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【どうする家康】寺の軍師はやっぱりお前かw(知ってた)家臣もどんどん裏切り・死ぬ鬱展開に。第8回「三河一揆でどうする!」雑感

NHK大河ドラマ『どうする家康』第8回の雑感です。
前回の感想はこちら↓

(※以下、ネタバレ注意)
(※本記事のセリフの引用箇所はノベライズに準拠しており、ドラマのセリフとは異なる場合がございます)

次々裏切る家康の家臣達。寺の軍師の正体は「知ってた」感

いやぁ、ついに始まってしまいましたね、三河一向一揆……次から次に負傷者が出てきますけど、倒した敵も家臣という、まさに地獄絵図が広がっておりました。

とりあえず、今まで名前が挙がってた登場人物の中で誰が裏切ってたかまとめましょうか……まずは槍半蔵こと渡辺盛綱「俺は……俺は……もうこうするしかないんじゃ! だって殿をぶん殴っちまったからあー!」なんて言ってましたね。なんじゃその理由はwwとりあえず今のところ完全にギャグキャラ化しちゃってますけど。これから彼が殿の忠臣になっていくビジョンが見えねえ……逆に言えば「伸びしろ」しかないので今後が楽しみではありますけれども。

続いて夏目広次。なぜかしょっちゅう殿に名前を間違えられる可哀そうなキャラであり、「殿は夏目殿を軽んじておられますからな……」なんて数正から苦言もありましたが。うん、本当はそうじゃなくて、目の前で自分の家来が自害していったのが辛かったんだよね……。これには同情してしまいます。

そして前回から登場していた、吃音のある下級武士・土屋長吉重治ですけど。物語の後半で殿を裏切り、ピンチに陥れたかと思うと、門徒たちに槍を突き付けられた殿の上に覆いかぶさり、盾として殉職するという忠臣っぷりを見せました。たった2回の登場だけど、長吉ロスきちゃうよこれ……。

そして最後に、本證寺の軍師の正体として名の挙がっていた、本多正信。って、やっぱりお前かーい!知ってたーーー‼って感じでしたけど……大丈夫かなこれ。「えーっ、まさか正信がー⁉信じられなーい‼」ってちゃんと驚けた方が羨ましい。僕も今年になってから、NHKで徳川家康関連の歴史番組とか見てましたからね……その番組の中では、「本多正信が一揆側についた」話もガッツリ紹介してたんですけど。

ちなみに本證寺の中庭には、「尊敬を込めてお礼として」本多正信の墓まで立てられているのだそう。なお、正信の遺骨自体は浅草の徳本寺にあるそうです。

そうやって、ネットだけでなくNHKの番組やらなんやらですでに正信の裏切りは散々語られていたのに、「敵の軍師は誰か?」ということを今回のストーリーの中心に据えていたのはいかがなものかと。今まで『どう康』を楽しんでいた僕自身も不安になってしまいました。「予備知識ナシで見た方が楽しめた」んだと思うんですけど、逆にこれだけ情報過多のネット時代には無理なんじゃないかな感が。

サイゾーとかも番組放送前にガッツリネタバレ記事を出してたみたいだし……これを先に見て知っちゃってた方、メディアへのヘイトが募るんじゃないかな。

それでも、家康を銃で狙った狙撃手が正信だったという展開は驚きましたし。お前、銃使えたんか……!これはこれで、「スナイパー正信」として、SNS等で新たな盛り上がりを見せそうですな。

倒れる半蔵、泣き出す女大鼠。いい具合の「予告詐欺」に笑う

そして今回、また半蔵が呼び出されましたが、殿が「半蔵!」と叫んでもぜんぜんこない。竹や亀たちまで「はんぞー!はんぞー!」って呼んでるのは可愛かったです。で、夕暮れ時になって、庭で子供達と遊ぶ半蔵の姿が……。

「忍びであるならば常にその辺におって、呼ばれたらさっさと現れよ!」とか殿言ってましたけど、「何度も申し上げるようですが、俺は忍びでは……」と半蔵も反論。何やら過去のステレオタイプな時代劇へのアンチテーゼみたいで面白かったですね。

しかも、皆が「夏目広次殿、謀反!」と言って騒いでるところにようやく現れて「殿! 申し上げます! 夏目広次殿、謀反!」「遅い! もうみんな知っておるわ!」……って、役に立たねぇ忍びだなぁwwww上之郷城での感動を返してくれ!と言いたくなるほどでしたけど。

唯一褒めるべきは、その後の本證寺への侵入方法ですね。先に女大鼠(演:松本まりか)が侵入して「た~んと食べり」とか言ってお握りを配ってる最中に、門徒のフリをした服部党が死体役の半蔵を運んでくるという。「あんたぁー!あんたぁー!」なんて泣く女大鼠……これ、前回の予告でも映像が流れてましたよね。一揆で半蔵が大けがを負ったシーンなのかと思いましたけど、見事な「予告詐欺」でした。

てっきりまた、第3回の「本多忠勝、討ち死に!」詐欺みたいなことやるのかと不安でしたよ。それとも、あれでしょうか?むしろ「本多忠勝、討ち死に詐欺」も、今回のでちゃんと「騙されたッ!」ってなるための仕込みだったんですかね?そう考えると、えらい前から仕込んでたんだな……。

ただ、いずれにしても空誓上人暗殺計画は失敗。軍師である本多正信も正体を知って、半蔵、戦意喪失(?)しちゃってましたけど。瀬名奪還作戦で自分を取り立ててくれた正信に恩義を感じていたからか。それとも正信を殺すと後々マズいことになると思ったのかはわかりませんが、どちらにしてもここで半蔵が手を下さなくてよかった……。

何はともあれ、次回、どうやって正信の軍略をはねのけるのか。家康の腕が試される時がやってきました。正信も、第7回では信長におびえる殿の姿を見て「可愛いのう」なんて言って笑ってやがりましたからね。完全に殿を馬鹿にしている。これから忠臣として仕えさせるには、あの詐欺師にも一泡吹かせなくてはなりません。

今川義元、再登場に泣く。過去を思い出しつつ、前へ進んでいく殿の成長を刮目せよ

最後に、前回の『もっと深掘り』レビューでは、僕も「「王道と覇道」はどうしてしまった」「信長に心を染められちゃった」と変わってしまった家康を嘆くような感想を漏らしていましたけど……。

今回は冒頭シーンから、回想で今川義元が登場。太守様……死してなお、こうして登場してくれるだけで泣きそうですけど。また、ちゃんと大切な教えを遺してくれました。

曰く、この国の主は、今川義元自身でも、京の幕府を統べる足利将軍でも、そして天子様(朝廷の帝)でもない。この国で生きとし生けるすべての民であり、自分たちはその民に生かされているだけだと。

この教えをもっと早く思い出してくれたら……と思うんですけど、家康も今まで三河平定のために戦いに明け暮れていたので仕方ありません。やっぱり人間ってさ、学んだことを忘れちゃう生き物なんですよ。忘れてなかったとしても、日々の忙しさのせいでおざなりになってしまっている教えだってあります。

だけど日々、いろんな壁にぶち当たる度に、そういった過去の教えも思い出しつつ、ちょっとずつ進んでいくしかないんですよ。

この『どうする家康』という作品、「この主人公、いつまで情けないままなんだ」という苦言をSNSで見たりしますけど、「天下を治めた徳川家康の物語」と思うからそうなのであって。そうじゃない、「まだ何者でもない等身大の若者が、いろんな壁にぶち当たりながら、やがて天下人へ成長していく姿を描いている」わけですから。今はむしろ、情けなく描かれているべきなんですね。

そんな中でも、今回、長吉に「本證寺攻めの大久保殿が、たた、助けの手勢を求めておられます!」と言われたときに、「わしが出る」と言って立ち上がったのは感動的なシーンではありました。「殿の首を獲ろうとわーっと集まってくるやもしれぬ。その御覚悟、おありですか、殿」なんて言われても、「三河の主は、この松平家康じゃ!」と雄々しく吠えていました。寅の家康、再来だわ。これは惚れ直す。

まぁ、結果、それが罠だったわけなんですけど……。

仲間には裏切られるし、また死人もいっぱい出るし、散々な展開ではありましたけど、これこそ大河の醍醐味だと思うんですよね。

……てかさ、『鎌倉時代の13人』だって『しぬどんどん』だとか『シヌシヌエブリバディ』とかって言われてましたけど……

『どう康』こそ、よっぽど『しぬどんどん』なんだけどwwwwww

本当に、人の命が軽い世界観……これぞ戦国です。

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