
・絵本の木(美瑛町)
・青い池(美瑛町)
・夕日の木(美瑛町)
・美馬牛小学校(美瑛町)
・留辺蕊(美瑛町)
・マイルドセブンの丘(美瑛町)
・新星(美瑛町)
「日々を共にする目の前の風景ほど、人がもっとも見ない、見ていない風景もまたありません。」長田弘(詩人)
当たり前すぎて、意識していないので、目の前にあるのに気づいていないことも多い。
いまあるもので、何を感じ取れるのか、何ができるかを考えてみる。
考え方を変えていけば、今まで気づけなかったことも、見えてくるようになるかな?(^^)
【参考記事】
日本風景街道
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/fukeikaidou/index.html
かおり風景100選一覧表
http://www.env.go.jp/air/kaori/ichiran.htm
【参考図書】
「風景と人間」アラン コルバン(著)小倉孝誠(翻訳)
「日本列島の「でこぼこ」風景を読む」鈴木毅彦(著)
「風景との対話」(新潮選書)東山魁夷(著)
「新・風景論―哲学的考察」(筑摩選書)清水真木(著)
「風景学入門」(中公新書) 中村良夫(著)
「風景学・実践篇―風景を目ききする」(中公新書)中村良夫(著)
「ニッポン景観論」(集英社新書ヴィジュアル版)アレックス・カー(著)
「日本風景論 (新装版)」(講談社学術文庫)志賀重昂(著)
「志賀重昂『日本風景論』精読」(岩波現代文庫)大室幹雄(著)
「日本風景論」(講談社文芸文庫)加藤典洋(著)瀬尾育生(解説)
「風土の日本―自然と文化の通態」(ちくま学芸文庫)オギュスタン ベルク(著)篠田勝英(翻訳)
「100年後まで残したい!日本の美しい花風景」はなまっぷ(著)
「いちばん美しい季節に行きたい日本の絶景365日」TABIZINE(著)
閑話休題。
こちら、句には、俳句の基本ともいえる季語が含まれておらず、このように季語や季節感を持たない俳句のことを無季俳句と呼びます。
実は、季語の有無については、俳句が盛んであった江戸時代から議論されている問題なんだとか^^;
松尾芭蕉の門人・向井去来は、著書『去来抄』の中で、「先師曰く、発句も四季のみならず、恋、旅、離別等、無季の句もありたきものなり。(芭蕉は、恋、旅、離別などを詠む場合は、無季の句があってもよいのではないかといった)」と述べています。
「去来抄・三冊子・旅寝論」(ワイド版岩波文庫)向井去来/服部土芳(著)潁原退蔵(校訂)
事実、松尾芭蕉もいくつかの無季俳句を残しており、「歩行ならば杖つき坂を落馬かな」などがあるから、季語無しだと、俳句も作りやすいかな?(^^)/
そうそう、俳句は、体験と直感が重要で、俳句のひらめきは、体験が生み出す豊富な視点と一つのモチ-フの出会いで、新しい世界が現出される時、非常に優れた作品が出来るそうです。
俳句は一人称の「断定の文学」であり、短いが故に、余白に響くものがある事は、著者が繰り返し強調するに値するのかなって、そう感じられますね(^^)
病床や獄中等を問わず、「俳句の目」で旅が出来るところに、俳句の一つの魅力が存するのかも。
一言で言えば俳句は「悟り」、「祈り」、「他への敬いと交歓」「他者を敬うこと」―山・川・草・木・石や昆虫等、人も含めて敬う心的態度が非常に重要ってことで、早速、これまで行ったことのある日本の魅力溢れる景色から詠んでみると・・・・・・
「奥入瀬や ああ奥入瀬や 奥入瀬や」
「富士山や ああ富士山や 富士山や」
「宮島や ああ宮島や 宮島や」
「直島や ああ直島や 直島や」
「屋久島や ああ屋久島や 屋久島や」
続いて、無季俳句?って言うより、四文字熟語を活用して俳句ぽく詠んでみると・・・・・・
「乾坤や ああ一擲や 結婚や」注)乾坤一擲:運を天に任せる覚悟で、人生の大勝負に挑むこと。
「豪放や ああ磊落や 暫や」注)豪放磊落:小さなことにこだわらず、意思や気持ちを大きく持つ人や様子。
「水滴や ああ石穿や 人生や」注)水滴石穿:水滴が長い時間をかけて石に穴を開けることから、こつこつと小さな努力を積み重ねて、大きな成果をあげること。
「勇往や ああ邁進や 現世や」注)勇往邁進:困難に恐れることなく、目標に向かって一気に進むこと。
「和衷や ああ協同や 前進や」注)和衷協同:和みうちとけるほど心を通い合わせ、協力して励むこと。
ん~難しいねぇ、や、や、やで繋げるのって^^;
ただ、自然の音に敏感な日本人は、独特の耳の文化をもっていますから、語呂良く、あるいは、韻を踏むような言葉を選ぶと楽しいかも(^^)
そうそう、かそけき音の楽しみは、日本庭園や茶の湯などに代表されますが、俳句にも高度な「聞く」文化があります。
「閑けさや岩にしみ入る蝉の声」(松尾芭蕉)
虫の鳴き声に季節を感じたり、夕暮れ時の鐘の音に一抹の寂しさをおぼえる感性は、日本人の心に共通して流れているようにも思えます。
私たちは遠い昔から音と繊細に交わりながら生きてきたのでしょうねぇ(^^)
日本人は古来より虫の鳴き声や鳥のさえずり、風の音色など、身の回りのさまざまな音を歌に詠んで愛でる習慣や感性を持っていた感性が少し受け継がれているのかな?
【おまけ】
PELICAN FANCLUB「俳句」
https://www.youtube.com/watch?v=P13uZxFYqX8
【参考図書】
「俳句と人間」(岩波新書)長谷川櫂(著)
「日曜俳句入門」(岩波新書)吉竹純(著)
「俳句を楽しむ」(岩波ジュニア新書)佐藤郁良(著)
「部活で俳句」(岩波ジュニア新書)今井聖(著)
「元気が出る俳句」(幻冬舎新書)倉阪鬼一郎(著)
「俳句と暮らす」(中公新書)小川軽舟(著)
「俳句脳―発想、ひらめき、美意識」(角川oneテーマ21)黛 まどか/茂木健一郎(著)
「俳句は入門できる」(朝日新書)長嶋有(著)
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