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「人間関係の不安、疎外感を感じている管理職」は是非読んで下さい
管理職に就かれて、自部門のメンバーと関係がギクシャクし、話しかけるのも億劫になるほど悩んでおられる方がいらっしゃいます。
例えば
・表向きのコミュニケーションは変わらなが、どこか白々しい感じがする。
・他の人に報告されていることが、自分には報告がなかった。
・個人的な不満や、同僚の中傷をぶつけてくる。
この例は極端かもしれませんが、管理職であればこのような経験は一度や二度はあるのではないでしょうか。
人によっては、
「こんなことは当たり前だ! とにかく指示に従わせればいいんだ!」
と割り切る人もいます。
反対に
「メンバーと目指す姿を共有し、戦略戦術を実践して成果を上げたい!」
という管理職もいます。
後者は、インナーコミュニケーションが上手くいけば、効率良く成果を上げられますが、そうでないと成果はあがらず、焦りや不安、疎外感が膨らんで、眠れない夜が続きます。
今日は後者の管理職が、どのようにマネジメントしていけば良いかについてお話します。
1.管理職とメンバーの間にある見えない壁
メンバーが上司に抱く不満、同僚同士が抱く不満を調査したところ以下に集約できました。
【メンバーが上司に抱く不満】
●上司は、自分の活動や成果を理解してくれない
●上司は、業界や製品がわかっていない
●上司は、意思決定ができない
【同僚に抱く不満】
●あいつは、すぐ他人に責任転嫁する
●あいつは、上司に取り入るのがうまい
●あいつは、自分の仕事を他人に押し付ける
一見すると、両者には一貫性のない問題に見えますが、実は全てに共通する要因があります。
それは自己承認欲求です。
2.人は、自己承認欲求を満たしたい生き物です。
上記の不満を分析するとすべて”分かって欲しい”が根底にあります。
では明日からメンバーの話をしっかり聞けば、コミュニケーションが上手くと思うかもしれませんが、コトはそれほど単純ではありません。
人の記憶は脆弱です。
時間と共に、解釈が変わり
時間と共に、細かいことは忘れてしまい
「うちの課長は、話す度に言うことが違う」
なんて言われると、途端に信頼を失います。
うううーーん 悩ましい! 恐ろしい!
3.事実を時系列に記録する
これからお話することは、私自信がロジラテ思考ノートを使って、10年間実践してきたことです。
結論を先に申し上げると、メンバーからこんなことをよく言われました。
「飯田部長は、私より私がやったことを知っていますね。」
「飯田部長のロジラテ思考ノート見せて下さい。前がどうだったか忘れちゃったんで。。。」
では、具体的にロジラテ思考ノートでどんなマネジメントをするのか、簡単にお話していきます。
1)メンバーから上がった「What(起こったこと)」を要約して、リアルタイムに記録する。
ロジラテ思考ノートの赤枠に「What(起こったこと)」記録する。
①受けた報告を要約して「What(何が起こったのか?)」に記録する。
②記録が終わったら、報告をくれた人に見せて内容を確認する。
③できなかったこと、失敗したことは記録しない
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2)月が終わったら「できたこと(成果)」を記録する
ロジラテ思考ノートの赤枠に「できたこと(成果)」を記録する。
①メンバーと、前月の「How(戦術)」に対して「できたこと(成果)」を記録する
②ここで記録した成果は、期末の評価査定に活用する。
③できなかったこと、失敗したことは記録しない
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3)「Why(仮説と課題)」を記録する
ロジラテ思考ノートの赤枠に「Why(仮説と課題)」を記録する。
①メンバーと、「What(起こったこと)」を分析して、問題が起きた理由の仮説を立てる。
②「仮説」をベースにして、次月の課題(やるべきこと)を設定する。
③できなかったこと、失敗したことは記録しない
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4)「How(戦術)」を立案して、記録する
ロジラテ思考ノートの赤枠に「How(戦術)」を記録する。。
①メンバーと、課題をクリヤするための次月の戦術を立案し記録する。
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4.ロジラテ思考ノートで何が起こるのか?
以上のプロセスは、メンバーと「What」、「できたこと」、「Why」、「How」についてインナーコミュニケーションすることで、メンバーを承認し、次に何をするかを一緒に考えていくマネジメントです。
つまりロジラテ思考マネジメントは、自己承認マネジメントとも言えます。
ご興味ある方は、是非お試し下さい。
※ロジラテ思考ノートは、メンバーの失敗は記録しないようにしています。理由は、人は他人の失敗は決して忘れない意地悪い性分を持っているからです。