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【「嗜む」のすすめ】人の仕事に焦がれ本を嗜む
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私達が密かに大切にしているものたち。
確かにあるのに。
指差すことができない。
それらは、目に見えるものばかりではなくて。
それらを、ひとつずつ読み解き。
それらを、丁寧に表わしていく。
そうして出来た言葉の集積を嗜む。
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「働く」とはなにか。
人の仕事の本来と未来。
人や組織によって、実に様々な捉え方をしている言葉。
それが「仕事」という言葉だと思います。
「首尾一貫した目的があるだけでは人生を幸福にするのに十分とは言えないが、それが幸福な人生にとってのほとんど不可欠の条件であることもたしかだ。
そして首尾一貫した目的は、主として仕事において具現化される」バートランド・ラッセル(哲学者、数学者)
生活や環境の変化が多い、この時期に、改めて「働く」や「仕事」について考えてみました。
「働く」や「仕事」を問うために、どんな本がヒントになるのか。
何かを考える際に、本を、1冊ずつ読むのではなく、関係する書物を2冊以上選び、図形のように配置して、並行して読み進めてみると、新たな視点に気づけて、視野が拡がって有益です。
その際、読む必要がないと思ったものは、途中でやめても、OKです。
逆に、これは、重要だと思った本は、目次から最後まで、じっくりと精読することは必要な行為だと考えられます。
そうすることで、テーマの系譜を追い、自分なりの見取り図を描くことが、可能となります。
では、そもそも、働くとは何をするのかについて、解してみるために、まず、漢字の起源を紐解く「常用字解」で、確認してみると、
「常用字解」白川静(著)
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「働」という字について、こう書いてあり、
「働はわが国で作られた字であるが、明治以後の欧米語の翻訳語に使用したものであろう。
(中略)
のち中国でも使用されるようになった」(白川静「常用字解」より)
意外なことに、「働」という文字自体が、日本では、明治期になってようやく登場したという事実があり、今の私たちが日常的に使っている「働く」という言葉のルーツが西欧発であるため、例えば、本書を読んでみると、
「働くことの哲学」ラース・スヴェンセン(著)小須田健(訳)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966463165-h60x7UplvR.jpg)
西洋の働く観の変遷を遡りながら、仕事とレジャーや管理されること、また、給料をもらうことなどについて詳細に論じられているので、「働くってなんだ?」の最初の「?」として、例えば、
■仕事をしているつもりが、実際には「仕事」をしていない。
■仕事をしているつもりが、実際には「ムダ」な行いをし続けている。
ということが横行していないか等、十二分なヒントをくれそうですね(^^)
【参考図書】
「だれのための仕事―労働vs余暇を超えて」(講談社学術文庫)鷲田清一(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966524270-ITMsFcdFzI.jpg)
「「待つ」ということ」(角川選書)鷲田清一(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966554153-Bw5TWElYZH.jpg)
「「聴く」ことの力 臨床哲学試論」(ちくま学芸文庫)鷲田清一(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966564552-999Ki85qMl.jpg)
「仕事」という言葉の意味・定義を正しく理解していないと、
「大事なものは見えにくい」(角川ソフィア文庫)鷲田清一(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966579877-R7kyR67EN7.jpg)
森を歩くうちに感じること。
木は木の仕事。
土は土の仕事。
風は風の仕事。
水は水の仕事をしている事実。
木々は大きく枝を広げ。
緑を湛え。
多くの生きものたちの暮らしの場を作る。
土は、そんな木々を支え。
枯れ木や落ち葉を、新たな命へと循環させる。
風は茂りすぎた枝葉を落とし光を届け。
水は、大地をけずって、様々な地形をつくり養分を運ぶ。
そんな森の中で生きるものたちの営みを。
聞いて・・・
自分の仕事は何だろうと。
感じて・・・
注意深く観察することから始めて。
考えて・・・
自分の周りで何が起こっているのか、五感を研ぎすませながら観る。
しばらくすると、風の通りが悪い場所、水の流れが滞っている場所に気がつくようになるのではないでしょうか。
「一人でやっているんじゃない」
自然や人やもの達と呼応している実感に気づく。
風通しのいい場所。
美しい流れのある場所。
日当りのいい場所。
私たちは、誰に教わるでもなく、そんな場所を、心地いいと感じると思います。
巡りのある場所。
流れのある場所。
そこには、光と闇が溢れ、生命が溢れる。
暮らしのなかにも。
巡りを生み出す。
流れを生み出す。
繋がりを生み出す。
美しさを引き出す。
自然が教えてくれる。
その様な場所の存在に気付くことで、私たちにできる人の仕事は、更に、洗練されていくのかもしれません。
「暮らすことが、ただただ楽しい」
そう微笑む。
おだやかな笑顔。
自然や人の営みに寄り添う人の仕事が、生きることへの根源的な喜びに繋がっていることを、静かに教えてくれている気がします(^^)
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今日は、どれを読もうかなんて。
好きなことに没入し。
自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」(^^)
今宵、嗜む本のお品書きは・・・
【「嗜む」のすすめ】人の仕事に焦がれ本を嗜む
「ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー」白石美雪(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966735954-uhUYxdYAlj.jpg)
「スタディーズ・イン・オーガニック」隈研吾建築都市設計事務所(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966754169-qlwOIVv5RT.jpg)
「スタンダード時事仏和大辞典」稲生永/(編)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966765692-9PQcjgM9tu.jpg)
「リートフェルトの建築」奥佳弥(著)キム・ズワルツ=写真(イラスト)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966777870-hMiHwFye6Y.jpg)
「吉村昭歴史小説集成 (第1巻)」吉村昭(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966813844-gpS6BK8TOe.jpg)
「吉村昭歴史小説集成 (第2巻)」吉村昭(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966823474-uXfAhaAMuz.jpg)
「吉村昭歴史小説集成 (第3巻)」吉村昭(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966841790-X20JBFRkyP.jpg)
「吉村昭歴史小説集成 (第4巻)」吉村昭(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966851118-cJisj0fH0E.jpg)
「吉村昭歴史小説集成 (第5巻)」吉村昭(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966859986-OEw0qyw3zy.jpg)
「吉村昭歴史小説集成 (第6巻)」吉村昭(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966868259-6OCF7XT2Ib.jpg)
「吉村昭歴史小説集成 (第7巻)」吉村昭(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966876799-3QeZ03OYpW.jpg)
「吉村昭歴史小説集成 (第8巻)」吉村昭(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966885904-ojshOV5Rkz.jpg)
「西洋美術書誌考」西野嘉章(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966961938-0dh4X7bp2N.jpg)
「増補 磯江毅|写実考 Enlargement Gustavo ISOE's Works 1974-2007」磯江毅(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966976314-cOv2byDdDD.jpg)
「瀧口修造1958——旅する眼差し」慶應義塾大学アート・センター(編著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709966992757-42l1cgLcdd.jpg)
「丹波の名陶」
![](https://assets.st-note.com/img/1709967003178-n7YcNjdbBl.png)
「溶游する都市 -FLOW AND FUSION-」北野謙(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1709967016239-WMXv3Put2d.png?width=1200)
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