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【「嗜む」のすすめ】自分の中に有る世界感を拡げる事に焦がれ本を嗜む

日出木りんごさん撮影

私達が密かに大切にしているものたち。

確かにあるのに。

指差すことができない。

それらは、目に見えるものばかりではなくて。

それらを、ひとつずつ読み解き。

それらを、丁寧に表わしていく。

そうして出来た言葉の集積を嗜む。




■テキスト

「[増補版]知の編集工学」(朝日文庫)松岡正剛(著)

本書刊行時の時代背景と執筆時の思い、そして、今回、増補した制作経緯を明かし、あらためて「知の編集工学」で問おうとしたメッセージを、以下の5つの視点で解説しています。

1.「世界」と「自己」をつなげる

2.さまざまな編集技法を駆使する

3.編集的世界観をもちつづける

4.世の中の価値観を相対的に編み直す

5.物語編集力を活用する

これらの視点の大元には、「生命に学ぶ」「歴史を展く」「文化と遊ぶ」という基本姿勢があることも、AI時代の今こそ見直すべきかもしれません。

■もっと世界を広げたい

「ときどき

おとずれ

たまたまであう

こだまことだま

時の音」

空海の「声字」。

<参考図書>
「訳注 声字実相義」松長有慶(著)

<参考記事>

親鸞の声について

<参考資料>

古代ギリシャに由来する狂詩曲(ラプソディ)。

読むとは、声を出すことだ。

音読は、国語だけではなく、すべての勉強の基礎になるほど、とても重要な勉強法。

分かるとは、声を自分の体で震わせることだ。

分かるは、声を分けることなのである。

言葉や文字から声を抜いてはいけない。

例えば、黙読の場合、言葉は脳の「感覚性言語野」という部分に送り込まれ、文字として認識する。

同時に、言葉の意味を理解するが、ここでストップしてしまう。

しかし、声に出して読むと、「感覚性言語野」から、さらに、「運動性言語野」に送られ、音声に変換される。

その音声は、耳から聴覚野に入り、再び、感覚性言語野で音声確認できるのである。

つまり、黙読だと、目で文字と意味を認識するにとどまるが、声に出すことで、より音声に変換され、耳からも理解力が深まる。

さらに、何度も繰り返し声に出して読み、その言葉を耳で理解することで、記憶も自然と想起させる効果が期待できる。

つまり、声にだして読めば読むほど、頭の中で文章が明確になってくるのだ。

<参考記事>
『五十音図の話』
著者:馬渕和夫

■18夜180冊目

2024年4月18日から、適宜、1夜10冊の本を選別して、その本達に肖り、倣うことで、知文(考えや事柄を他に知らせるための書面)を実践するための参考図書として、紹介させて頂きますね(^^)

みなさんにとっても、それぞれが恋い焦がれ、貪り、血肉とした夜があると思います。

どんな夜を持ち込んで、その中から、どんな夜を選んだのか。

そして、私達は、何に、肖り、倣おうととしているのか。

その様な稽古の稽古たる所以となり得る本に出会うことは、とても面白い夜を体験させてくれると、そう考えています。

さてと、今日は、どれを読もうかなんて。

武道や茶道の稽古のように装いを整えて。

振る舞いを変え。

居ずまいから見直して。

好きなことに没入する「読書の稽古」。

稽古の字義は、古に稽えること。

古典に還れという意味ではなくて、「古」そのものに学び、そのプロセスを習熟することを指す。

西平直著「世阿弥の稽古哲学」

自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」(^^)

さて、今宵のお稽古で、嗜む本のお品書きは・・・

【「嗜む」のすすめ】自分の中に有る世界感を拡げる事に焦がれ本を嗜む

「モンゴル民話 ひとりぼっちの白い子ラクダ」Ts.ホンゴル(著)Sh.ガンボルド(イラスト)

「英文ビジュアル版 京都—千年の輝き - Seeing Kyoto」ジュリエット カーペンター(著)

「少年のころ」(FOR YOU絵本コレクションY.A.)ミヒャエル ゾーヴァ(イラスト)那須田淳(著)

「僕が神さまと過ごした日々」アクセル・ハッケ/ミヒャエル・ゾーヴァ (著)那須田淳/木本栄(翻訳)

「ちいさなちいさな王様」アクセル ハッケ/ミヒャエル ゾーヴァ(イラスト)那須田淳/木本栄(翻訳)

「クマの名前は日曜日」アクセル ハッケ/ミヒャエル ゾーヴァ(イラスト)丘沢静也(翻訳)

「ミヒャエル・ゾーヴァの世界」ミヒャエル・ゾーヴァ(著)那須田淳/木本栄(翻訳)

「辻邦生全集」(全20巻)辻邦生(著)

「青木淳 JUN AOKI COMPLETE WORKS 1 1991-2004」青木淳/モーセン ムスタファヴィ/保坂健二朗(著)

「JUN AOKI COMPLETEWORKS |3 | 2005-2014」青木淳(著)鈴木心/阿野太一(写真)

■(参考記事)松岡正剛の千夜千冊

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