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【本屋さん開店します】本日限り開店の本屋さん「詩族館」

イリノイ州シカゴのシェッド水族館が本日限りの本屋さん「詩族館」へイリュージョン中

人が一度に処理できる情報の限界。

つまり、選択肢の上限は、

「マジカルナンバー」

と呼ばれ、一般的には、

「7±2」

とされています。

これは、アメリカの心理学者であるジョージ・ミラー教授が論文で発表したものです。

一方、2001年に、ミズリー大学の心理学者であるネルソン・コーワン博士は、マジカルナンバーは、

「7±2」

ではなく

「4±1」

であると提唱しています。

これは、情報化社会で、情報量が増えるにつれ、人は、情報処理を簡略化しようとする傾向があるためです。

また、選ぶことへのストレス耐性が、減ってきているという指摘もあります。

選択肢が多すぎると、逆に、1つのものを選べなくなるという心理を、

「ジャムの法則(決定回避の法則)」(※)

といいます。

これは、コロンビア大学に所属するシーナ・アイエンガー教授が、1995年に発表した法則で、マーケティングや行動経済学の用語としても知られています。

※印:

と言うことは、本屋さんに置いてある本の数だと、前述の「ジャムの法則」が働いて、本が選べず買ってもらえないことになり、また、このブックガイドで紹介している239作品でさえ、桁違いに多いことになって、ガイド本として成立しなくなってしまう問題が発生?(^^;

「そんなに読んで、どうするの? 縦横無尽のブックガイド」豊崎由美(著)

そうであれば、「4±1」をキーコンセプトにして、本屋さんを水族館ぽく改装(配置(ジャンル別と作家別 等)と選書(4±1冊))することで・・・

そこに人間を回遊させて・・・

その水槽(4±1冊の表紙を並べた本棚)の前で、興味が湧いた本のボタンを押せば買えちゃう、にゅ~タイプの本屋さん「詩族館」が、本日、限定でオープンします(^^)/

[参考図書]
「水族館飼育員のキッカイな日常」なんかの菌(著)

「全国クセすご水族館図鑑」さかなのおにいさん かわちゃん(著)

「詩族館」の各フロアは、詩の海を象徴する本をテーマに設けて、歩きながら詩の海(世界)の素晴らしさ、大切さを体験できるようにアレンジさせて頂きました(^^♪

それでは、(*ˊᗜˋ)ノ゙いってらっしゃ〜いꕤ


■出発

「笑えるね」って思えたら大丈夫。

「駝鳥」

になったので会いに来てくれ、という友人が最近発生した。

ゼリーとパフェをバケツに詰めて、砂よけ帽をかぶり長い道を歩いて面会に行った。

まあ、這入りたまえ、と駝鳥語で返事がした途端、こちらも、程よく首がのび出し、口が尖り、腰がふくらんで来た。

二人で騒々しく話の掛け合いをして、二人は二人の悲哀に涙を流した。

砂が目にしみた日であった。

(詩集『一体全体』藤富保男より)



■入口

長田弘 世界は一冊の本

「世界は一冊の本 [definitive edition] 長田弘(著)



■大海への誘い 出会いと発見の旅へ

「本を読もう。/もっと本を読もう。/もっともっと本を読もう。」

中島敦 遍歴
金子光晴 召集
安西冬衛 打楽器
大岡信 「文明」と「文化」の論

日夏耿之介 書齋に於ける詩人
天沢退二郎 墓守として
新川和江 ヨーロッパの顔
八木重吉(しづかなるひは)

石川啄木 古びたる鞄をあけて
谷川俊太郎 虚空へ
中野重治 (本は何で出来ているか?)
生田春月 悪魔の嘆息

川崎洋 代々のいちゃもん
井上靖 孔子
中村稔 浮泛漂蕩(ふはんひょうとう)
茨木のり子 わたしの叔父さん

高橋順子 椅子
津村信夫 手紙
三好達治 沈黙
鮎川信夫 必敗者



■場所と時間への旅 生命(いのち)あふれる彩りの世界

「本でないものはない。/世界というのは開かれた本で、/その本は見えない言葉で書かれている。」

尾崎喜八 槍澤の朝
安水稔和 (私はある人と……)
辻征夫 船出
白石かずこ ときは、さしせまった

吉増剛造 独立
井伏鱒二 勸酒(于武陵)
飯島耕一 母国語
小池昌代 売れ残り

武満徹 詩、言葉そして余韻
長田弘 まことに愛すべきわれらの人生
立原道造 白痴
室井犀星 燭の下に人あり、本を讀めり

木下杢太郎 時興
萩原朔太郎 詩人の死ぬや悲し
三富朽葉 土地
池井昌樹 サザエさんの星

松浦寿輝 たった一つの文字に1
田村隆一 毒杯
小熊秀雄 不謹慎であれ
福士幸次郎 POEに献ず——11月



■人生への旅 「ぼく」と「きみ」のダイナミックな世界へ

「本に就いての詩集であり、本に蹤いての詩集であり、本に着いての詩集であり、本に憑いての詩集であり、本に即いての詩集。」

多田智満子 エクピローシス以後
丸山薫 カロッサとリルケ
吉岡実 ルイス・キャロルを探す方法(わがアリスへの接近)
瀧口修造 クレーはここにいる

堀川正美 死んだアメリカの詩人に
友部正人 サルトルとボーヴォワール
原民喜 ガリヴァの歌
入沢康夫 フゥイヌムの国へ——午年にちなんで

中勘助 スピノザ
宮沢賢治 マサニエロ
安西均 チェーホフの猟銃
草野心平 ドストエフスキー

三木卓 トルストイ
北村太郎 パスカル
関根弘 ヒゲの生えたピーター・パン
小野十三郎 フアブル自然科學叢書

菅原克己 「ビュビュ・ド・モンパルナス」を読んで
石原吉郎 その朝サマルカンドでは
萩原恭次郎 エンリコ・マラテスタの部屋
那珂太郎 ロマネスク



■多様な世界への旅 世界の奥へ奥へ

「本を読むというのは、『私』が本を読むのではなく、ほんとうは、本に『私』が読まれることです。本は、言葉でできている鏡だから。」

富永太郎 ランボオへ
辻井喬 白鯨(夜の四つの場所より)
谷川雁 毛沢東
芥川龍之介 レニン第二、レニン第三

オーデン (中桐雅夫訳)W・B・イエイツをしのんでIII
リンゲルナッツ(板倉鞆音訳) ウェーデキント追憶
マヤコフスキー(小笠原豊樹訳) ズボンをはいた雲2
ツェラン (飯吉光夫訳)チューリヒ、鸛(こうのとり)ホテルで

ランボオ (中原中也訳)オフェリア
ヒューズ (木島始訳)ハーレムの呼びかけ
クラーク (永井羊肯訳)F・スコット・フィッツジェラルドの恋歌
ブランショ (粟津則雄訳)「ヘルダーリンの旅程」より

ボルヘス (長谷川四郎訳)カムデン1892
エンツェンスベルガー(野村修訳) ニコロ・マキャヴェッリ
シュナイダー(川村二郎訳) 作家エル・エムの肖像
シャール (窪田般弥訳)きみはよく出かけた、アルチュール・ランボーよ!

高村光太郎 旅に病んで
倉田茂 ペンを置いて
杉山平一 傾斜
吉野弘 音楽



■豊かな物語への旅 言葉と言葉の隙間へ

「わたしは本を読む。もっと本を読む。そして、もっともっと読まれたい。」

石垣りん 感想
佐藤春夫 陸放翁の家
釈超空 獨逸には 生れざりしも
高橋睦郎 September

梶井基次郎 (詩人への手紙)
西脇順三郎 燈台へ行く道
清水哲男 フクちゃん
財部鳥子 魯迅の思い出

阪田寛夫 挨拶の下手な人に
宮本正清 わらい
山村暮鳥 雲、おなじく、ある時
北原白秋 老子
(出典「本についての詩集」(大人の本棚)長田弘(著)より)

アーサー・ビナード もしも、詩があったら
若松英輔 詩集 美しいとき
渡邊十絲子 今を生きるための現代詩
三好達治 詩を読む人のために


■出口

「今ここにない時間を、私たちの目の前に結び付けるのが「ことば」だという、詩や物語の本質とも言えるものです。」

「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」(福音館創作童話シリーズ)斉藤倫(著)高野文子(イラスト)


こちらの企画に参加させて頂きました(^^)

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