【大晦日カウントダウン記事(21:00)】【読書メモ】「街場の現代思想」(文春文庫)内田樹(著)
日常の生活で何気なく大事だと思っている大事なことを、考えてみる。
「人間性の中心にあるのは、わたしたちの日々を形づくる多くの何気ない優しい行いです。」とは、生物学者であるスティーヴン・グールドの言葉。
確かに、自分の気持ちが不安定で未熟であれば、少しのことでも苛立ってしまいます。
そんな時、周りの人に、どれだけ優しく接することができているかを、振り返ってみる。
誰しも、少なからず、気持ちの自己コントロールをし、相手を思いやる気持ちを持てるようになろうと心掛けているのではないでしょうか。
前述の人間性に関して内田樹さんは「街場の現代思想」で『鉄腕アトム』全体を貫くテーマは「人間性とは何か?」という問いであると言っていました。
鉄腕アトムのイメージは、片方の腕を伸ばし、もう一方を曲げて空飛ぶ姿を思い浮かべる人も多いかな。
『鉄腕アトム』〜アニメ『PLUTO』までの歴史
結末においてアトムは、地球を救うためにおのれの命を捧げます。
これが手塚治の結論。
人間性を基礎づけるのは、DNAでも知性でも感情でもない。
「人間を人間たらしめているのは<世界のすべての人間よりも私は責任を負っている>という<有責感の(無根拠な)過剰>である。」(231頁)
このように内田は指摘していました。
人間らしいロボットを作ることはとりもなおさず、人間とは何か、心とはどんなものかという根源的な謎を明らかにすることであり、ロボットが教える人間の「奇妙さ」を再認識するために、「ロボットとは何か 人の心を映す鏡」を読んだりしてみるのも良いと思います(^^)
「ロボットとは何か 人の心を映す鏡」(講談社現代新書)石黒浩(著)
「アトムの命題 手塚治虫と戦後まんがの主題」(角川文庫)大塚英志(著)
【参考記事】
アトムの命題とは何か|意味をわかりやすく徹底解説
http://intra.mhi.co.jp/hr/jinji.htm
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