【メモ(memo)】いい子にならなくても
いい子でいようと思っていて、または、相手に嫌われるかもしれないと思って、つい、何でも、YESと言ってしまい、自分の首を絞めてしまうことはありませんか。
日本では、とくに、断ることは、相手に対して失礼、というようなカルチャーがあり、NOというようなダイレクトな言葉もありません。
それで、NOと言うのが普段の習慣の中になかったりもします。
その証拠に、何かができるかどうか質問すると、NOの代わりに、「それは難しいです」というような答えが返ってきます。
それは、翻訳すると、「できない」ということなのに、直接の答えは、「難しい」。
難しいということで、間接的に、相手に、「察しもらう」ことを期待していて、相手も、それを察して、それを、NOとして、受け取るカルチャーが出来上がっています。
また、男性と比べて女性は、とくに、周りを優先するクセもあってか、NOがなかなかいえないですね。
NOと言わなくても、自分がまったく困らない、苦しまないのであれば、問題ありません。
困るのは、NOと言わないために、自分が疲れる結果になったり、「なんでちゃんと言えないんだろう」と落ち込んだりすることです。
NOということもトレーニングなので、まずは、考え方を少し変えてみることから始めます。
まず、好ましい人間関係を構築するために心がけたいのは、
「自分と他人の間の境界線をきちんと意識し、守る」
ことです。
あなたの心(思考)や身体、生活、人生などに、必要以上に他人を立ち入らせてはならないように注意してみて下さい。
同様に、家族や友人など、どれほど親しい間柄であっても、他人の心や身体、生活、人生などに立ち入ったり、その人のコントロール権を奪ったりしてはならない。
■他人や社会が決めた価値観やルールから解放され、自分の人生を取り戻して幸せに生きるためには、人間関係を見直す必要がある。
■生きづらさを軽減するためには、「ラインオーバー」(=誰かの境界線を侵害すること)したりされたりしないようにすることが効果的だ。
■自分に合わないものややりたくないことには、NOと言おう。そうして生まれた時間を、自分を喜ばせることに使うべきである。
そして、NOと言うことは、相手を否定することでも、拒絶することでもない、と理解すること。
NOは、相手に頼まれることに対してであり、その人自身に対するNOではないこと。
NO=嫌われるではないと理解すること。
たとえば、何かのお誘いがあって、特別行けないような理由はなくても、断りたいときってありますよね。
そんなとき、ウソの理由を並べ立てたり、いろいろと言い訳をしないで、今日は失礼します、という一言でNOを伝えてもいいのです。
そうしてもいいのだ、と自分に言ってみましょう。
そして、相手がそれで気を悪くするなら、その人との人間関係に問題があるのであり、あなた自身に問題があるわけではないのだ、と理解しましょう。
NOと言うことで、あなたが悪い人になるわけでもなく、いい子でなくなるわけでもないのです。
罪悪感を感じる必要もありません。
NOと言うのがなかなかできなくて、困っているなら、こんなコンセプトを自分に取り入れることから始めてみてください。
そして、シンプルなことからNOと言ってみることにトライしてみます。
たとえば、「今日は一日NOの日」というような日を作って、NOとずっと言ってみよう、なんていう対応でも良いと思います。
一日中NOと言ってみる、というような日を作ることで、トレーニングしてみなさい、ということです。
また、NOと言うことが、あまりにも心苦しくて、逆に、ストレスになるようなら、無理に、NOと言わなくてもいいでしょう。
あくまでも、「必要なときにNOと言える私になりたい」と思う方だけ、やってみればいいのです。
そこで、職場でNOと言うための7カ条を、下記の通り参考までに紹介しておきますので、必要に応じて活用してみて下さい。
■安請け合いをしない
現状の仕事をこなしながら、新たな業務を割り当てられ、本当に質の高い仕事が出来るのかどうか。
仕事量の点からも客観的に考慮する。
簡単にイエスと返事をする前に、それがチームにどんな成果をもたらすかを戦略的に考える。
■代わりの案を差し出す
NOと返事をするにしても、あなたを頼りにしてくれた相手は何らかの形でアシストしたい。
何か別の方法で役に立つことができないか、少し日程をずらして、その問題に取りかかることはできないか、などいくつかの案を提示してみる。
■メールではなく、本人に直接伝えよう
メールの文面と言うものは、とかく誤解を招きがち。
あなたがいくら前向きなトーンで文章を打ち込んでも、その声色まで相手に伝わるものではない。
■話は出来るだけ簡潔に
説明は、短く簡潔に。
他の業務の進捗状況などを並べ立て、くどくどと言い訳をするのは逆効果だ。
■結果を考えて行動すべし
仕事の依頼を断るときは、そのことで、ビジネスと私生活の両方に生じ得るリスクやデメリットを、総合的に検討する。
あなたが責任のある立場にいる場合、安請け合いが命取りになって、社内のポジションが危うくなるケースも考えられる。
■相手に隙を見せない
業務を押し付けようとする人物は、心にもないお世辞などを言って、断れないように仕向けることもあり得る。
相手に付け入る隙を見せてはいけない。
今の業務がどんなに忙しいかをきちんと伝える。
■させていただきたいのは山々ですが、と伝える
現状の業務に、あなたがどんなに心血を注いでいるのか、相手にきちんと理解してもらえるよう的確な説明をする。
上司が、どうしても、別のプロジェクトを任せようとするならば、その時はこう言ういってみる。
「是非、その仕事をさせていただきたいのですが、大変残念なことに、次の火曜日にビジネスパートナーのY氏に関するXの案件を控えています。
こちらの件は、いつまでに仕上げればよろしいのでしょうか」
あれこれと言い訳がましく説明を加えないことが肝心だ。
最後に、ひとつ覚えていただきたいことがあります。
NOと言わない背景には、嫌われたくない、みんなに好かれたい、というニーズがあって、それが満たされていないからです。
このニーズが満たされないままでいると、いつまでも周りに振り回される結果になります。
このニーズは、多少のリフレーミング(すべての人に好かれるのは、現実的に、無理だと理解すること)と、自分を好きでいれば、自分で満たせられることも、覚えておきましょう。
いい子でいようとして、自分を苦しめないでくださいね。
「そんなにいい子でなくていいからそのままでいいからおまへのままがいいから」小島ゆかり
【今日の短歌】
「憧れは哀しからずや病窓に 果実に飽きしみどりごのあり」
(中島らも『今夜すべてのバーで』より)
「元気よくおりこうさんの返事するニュースの子ども 子どもは窮屈」
(細溝洋子『コントラバス』より)
「草むらをひとり去るとき人型に凹(くぼ)める草の起ち返る音」
「人を傷(いた)めぬよき子になれと中の子の広き額を撫でてをりたり」
(宮柊二『日本挽歌』より)
「地湧の菩薩として僧俗和合で〔魔の所為〕を砕滅する」
(森山光章『句集〔法華折伏破権門理〕、喜悦のみがある』より)
【参考記事】
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