【「嗜む」のすすめ】言葉に魂を宿せるに焦がれ本を嗜む
私達が密かに大切にしているものたち。
確かにあるのに。
指差すことができない。
それらは、目に見えるものばかりではなくて。
それらを、ひとつずつ読み解き。
それらを、丁寧に表わしていく。
そうして出来た言葉の集積を嗜む。
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■テキスト
「[増補版]知の編集工学」(朝日文庫)松岡正剛(著)
本書刊行時の時代背景と執筆時の思い、そして、今回、増補した制作経緯を明かし、あらためて「知の編集工学」で問おうとしたメッセージを、以下の5つの視点で解説しています。
1.「世界」と「自己」をつなげる
2.さまざまな編集技法を駆使する
3.編集的世界観をもちつづける
4.世の中の価値観を相対的に編み直す
5.物語編集力を活用する
これらの視点の大元には、「生命に学ぶ」「歴史を展く」「文化と遊ぶ」という基本姿勢があることも、AI時代の今こそ見直すべきかもしれません。
■言葉に魂を宿せろ!
在り来たりで、既知の情報では、つまらない。
愉快に。
遊んで。
未知の情報に戯れて。
何を足すのか。
写したいものを写して。
何を引くのか。
写したくないものは写さない。
思い切って、必要なものだけを、さっくりと切り取って。
面白いことを、しようじゃないか。
・シチュエーション1:
背中を押してくれる言葉。
人より、本から貰えたりする。
・シチュエーション2:
どんなに偉い人たちでも。
伝えようとする熱意で、世界を切り開いてきた。
言葉は、勇気の味方。
言葉は、熱意の味方。
伝えようとする熱意が、世界を切り開く。
・シチュエーション3:
人生にも、ときどき雨が降る。
自分を、柔らかくするために。
・シチュエーション4:
あらゆるものが、主語になれる。
全ての気持ちは、言葉にできる(かもしれない)。
・シチュエーション5:
普通の言葉が、一番、伝わる。
普通の生活は、沢山の普通の言葉たちで、できている。
例えば、誰かと、何か、美味しいものを食べたとき、グルメレポーターみたいな、捻った言葉は必要ない。
美味しいから、
「おいしいよ」
って言う。
そう、普通の言葉が、たぶん、一番、伝わるんだろうね。
例えば、お隣の人に、何か話しかけたくなった。
でも、気のきいた言葉が浮かばない。
そんな時は、まず、気楽に、定番の天気の話からスタートしてみる。
少なくとも、話しかけたいという気持ちは、相手に伝わるんじゃないかな。
・シチュエーション6:
ふたりでいるときの沈黙を恐れないでください。
会わないときの言葉を楽しんでください。
今、私は、彼とふたりでいる。
でも、言葉はない。
今、僕は、彼女とふたりでいる。
でも、言葉が必要だとは、思わない。
言いたいことが、あんまり多すぎて。
今は、言葉にならないから。
今、言うと、消えてしまいそうな気がするから。
ひとりになって、言葉の結晶が、生まれてくる。
ひとりになって、パズルを解くように、言葉を、解していく。
そして、私は、彼に、最初の言葉を送る。
そして、僕は、彼女に、最初の言葉を送る。
ふたりでいるときの沈黙を、恐れないでよ。
会わないときの言葉を、楽しんでいたいね。
<参考記事>
『ピーターパンとウエンディ』
著者:ジェームズ・バリ
翻訳:芹生一
■19夜190冊目
2024年4月18日から、適宜、1夜10冊の本を選別して、その本達に肖り、倣うことで、知文(考えや事柄を他に知らせるための書面)を実践するための参考図書として、紹介させて頂きますね(^^)
みなさんにとっても、それぞれが恋い焦がれ、貪り、血肉とした夜があると思います。
どんな夜を持ち込んで、その中から、どんな夜を選んだのか。
そして、私達は、何に、肖り、倣おうととしているのか。
その様な稽古の稽古たる所以となり得る本に出会うことは、とても面白い夜を体験させてくれると、そう考えています。
さてと、今日は、どれを読もうかなんて。
武道や茶道の稽古のように装いを整えて。
振る舞いを変え。
居ずまいから見直して。
好きなことに没入する「読書の稽古」。
稽古の字義は、古に稽えること。
古典に還れという意味ではなくて、「古」そのものに学び、そのプロセスを習熟することを指す。
西平直著「世阿弥の稽古哲学」
自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」(^^)
さて、今宵のお稽古で、嗜む本のお品書きは・・・
【「嗜む」のすすめ】言葉に魂を宿せるに焦がれ本を嗜む
「ミクロコスモグラフィア マーク・ダイオンの[驚異の部屋]講義録」西野嘉章(著)
「君が異端だった頃」島田雅彦(著)
「「探偵小説」の考古学 セレンディップの三人の王子たちからシャーロック・ホームズまで」レジス・メサック(著)石橋正孝(監修, 翻訳)池田潤/佐々木匠/白鳥光/槙野佳奈子/山本佳生(訳)
「ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ」ユリア・エブナー(著)木澤佐登志(解説)西川美樹(訳)
「息吹」テッド・チャン(著)大森望(訳)
「黄色い家」川上未映子(著)
「悲しみの秘義」若松英輔(著)
「水中翼船炎上中」穂村弘(著)
「遠慮深いうたた寝」小川洋子(著)
「封印された星 瀧口修造と日本のアーティストたち」巖谷國士(著)
■(参考記事)松岡正剛の千夜千冊
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