【「嗜む」のすすめ】書くとはなにか読むとはなにかに焦がれ本を嗜む
私達が密かに大切にしているものたち。
確かにあるのに。
指差すことができない。
それらは、目に見えるものばかりではなくて。
それらを、ひとつずつ読み解き。
それらを、丁寧に表わしていく。
そうして出来た言葉の集積を嗜む。
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■テキスト
「[増補版]知の編集工学」(朝日文庫)松岡正剛(著)
本書刊行時の時代背景と執筆時の思い、そして、今回、増補した制作経緯を明かし、あらためて「知の編集工学」で問おうとしたメッセージを、以下の5つの視点で解説しています。
1.「世界」と「自己」をつなげる
2.さまざまな編集技法を駆使する
3.編集的世界観をもちつづける
4.世の中の価値観を相対的に編み直す
5.物語編集力を活用する
これらの視点の大元には、「生命に学ぶ」「歴史を展く」「文化と遊ぶ」という基本姿勢があることも、AI時代の今こそ見直すべきかもしれません。
■書くとはなにか、読むとはなにか。
本を読むときは、
「読む」
ことに着目しがちだが、
「読むこと」
と
「書くこと」
は、実はつながっている。
書かれたものがあるから読むことができる。
読む人がいるから書く。
そして、書いたものは、残るから、未来へつながる。
共通点は、どちらも対話。
「ことば」の使命は、なにがしかの意味を伝えるということ。
https://note.com/bax36410/n/n0c435d4ac415
対話はピンポンゲーム(1)
https://note.com/bax36410/n/nc17437b34e61
対話はピンポンゲーム(2)
https://note.com/bax36410/n/n9e24a9502a63
読むことは、作者との対話であり、自分との対話であり、過去との対話。
書くことは、自分との対話であり、未来との対話かもしれない。
「さみしい夜にはペンを持て」古賀史健(著)ならの(イラスト)
本書に、
「書くことは、自分という最大の謎を読み解く作業」
とあり、鏡を見ても、自分のことはわからない。
でも、自分の考えていることを言語化して、把握すると、周りに振り回されなくなる。
ふいに、誰かに何かを言われても、傷ついたり、自分を卑下したりする必要はないと思える。
書くことで、ぶれない自分を、手に入れることができる。
ただ、書くべきことが、見つからないとき。
書けないことこそ、書いてみよう。
そこに、世界との出入りが起こり、「あいだ」に、創をつくりだす。
知覚と了解を同期させて。
どこまでも広がるアナロジーに、遊んでみる。
あなただけの冒険の「書」が、書かれることを、待っているはずだから。
・書くとは、打ち欠くことだ。
・読むとは、欠けた破片を、空隙に嵌めていくことだ。
・考えるとは、そうした破片と空隙が織り成す世界相を、想定していくことだ。
<参考記事>
『本を書く』
著者:アニー・ディラード
翻訳:柳沢由美子
■17夜170冊目
2024年4月18日から、適宜、1夜10冊の本を選別して、その本達に肖り、倣うことで、知文(考えや事柄を他に知らせるための書面)を実践するための参考図書として、紹介させて頂きますね(^^)
みなさんにとっても、それぞれが恋い焦がれ、貪り、血肉とした夜があると思います。
どんな夜を持ち込んで、その中から、どんな夜を選んだのか。
そして、私達は、何に、肖り、倣おうととしているのか。
その様な稽古の稽古たる所以となり得る本に出会うことは、とても面白い夜を体験させてくれると、そう考えています。
さてと、今日は、どれを読もうかなんて。
武道や茶道の稽古のように装いを整えて。
振る舞いを変え。
居ずまいから見直して。
好きなことに没入する「読書の稽古」。
稽古の字義は、古に稽えること。
古典に還れという意味ではなくて、「古」そのものに学び、そのプロセスを習熟することを指す。
西平直著「世阿弥の稽古哲学」
自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」(^^)
さて、今宵のお稽古で、嗜む本のお品書きは・・・
【「嗜む」のすすめ】書くとはなにか読むとはなにかに焦がれ本を嗜む
「風に向かって咲く花」小野田隆雄(著)
「Goods Entertainment たのしい記憶のカプセル」
「光文社創立 60 周年企画「少年」オール復刻 B0X」
「The Engine Ferrari 365GT/4BB」RayIchiro Fukuno(著)Yoshifumi Ogawa(写真)Hajime Saburi(訳)
「ジョン・グールド 鳥類図譜 総覧」ジョン グールド(著)紀宮清子(編)
「東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン」(新潮文庫)リリー・フランキー(著)
「東京日記 卵一個ぶんのお祝い。 」川上弘美(著)
「日本のモダニズム建築―17 作家の作品が描く多様な展開〔DVD+BOOK〕」彰国社/テレコムスタッフ(株)/ソニー(株)(著)
「平家物語を歩く」林恭子(著)
「三省堂 類語新辞典」中村明(主幹)芳賀綏/森田良行(編)
■(参考記事)松岡正剛の千夜千冊
・才事記
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