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新発見!アスリートの「メンタルコーチング」は、ビジネスの成長原理に通じます_ロジラテ思考
プロスポーツの世界では、選手のコーチング技術が進んでいます。
技術指導、道具の開発など。。。中でも最近注目されているのはメンタルコーチングです。
今日は、アスリートのメンタルコーチングセミナーに参加したときのお話をします。
読者の皆さんは、アスリートのメンタルコーチングとは、どんなことをするのかご存じでしょうか?
おそらく、
「選手の悩みを聞いたり、スランプになったときの心のケアをすることでしょ?」
と答えられる方が大半だと思います。
ところがセミナーで行われていたことは、選手の心の奥底まで立ち入り、良い時、悪い時の違いを分析していくというもので、私のイメージとは違うものでした。
1.アスリートのメンタコーチングとは何をするの?
アスリート メンタルコーチングは、どんなことをするか?
当たり前ですが、選手の話を注意深くヒヤリングするところから始めます。
・直近のプレーの中で一番良かった時と一番悪かった時はいつだったか?
・そのときの心の動きと、実際に起こした行動を思い出させる。
・思い出したら、その行動を再び細部に渡って再現させていく。
興味深い点は、その再現のさせ方が実にユニークなんです。
・選手自身が試合会場に入る前にどんな動作をしたか?
・例えば靴はどちらから履いたのか?
・ジュースは何を買って、どちらの手で持ったのか?
・そのときの気持ちや、プレーが始まったときに何を考えたか?
・その後どんな動作をしたか? 結果はどうだったのか?
・ルーチン動作に違いはなかったのか?
まるでタイムマシンに乗って時間を遡るかのようなことをするのです。
2.メンタルコーチングで何が分かるのか
タイムマシンに乗って時間を逆行すると、良いときと、悪いときの関係性を理解することができます。
カウンセリングを受けたアスリートに感想を聞くと、こんな答えが返ってきました。
「試合でやった一つ一つの動作や、そのときの感覚を思い出しているうちに、あの時のことがビジュアル化されていくんです」
「そうなると、自分は何をすればいいのか? 何をしてはいけないか?がはっきりしてくるんですよ」
つまり、「やったこと」、「できたこと」、「できなかったこと」、「自分の特性」、「マインドセット」を理解し、「強み」となる動作を武器化しているのです。
まさに、タイムマシン メソッドです。
3.「タイムマシン メソッド」はビジネスにも活かせる
ビジネスマンも自分の「強み」を活かして、課題の解決を求められます。
アスリートと同じように、自分は何をすればいいのか? 何をしてはいけないか?を理解し、行動すれば必ず成果に繋がることになります。
ただ、ひとつ注意しなければならないことがあります。
それは「何のために勝つのか?」を明確にすることです。
コーチング講師によると、選手が「優勝するため」とか「メダルを手にするため」という目的、目標を持つと大抵ダメになっていき、成長する選手は何かへの他者への貢献を目的としている人だそうです。
4.勝つ目的は、他者への貢献でなければ、成長しない
コーチのこの言葉は、実に面白い示唆を含んでいます。
【コーチの言葉】
「優勝するため」とか「メダルを手にするため」という目的、目標を持つ選手は大抵ダメになっていく
【ビジネスの置き換えると】
顧客への貢献を二の次にして、売上げ・利益を目的にしている企業です。
利益至上主義の経営は、いずれ顧客が離れていくのは自明の理です。
【コーチの言葉】
成長する選手は、何かへの貢献を目的としている選手
【ビジネス置き換えると】
企業の目的を「社会、顧客への貢献」としている企業です。
利益は、その結果として手に入れられるものという考え方。
この場合は、顧客に受け入れられる企業として継続経営が可能になります。
まさか、アスリートの成果と、ビジネスの成果にこんな共通点があったとは驚きでした。
我々もアスリートと同じように、どんな時に、どんな人に、何をして、何に役に立ったのか、役に立たなかったのかを、タイムマシン分析すれば自分、自社の「強み」が見つかるはずです。
そのうえで行動するということが、成長するための原理原則になっていきます。