都築郷士 夜のいくつか (a
「仮面の告白」において、三島は「私の家は殆ど鼻歌まじりと言ひたいほどの気楽な速度で、傾斜の上を辷りだした」「祖父は黄金夢を夢みながら遠い地方をしばしば旅した」と述べている。-『赫奕カクヤクたる逆光』野坂昭如
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【珈琲徒然】
珈琲を飲みつゝ書いた詩と
珈琲飲まずに書いた詩ぢや
どこか根本が違ふんだよな..
覚醒作用には関はらず
なんと言ふか
愛し愛された、と言ふか、その頃を
珈琲で思ひ出すみたいで
満たされると言ふより
空漠としてしまふんだよな、却つて。
珈琲と共に充實の時間を
つて云ふのとはちと(さう云ふしかないから)
己には違つて感覚される.. テレビCMみたい?
まあそんな感じ、
だから己がいつもの眞夜中に
珈琲慾を注ぎ込まれるのは
きつと何かしら虚ろの裏へ
逃げ込んでしまひたいから
ざつと演繹すればそんなところ。
まあ言つてみれば煙草と同じ
やうな、特徴があるんだけど -
ニコチンは眞性アルカロイドを含む
カフェインの作用は偽アルカロイド由來
似てゐても、違ふもんなんだなー
と、今しがたwikiして得た知識。
だから......あゝ、(いつものパターンだな)
珈琲よ永遠なれ
黒い、黒い水面よ
苦い、苦い精神の鏡よ!
己の心に月が映るのは
そこに珈琲の揺らめきがあるから。
おしまひ。
©都築郷士
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【お定まりの定形・13吟】©都築郷士
肉体のお定まりなる生老シヤウラウをにこり撥ね付けたM.Y.さん好き
ビキニにはたぶん早退けの味がする
老母にはなんだか違ふ常識の昨今使はれざる部位が憑依ツき
何故サッカー撫子なのか美の裏切り
いつまでもあると思ふな我が能の爪隠すごと平静なる時
ジャケットを着て寢てゐたよ夢に泣き
年下の友にどんどん先行かれ焦らない焦らぬが知慧だらう?
対位法體位と混同バカが本屋
夢果てゝこの世の夢をと決め込めばたかゞ労働なぜに出來ぬか
繋がらぬぶうつく言ひて他人ヒト棄てる
私には幸ひにして貧があり折りふし思ふソドムとゴモラ
ハイスピードロマンスなんて鎖振り回す
注意ぶかき猫よ強氣と弱氣シャッフル
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【虚言箴言】
分かられない人に成りなさい。その分多勢に魅力的と映るだらう。- ラ=ロシュフコー(偽物)
帰つてきました。都築の間抜けアフォリズム。註は特にない。讀んだとほりです。
【無辜無慘】
チューバの音でおくびする
下品と天才とは紙一重
都々逸 -
先の帝ミカドにや
定年あつて
消しゴムで消す
一時代
私の言葉を全て忘れなさい 基督(大嘘)
3時だ。また。アデュー。
※
曼珠沙華けそけそ咲きぬあれ、急行? 郷士
オマケ。