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📷私、失敗しないのでー大門未知子から学ぶ写真撮影の心得ー

ドクターXに感化されている。

どこの医局にも属さない、一匹狼の女医の話。

組織だなんだと、しがらみに囚われず、自分のやるべきことを淡々とこなす姿はとてつもなくかっこいい。

「私、失敗しないので」
という決めゼリフとともに、米倉涼子さん演じる主人公の大門未知子が颯爽と手術をやり遂げる。そして最後は必ず成功させる。

劇場版ドクターXファイナルが、昨年から全国の映画館で公開されている。あまりの感動に三度もみてしまった私は、改めてこの“大門未知子”の考え方に感銘を受けた。

失敗しないという言葉の真意

私は「失敗しないので」なんて、口が裂けてもいえない。自信がないわけでも、責任がないわけでもない。責任をもって仕事に臨んでいるからこそ、絶対の約束ができない。

しかし、大門未知子は「絶対に失敗しない」と言い切る。ドラマの演出上の架空の話とはいえ、とてつもない自信を感じる。

なぜ彼女はあんなにも“絶対失敗しない”と断言するのだろうか。それは、ストーリーの中で、伏線が張り巡らされている。

彼女のセリフに「失敗された患者に次はない」というものがある。医者にとって患者は、数あるうちの一例かもしれないが、患者にとって医者は一人。最後の拠り所として助けを求めている。

医者は失敗しても、次の機会があるかもしれない。しかし、当然ながら患者に次はない。大門未知子の師匠である神原晶は「覚悟なんですよ」と、彼女の思いを代弁している。

他の医者と違うから。
自分は誰より上手いから。

などという傲慢な意味をもった言葉ではない。

絶対に『失敗しない』と、覚悟を決める一言なのだ。
いわゆる本気のスイッチである。

それくらい強い気持ちをもって患者に向き合っている。
それが達成できるくらい技術を高めてきた。

これこそが、彼女のプロ意識の高さの賜物なのだろう。


撮影に通ずる大門未知子の教え

私は会社員の傍ら、フリーランスのスポーツカメラマンをしている。専門は野球だ。クライアントの求める作品を納品する必要がある。撮れなかったという失敗は絶対に許されない。

野球の試合は流動的で一瞬だ。勝った負けたもそうだが、ゲーム展開がどうなるのか、終わってみなければわからない。同じシーンは二度とやってこないことも相まって、非常にスリリングである。

そのために、あらゆる場面を想定する。

クライアントの求める写真は、試合の展開で変わってくる。それを自分自身で察知する力が不可欠だ。

失敗してはいけないというより、失敗しないためにはどうすればいいか。常に頭の中で想像して撮影に臨む。これは、ドクターXの大門未知子も同様の考えである。手術場では想定外の出来事が起こり得る。動揺しないために、彼女は事前準備を怠らない。大門未知子のもつノートには、考えられるリスクの対応が詳細に書かれている。これこそが失敗しないコツだ。

起こりうるすべてのケースを予測して、完璧な準備をする。
それが、大門未知子が失敗しない理由です。

ドラマ Doctor -X 外科医・大門未知子 セリフ抜粋


準備が全てを制する

繰り返しになるが、準備こそが失敗しない(成功する)秘訣である。ゴールを設定し、可能性のある全ての展開を予測する。いくつものパターンを考え、作品を完璧に仕上げる。

趣味で撮影するときも、この考え方は曲げない。同じシーンは二度とやってこないという緊張感があるからだ。何回と同じチームを見る機会があっても、似た展開があったとしても、その日の試合は戻ってこない。

また、次頑張ればいいや。

その気持ちではいけない。


矛盾してしまうが、失敗しない人間はいない。私も絶対に失敗しないなんて言いきれないほど弱虫だ。しかし、絶対に失敗しないと自分と約束をしている。それがプロとしての覚悟だと大門未知子から学んだ。

だからこそ“準備”は非常に大切だ。どんなときも慌てず、冷静に対処ができるのは準備と積み上げてきた経験がものをいう。だから私は必ず良い作品を仕上げるために、準備を怠らない。大門未知子になれなくても、心がけることはできる。

幸い、この心得のおかげで致命的な失敗をしたことはない。もちろん、細かなミスやもう少し詰めておけば良かったと思うことはたくさんある。反省し、次に生かすため、準備の中に必ず組み込む。その繰り返しだ。


たとえ大門未知子になれなくても

完璧を求めるがゆえ、自分の個性を殺してしまうこともある。絶対に失敗しない大門未知子は、目指すべき理想であるとともに、背負いすぎないように注意している。

大多数の人間は大門未知子にはなれない。そんなこと、誰しも理解している。失敗せず、全て成功させ、かっこよく人生を全うできようものなら、最初から努力なんていらない。

大門未知子になろう。完璧になろうということが論点ではないと、私は思っている。あらゆるリスクを考え、変化する世の中についていく。基本を反復させ、自分流のやり方を見つける。これが目指すべき場所だと感じている。

たとえ理想とする大門未知子になれなくても、心がけることはできる。繰り返しになるが、準備が全てを制する。この教えを守れば、失敗することはまずなくなるだろう。

でも、私はいつか言いたい。

責任をもって「私、失敗しないので」と。



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かなねーさん✩.*˚ 🦖📸⚾
いただいたサポートは野球の遠征費、カメラの維持費などに活用をさせていただきます。何を残せるか、私に何ができるかまだまだ模索中ですが、よろしくお願いします。