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認知症の母と娘

出版社からの新刊案内で知った、カーネギー賞を受賞したこの作品が今の私が読むべき内容のように思えて、図書館にリクエストしました。

この作品がこちらです。

帯にはこうあります。

本作に付けられた帯

物語の前半は、様々な職種の人々が、黙々と泳ぐ独特のコミュニティを持ったプールで、認知症の初期症状がみられる「アリス」はこのプールで「親切にすること」をルールの一つにしていたが、突如プールに原因不明のひびが判明、いつもの日常が崩れていきます。
すると後半第三章で物語の語り口調が変わり、「アリス」の記憶が失われたこと、40代後半で、作家である彼女の娘「あなた」が、アリスを「彼女」という主語とした文章で彼女が日系2世であること、先ほどのことは忘れても辛い古い記憶が残っていることを語ります。特に私が辛かったのは、第四章の娘である「あなた」が記憶障害を持つ人のための施設に母親を預け、悪質ではないものの基本ビジネスのようだと施設の内容を描写し、最後母親との思い出、成長するにつれて疎遠だった日々、母の異常に気づいた時既に遅かったという悔いが綴られていることです。

日系3世である著者が、第2次世界大戦での日系人とその家族が受けた傷の深さ、その記憶を最後まで持ち続ける認知症の家族をもつ悲しみを、物語の主語を変化させながら描いている点に驚きつつも、私も悲しくなりました。

私も認知症の母を施設でお世話になっている1人です。面会に度に孫を心配してくれる姿に、申し訳ない気持ちになっています。これから私も娘として何をしてあげられるのか、再考する時が来たようです。

Amazonより拝借

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。週末ですね。
オリンピックを最後まで応援していきたいです。

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