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バラクーダの創作

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私の愛を込めた物語たちの保管庫。
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記事一覧

忙しいのにアンニュイ #青ブラ文学部

久しぶりにこちらの企画に参加させていただきます。 宜しくお願いします!  壁に叩きつけら…

バラクーダ
1か月前
27

失われたレモンを求めて #シロクマ文芸部

 レモンからオレンジ、そしてベルガモット。柑橘系の香水を彼女はよく使っていた。  匂いと…

バラクーダ
2か月前
39

雨の七夕 #青ブラ文学部

 ヒグチくんは声が小さい。  おまけにボソボソと喋る。  長身だけど痩せていて、自らオーラ…

バラクーダ
4か月前
28

祖父と紫陽花 #シロクマ文芸部

「紫陽花を見つけたら、そこを左に曲がるんだよ」  幼い僕に祖父はそう教えてくれた。  も…

バラクーダ
5か月前
27

【料理小説】ハードボイルド パエリア リポート

 雨は嫌いじゃない。  だが雨の日に仕事をするのは嫌いだ。  だから今日みたいな雨の午後は…

バラクーダ
5か月前
33

【短編小説】五月病ドライブ (後編)

前編はこちら  そもそも健吾は車に興味はなかった。  大学時代、取れる時に取っておこうと…

バラクーダ
6か月前
17

【短編小説】五月病ドライブ (前編)

 突然、健吾の携帯電話が鳴った。  まぁ、電話というのは突然鳴るものだが、未だに電話がなると少しビクッとしてしまう。心臓に悪い。  画面を見ると恋人の琴葉からだった。 「あのさ、用がある時はまずLINEしてって言ってるじゃん。そしたら俺から電話かけるからって」 「あー、そうだった、ごめんごめん」  悪びれることなく琴葉は謝った。 「でもさー、もう前の会社からは電話こないでしょ。退職代行使ってちゃんと辞めたんだし。それに番号も変えて、今の番号知ってる人数えるほどしかいないんでし

遥かなるオルゴール #青ブラ文学部

「なんでも、小さなオルゴールを貰ったらしいのよ」  晩酌中の妻が言った。  先日13歳になっ…

バラクーダ
7か月前
31

祈りの雨を待っている #青ブラ文学部

今回はこちらの企画に参加させていただきます。 山根さん、今回も宜しくお願い致します。 「…

バラクーダ
7か月前
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クレヨンと選挙ポスターと多様性 #シロクマ文芸部

今回はこちらの企画に参加させていただきます。 よろしくお願いします。 「変わる時が、来た…

バラクーダ
7か月前
10

マッチングアプリ(短編小説)

「だから、誰にでも出来ることって価値がないのよ。そう思わない?」  強制的に同意を求める…

バラクーダ
8か月前
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公園にて (短編小説)

 リストラされたサラリーマンが昼間に向かうのは公園と、昔から相場が決まっている。  たま…

バラクーダ
8か月前
37

春めくコッペパン # 青ブラ文学部

今回はこちら、山根さんの企画に参加させていただきます。 よろしくお願いいたします。  雪…

バラクーダ
9か月前
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梅の花とかけまして #シロクマ文芸部

久しぶりに物語が書きたくなったので、こちらの企画に参加させていただきます。 よろしくお願いいたします。 「梅の花とかけまして!」  部長の秋元さんがよく通る声で発声した。 「梅の花とかけまして!!」  部員たちが復唱する。  お題を指定された麻衣ちゃんは困り顔をしながら考えこんだ。みんなの視線が麻衣ちゃんに集中している。  沈黙が続く、答えがなかなか出てこない様だ。  今年入学した大学で僕は演劇部に入部した。  麻衣ちゃんは僕と同じ一年生で今日は僕の隣りに座っている。