塾のチラシに憂鬱になる
今朝、新聞にかつて働いていた塾のチラシが挟まれていた。
もう縁がないと思っていたため、こんなところで塾の名前を見ることになるとは思わなかった。
そのチラシは、細かい会場の情報こそ違えど、働いていた頃とデザインが全く同じで、朝から少しうげぇという気持ちになってしまった。
塾のチラシには、いい思い出がない。
塾ではいろいろな仕事をさせられる。
授業は、少数の生徒につきっきりで教える個別授業と、黒板を用いる集団授業の2種類だが、それ以外にも仕事はある。
正社員の人も授業をするため、事務所で電話番をしながら事務作業をしたり、塾内テストの運営、採点をしたり。
そして、早朝に近隣の学校へチラシ配りにいったり、新設の会場付近でのポスティングといった仕事も強制された。
このチラシ配りが本当に嫌だった。
そもそも塾業界は他の業界と一日の流れが大きく異なる。
生徒に授業をする時間は、どうしても夕方から夜しかない。
そのため、授業が17時から21時になってしまう。
授業が21時に終わったとして、すぐ帰れるわけではない。
後片付けや報告書を作成して、ようやく解放される。
家から離れた会場で授業するときは、家に着くのが22時や23時になるなんて珍しくない。
その次の日にチラシ配りに駆り出されるのは、正気じゃない。
そしてそれは、多少の悪天候でも強行される。
正社員の方はもっと大変だが、それをバイトの人間に強要するのはおかしい。
誰かに勉強を教えたくて塾でアルバイトをしているのであって、チラシ配りをしたくてアルバイトをしているのではない。
そして、チラシ配りにはノルマこそないものの、配付数を報告する必要があり、少ない場合はありがたい助言を聞くことになる。
2年近く塾で働いて、その時の経験のおかげで、今の自分があると思う。
けれど、このチラシ配りだけは本当にストレスであった。
今でも、塾のチラシを見ると思い出してしまう。